19.この世界の伝説
主人公がただ調べものをするだけ。
集団宿泊が終わった。色々不思議なものを見た。
それを調べるため、図書室に行く。
「この辺だったよね....伝説系をみればいいのかな?」
本を二.三冊借りる。
「これかな」
目次を見て、ページを捲る。
人と魔の戦い。
ーーーー大昔、まだ魔物と人の区別しか無かったとき、魔物が急激に増えた。知性ある魔物が生まれ、次々と国をおそった。このときに、人の半分が死んだと言われる。そんな時代、一人の女性が現れた。その人は、精霊の愛し子と言われ精霊の声が聞けた。国々は彼女に救済を頼んだ。彼女は精霊にその事をいい、精霊の力を借りて魔物を倒し、国々を救った。その後、彼女は忽然と消え、後のことを知るものはいない。精霊たちはその後幾度となく人に関わる。そして、助け助けられの関係が始まった。ーーーー
こんな感じの内容だった。どの本も、詳しいことは書いていない。そして、その女性の名前も。
「これじゃ分からないな。」
他のことを見ようと思い、魔法の民と精霊の民のページを捲る。
ーーーー魔法の民の祖先は元々知性ある魔物と人のハーフから。
しかし、祖先である知性ある魔物は魔物としての本能が無かったので、ハーフの子供たちは、ほぼ人と変わらなかった。だが、確かにその体には魔物の血が流れているため精霊が見えない。精霊たちは、その血が持つ魔力でその子達が見えなくなった。
精霊の民は、精霊の愛し子と言われた彼女を助けていた人の子孫。精霊に好ましく思われているので、力を借りられる。また、他の部族も精霊に認められることでこの民に成ることが出来る。ーーーー
「伝記だから本当か分からないか。」
歴史の本を見ても、その事は書いてないし。過去のことはまったく分からないものだな。
「あの映像は何だったんだろう?」
結局分からない。多分人と魔の戦いだと思うけど....。
なぜ、私だけ見えたんだろう。分からないことがたくさん出てくる。
あの五人の精霊....それぞれが違う色を纏っていたように見えた。そして、女神。あれは教会で信仰されていた精霊女神だと思われる。
「考えても分かんないか。」
とりあえず一旦諦め、寮に帰る。
「んあ?人と魔の戦い?ああ、あれか。」
テーヌに聞いたところ、その伝説は昔話として親しまれているようだ。
「そう。その救世主がどうやって魔物を倒したのか知らない?」
テーヌはうーんと首をかしげる。
「その部分は、省かれてたなあ。聞いたことないや。その人は旅人だったとしか知らない。」
旅人かぁ。関連性が分からない。意図的に伏せられてるのか?それとも、目撃者が居ないのか?もっと分からなくなった。
違うことを調べることにした。
神殿で貰った守護石のモチーフの五体のことだ。
確か、狼、龍、竜、猫、馬だったっけ?
順に、導、昇、守、隠、駆と漢字が彫られていた。
本をめくる。あった。
ーーーー狼が人を導いた。その途中で猫は人に隠れる技術を教えた。馬は人を乗せて駆け、危機から逃げさせた。龍は人を乗せて崖を昇った。竜はずっと人を守る。ーーーー
ふむ。よく分からない。わかる人には分かるのだろうが。
「アイ、考えても分からないなら、今日は諦めようよ。もう遅いよ。」
テーヌは眠そうに目をこすった。
時計を見ると確かに遅い時間だ。
「あ、ごめんね。つい夢中になっちゃって。寝ようか。」
テーヌに謝り、電気を消す。
「おやすみ、テーヌ。寝坊しないでね。」
「おやすみ、アイ。ぇー。」
「えーって言わない。」
「はい。」
さて、寝ようかな。




