14.集団宿泊②
鬼ごっこか?これ。
黒狼の背に乗りながら、考える。
黒狼は、鬼ごっこを始める前に、アルト先生が獣舎から借りてきた。けっこう大きいが、まだ大きくなる種だ。他の人も一人一匹何かに乗ってるはずだ。
鬼ごっこ。所詮鬼ごっこのはずなんだけど、なんで、向こうで火玉とか、雷とか起きてるのかな?
推測①
自然現象
推測②
精霊術も使った鬼ごっこという名のミニバトル。
②は嫌なんだけど、①は絶対ないので②なんだろうな。
当たっても、加護があるから、怪我はしない。
加護は公園内で発生する。
「みーつけた。」
鬼だと思われる(赤い布を着けているから)クラスの女子に見つかった。乗っているのはでっかい猫(?)だ。
黒狼に走るように合図し、小声で術を唱える。
「"世界に満ちる精霊達よ。かの者の目を眩ませよ"」
いった瞬間、閃光が走る。
私は目を閉じていたので、大丈夫だった。
相手が、狼狽えている隙に逃げる。
何とか巻いたようだ。
「アイ、無事?」
エルトが来た。
エルトの布を見ると、青だ。つまり、鬼ではないらしい。
「何とかね。そっちは?」
「大丈夫だよ。アイは初めてなのになかなかやるね。」
「まあね。」
「ウゥゥ」
黒狼が、唸る。周りを見ると、鬼(赤い布を着けた男子)が向こうから走ってきている。
「逃げようか。じゃ、またあとで。」
「えぇ、またあとで。」
それぞれ違う方向に走る。
「"世界に満ちる精霊達よ。閃光を我らの周りに散らばせ"」
エルトが唱えた。
「"世界に満ちる精霊達よ。閃光を防げ"」
「ちっ!」
いやいやエルト、あなた貴族でしょう。
舌打ちするなよ。
とか思ってる私は、木の上にいますね。
私はずるくない。気づかないほうが悪い。
「世界に満ちる精霊達よ。かの者を縛れ!」
おぉ。エルトが縛りの術を使った。
「ぐぅ。畜生。」
エルトが少し気を緩める。
「な~んつって。」
男子が縛りをといて、エルトに近付く。
「!?」
いや、そこで気を緩めたら縛りの強度が落ちるよ?
知らなかったのかな。
「世界に満ちる精霊達よ。かの者を閉じ込めよ。」
しょうがないから、ちょっと手助け。
多くの蔦が生えてきて、男子を閉じ込める。
エルトが逃げたのを見計らって、解除、と唱える。
「なんだったんだ!?」
男子はこちらに気付いていない。
そのまま、どこかへ行った。
多分、3時間ぐらい鬼ごっこしてたと思う。
2.3回木の上にいるのを見つかったけど、ほとんど木の上で
傍観&黒狼なでなでしてた。
「みなさーん、鬼ごっこ終了でーす。鬼になってない人わしの所にあつまれ~!」
アルト先生の号令が掛かったので、鬼ごっこが終了した。
鬼になっていない人は私を含めて5人くらいだった。
エルトも入っている。ん?コルザもいる。
「お疲れ様。はい、賞品。」
お菓子を貰った。
チョコレート菓子のようだ。
「このあとの行動は昼食を食べて、しばらく自由時間だ。街の地図を渡しとく。街で遊んでもよし、宿で寝ててもよし。夕食前には戻ってね。じゃあ解散!」
昼食は、宿の一階で全員で食べる。
色々な料理があって、選ぶことができた。
折角なのでまだ食べたことのない物を選んだら、美味しいものもあったし、不思議な味のものもあった。
街を探索しようということになって、私たちは宿を出発した。
所々、出店で髪飾りとか買いながら歩いていると、色々なお店を見かけた。
「あれは?」
「あれは多分鍛冶屋ですね。見えにくいけど向こうでドワーフが昼食を摂ってます。」
内向的な獣人の子が教えてくれた。
でも、ドワーフが見えない。獣人って視力が人と違うのだろうか。
「カナ、君しか見えてないよ。ドワーフは。やっぱり、獣人すごいねぇ。」
しみじみと呟いてるのは、獣人の子の隣にいた男子。
獣人の子の名前はカナらしい。
「ティー、そんなことないよ。」
照れてる。かわいい。
この二人は幼馴染みらしい。
これから、恋人になりそうだ。
以下エルトと私の会話。
「キャンディを売ってるよ!」「美味しそうだね。」
ペロペロ。
「焼きそばだ!」「この世界にもあるのか。」
もぐもぐ。
「クッキーだ!」「....私はいいや。」
ポリポリ(エルトのみ)
以下略。
「チョコr....」「帰ろうか。」
どれだけ食べるんだよ、エルト。
案の定、エルトは夕食が入らなかった。
夕食後は、部屋での自由時間だった。
とりあえず、お風呂に行き、部屋でお喋りや他の人の部屋にいってトランプをした。
何故か、私ばかりトランプで負けた。運悪いな。
罰ゲームは無かった。というか、全て他の人が肩代わりした。
なんで?
エルトはまだ遊んでたから、私だけ部屋に戻った。
「寝ようかな。」
鬼ごっこなどで疲れた。




