最終章第10話 たとえ偽りに支配されても
「焔火災」
アーサーの聖剣から放たれる火炎は、剣山のふもとで待機していた火蟻を黒焦げにしていく。
円卓騎士団の出現により、火蟻は一気に体制を崩す。
「クレイモア王。既に最前線が突破されました」
戦場に響く焦りの声。
クレイモア王は額から汗をポロっと流す。
「クレイモア。ここは私に任せてもらえるかしら?」
ただ焦り困惑するクレイモアの前に、一人の少女は現れた。
その少女は信頼されているらしく、クレイモアは彼女が現れた瞬間に全ての希望を託した。
「さあて、行くわよ、〈焔の矢〉」
重い空気が漂う世界を、彼女たちはたった一刀で切り開く。
ーー第二前線にて
「焔火災」
アーサーの聖剣から放たれる火炎は、突破された最前線を見て困惑している火蟻にとどめを刺す。
森の中を駆け、トカゲに乗った円卓騎士団は頂上を目指す。
「マーリン。あいつの言っていることが本当だとしたなら……行くしかない」
アーサーは次々に敵を撃破していくが、アーサーの火炎を受け止めた者がいた。
アーサーたちはトカゲを止め、その少女を見る。
「私はアプレシア。〈焔の矢〉総指揮官であり、火蟻の女王の娘である」
アプレシアが握る剣には、かすかに炎がわき出ている。
「なるほど。まさか火炎を操る剣がもう一つ存在したとはな」
「点火」
アプレシアの剣には紅に染まる炎が出現する。
アプレシアはその剣をアーサーに向け、技を放った。
「地獄業」
「焔火災」
両者の剣から放たれる火炎は、互いの炎を打ち消し合った。
黒煙が視界を覆うと、両者は暗い漆黒の中に身を投じることとなった。
アーサーは目をつむり、己の勘を頼りに神経を研ぎ澄ます。
「地獄業」
アーサーの右側から襲ってきたアプレシアの火炎。
「焔火災」
アーサーは剣を振るって火炎を消失させる。
アプレシアは数歩後退し、遠距離からアーサーに攻撃を仕掛ける。
「地獄鳥」
紅色の火炎の鳥がアプレシアの剣から放たれ、アーサーの腹部目掛けて飛んでくる。
だが水の鮫が鳥に衝突し、火炎を消失させた。
アプレシアは横やりを入れた者を見る。
「貴様。名は?」
槍を持った男は答える。
「俺はランスロット。円卓騎士団三大騎士の一人だ」
「まあいい。お前ら二人でかかってこい」
アプレシアはそう挑発するが、アーサーはそれにのらない。
アーサーはトカゲを走らせ、頂上を目指す。
「アプレシア。君の相手は俺が担当する」
「気安く名を呼ぶな。地獄業」
「湖壁」
水の壁がランスロットの前に現れ、火炎はすぐに蒸発する。
ランスロットはトカゲからおり、アプレシアに一歩一歩と歩み寄る。
「〈焔の矢〉の総指揮官、少しの間だけ時間稼ぎをしておこうか」
ランスロットは準備体操と槍を頭の上で回転させ、両手でしっかりと構える。
「さあ。どこからでもかかってこい」
数秒の沈黙の後、二人の男は剣を振るう。
「地獄超新星」
「湖十字架」




