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インセクト・ウォー  作者: 総督琉
最終章
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最終章第11話 紅に染めて

「地獄超新星(インフェルノ・ノヴァ)」


「湖十字架《アロン・サクリファイス》」


 アプレシアの剣から放たれた業炎が、ランスロットの正面にそびえ立つ水の十字架にぶつかった。

 衝突する水と炎は、互いの威力を打ち消した。


 水の十字架だけがランスロットとアプレシアの間にポツリと立っている。


「ランスロット。その十字架は何だ?」


「まあ分からないだろうが、お前には効果がないみたいだ」


「それは私が炎を操っているからか?」


「ああそうだ。この十字架が出現した場所では、周辺にいる者の水分を奪う。だがしかし、周囲に高熱が発生してる場合、十字架が吸収できる水分量は格段に落ちる」


 ランスロットは長々と話す。

 アプレシアはあくびをし、剣に火を灯す。

 アプレシアに呼応し、ランスロットも槍を構える。


「ねえ。あなたと私の相性が少し悪すぎる。だからちょっと本気、出そうかな」


 そう言うと、アプレシアの剣に灯されている炎は漆黒に包まれる。


「黒業(ダークインフェルノ)」


「面白い……」


 ランスロットは期待しつつ、二三歩後ろに後退する。


「さあ始めよう。まあまだ全力は出すつもりはないのだけれど」


 アプレシアはランスロットとの間合いを一瞬で詰める。

 アプレシアが間合いに入ったことに体勢を崩すランスロットに、アプレシアは剣を振るう。


「黒業一閃《ダークインフェルノ・ストライク》」


 アプレシアが振るう剣から、黒い火炎が放たれる。

 その火炎はランスロットを丸焦げにする。


「う、う……」


 ランスロットはアプレシアの黒炎をまともにくらい、丸焦げになって倒れた。


「ねえ。弱いね、あんた」


 アプレシアはランスロットを見て笑みを浮かべる。

 アプレシアはランスロットにとどめを刺さず、上に向かったアーサーを追う。


「黒業鳥《ダークインフェルノ・クロウ》」


 アプレシアの剣から放たれた獄炎の鳥は、木々を破壊しながらアーサーが進んだ方向に向かう。


「何だ!?」


 アーサーは足元に来た獄炎の鳥をよける。

 そして背後から追ってくる者の存在に気づく。


「まだ追ってくるか。なら……焔渦(エクス・ブレイズ)」


 火炎の渦が、アプレシアに向かって進む。

 アプレシアは自分に向かってくる火炎に向け剣を構え、技を撃つ。


「黒業渦《ダークインフェルノ・ブレイズ》」


 アプレシアもアーサーと動揺に火炎の渦をぶつける。

 渦同士はぶつかり合うが、明らかにアプレシアの炎が強いため、アーサーの火炎が消滅してアーサーを黒い火炎が呑み込む。


「焔飛(ほむらと)び」


 アーサーは火炎を地面に放ち、自らを宙に浮かせることで火炎をよける。


「黒業鳥《ダークインフェルノ・クロウ》」


 アプレシアの剣から黒炎の鳥が放たれ、空中に浮くアーサーを襲う。

 アーサーは剣を横一閃に振り、攻撃を防ぐ。


「面白い。だが、もう終わりにしないと母上が怒るんだよ」


 アプレシアは黒炎の渦を地に着地したばかりのアーサーにぶつける。


「アプレシア。決定的な隙をつくったお前の負けだ」


「な!?」


 アプレシアは後ろを向く。

 そこにいたのは黒焦げになっていたはずのランスロットがいた。

 黒焦げになっていたはずのランスロットはやけど一つ負っておらず、力強く槍を握っている。


「さようなら。湖喰(アロン・イート)」


 ランスロットの槍が、アプレシアを貫くーー

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