四百十一話
ちょっと遅くなりましたorz
簡易ではあるが拠点を作成。
寝床もベッドを確保出来たのでしっかりとした睡眠がとれた。
「さて、今後の事だけど此処が何処か解らないからどう進むかが問題だな」
「うーん……進路は同じで良いんじゃないかな?」
まぁ、それしか無いんだよな。此処で下手に進路を変えてもさらに迷うだけだ。
とは言え、何かしらヒントが欲しい処ではある。
「そういえば、ある程度見て回っただけだけどよくよく考えたらタウンマップとかあれば良いんだけど」
「あー……じゃぁ、明日は街の中で地図探しかな?」
「其れが良いと思う。食べ物や工具品はちらっと見たけど、他は見てなかったし」
ま、防壁は出来ているから少しは気楽に探索できるはずだ。
そんな訳で、美咲さん作の夕飯を頂きながら、まったりと休息兼明日やる事の話し合い。
イオや双葉や風はと言えば……うん、一塊になってまったりモードだな。
「うみゃぁ……」
「もう……お腹がいっぱいなの……」
「ぴゅぃ……」
何やら寝言でも言っているのかね。実に幸せそうな夢でも見て居そうだ……特に双葉が。
「双葉ちゃん何を食べているんだろう?」
「ハチミツじゃないか? 手の動きが、何かを掬っては口に持って行ってるからなぁ」
とりあえず、モンスター達が風邪をひくと言う事は無いと思うけど、毛布ぐらいは掛けておくとしようか。
「そしたら、俺達もそろそろ睡眠をとっておこうか。念のために交互に番を「ミャン!」ってイオ起きたのか」
どうやら、自分が居るから寝ていても大丈夫とイオが言っている。まぁ、イオなら寝ていても敵襲は気が付くだろうから問題は無いと思う。
「イオのお言葉に甘えるか。防壁もあるから何か有れば解るだろうし」
防壁を超える為には、壁を壊す、壁を乗り越える、穴を掘って抜けると言った行動をしないといけない。
まぁ、当然だけど対策はしてある。それらの行動を取ればしっかりと騒音が鳴るようにしてあるからな。なので、敵襲で問題なのは空から来るパターンぐらいだ。
という訳で、ゆっくりと寝て体力を回復させるとしますか。
日が昇り始め、目が覚めた。起きてみると随分と体力の回復量が違う事を実感。
「やっぱりベッドで寝るのとテントで野宿じゃ休まる量が違うか」
それ以外にも、警戒しながらの睡眠と言うのは気が休まらないからな。防壁を作って拠点化したというのも随分と回復に貢献している。
「イオおはよう。夜は何も無かったみたいだね」
「ミャン」
「ん? 何かは有ったのか」
「ミャミャン!」
「おはよーなの! いおちゃん「空に何か見たけど去って行った」って言ってるの」
おや、全く気が付かなかったな。
イオが俺達を起こさなかったという点から考えても、その〝何か〟には敵対する意思がなかったのだろうか。それとも、距離がかなりあったかだが。
「とりあえず、今日の探索は気を付けて行うとしようか。また来る可能性もあるし」
「解ったの! でも、双葉達は何をしたらいいの?」
「とりあえず、空から風に警戒を任せるから、イオと双葉は美咲さんと一緒に行動して貰うか」
「一緒なの! がんばるの!」
ま、大丈夫だとは思うけど……たまに美咲さんって抜けてる処があるからなぁ。その事を口に出すつもりは無いけど。
「それじゃ、朝食の準備は……既にできてるから、全員起きたら食べて行動開始だな」
そんな訳で、今だ夢の中にいるだろう美咲さんを起こしてから朝食をとって探索開始だな。
探索開始の少し前、実は美咲さんが少しぐったりとしたモードだったりする。まぁ、理由は単純で……。
「うぅ……まさかベッドが此処まで寝心地良いなんて……」
「別に寝過ごしたと言う訳でも無いから大丈夫でしょ」
「違うよ!? いや、違く無いけど……まさかあんな起こされ方をするなんて……」
あんな起こされ方……まぁ、イオの肉球アタックだったりする。
「ミャンミャン♪」
「ぷにぷにももふもふでお目覚めなの! お目目ぱっちりして気分が良いの!」
「うー……確かに良い目覚めではあったけど! 緩んだ顔を皆に見られたぁ……」
いや、緩んだ顔とか割と見てるぞ? 特に食べ物関連で。ハチミツを食べている時なんて、双葉と似ている幸せそうな表情になっているし。
「まぁ、過ぎた事だと言う事で。意識を変えて探索行こうか」
「むー……他人事だと思って、でも、うん、確かに探索に意識をチェンジしないとね」
パンパン! と、頬を自分で叩いて意識を無理やりチェンジする美咲さん。
「それじゃ、昨日も行ったけど、振り分けは風は空から警戒、美咲さんとイオ達は組んで南側の調査、俺は単独ソロで」
「了解! 探すモノのメインはマップで良いんだよね」
「だな。他にも使えそうな物が有ったらいいけど、ぱっと思いつくものが無いな」
ま、他に欲しいモノなんて見てからじゃないと今は解らないからな。これを! と決めるよりある程度自由判断の方が良いだろう。
「そしたら、日が落ちる前には此処に集合と言う事で」
「了解! それまでに見つかると良いなぁ」
それなりに建物が残っているからな。地図ぐらいは有るだろうと思いたい。
まぁ、思いたいなんて言ってても仕方ないから、さっさと探して現在地の確定をするとしますか。……ぶっちゃけ、地図じゃなくて看板とかでも良いんだけどね。
――守口達――
口論が続く二つのグループ。それを見守る守口達。
だが、その様な膠着状態も直ぐに終わった。
「いい加減目障りなんだよ。俺達としては実力行使でも問題無いからな」
「おや? 奇遇だな。全く同じことを考えていたところだ」
互いに武器を抜き、力を見せつけるかの様に威嚇。……何とも動物的である。
とは言え、此処で争った処で自分達の首を絞めるだけなのだが……何せ、此処はモンスターがウロウロとしている場所だ。
そんな場所で殺し合いにでも発展すれば、血の臭いに誘われてモンスターが集まってくるだろう。
しかし、彼等はその事を完全に忘れている。血が頭に上りすぎて居る結果だろうが……何ともお粗末な話だ。
「これ、相当やばいですよね」
「とは言え、介入する訳にはいかんだろ。良くて三つ巴、最悪手を組んで敵対になるぞ」
とは言え、守口達と彼等では戦いになるのかと言えばならないだろう。そもそも、装備の質が違うと言うのもあるが、守口達には狙撃班が隠れて待っている。
という事は、遠距離から一方的に攻撃が出来ると言う事で、彼等の装備が剣などの接近戦主体と言うのも見るかぎり、狙撃を防ぐ術は無い。
「勝てはすると思うが、余計な弾は消費したくないからな」
「温存ですか」
「あぁ、どう動いても争う事になれば、周囲のモンスター達が騒ぎ始めるだろうからな」
どうせモンスターの襲撃があるのならそれに備える方が良い。その様に周囲に話して言居ると、ついに二つのグループが戦闘を開始した。
「おるぁぁぁぁぁ! いい加減この場所から去れや!」
「こっちのセリフじゃい!!」
ガン! だの カーン! だのと、武器の衝突する音が響き渡る。威力的に最早威嚇攻撃では無く、本気で排除しようとしているのが解る。
そして、その音が響き渡る度に、森の中では様々な物が騒ぎ始めていた。
「あちゃー……血の臭いだけじゃなくて、衝突音でもモンスターが反応し始めたみたいだな」
「では、こちらも戦闘準備でしょうか」
「だな。各自モンスターに備えろ……割と面倒そうなのが来る気配があるぞ」
森の奥で眠っていただろうモンスターが起きたのだろう。そして、その反応を守口は察知した。
「やれやれ……来て早々に面倒事とはねぇ」
思わずと言った感じで愚痴る守口だが、よく考えれば今回の任務自体が既に面倒事だ。結局の処、問題が大問題になったにすぎないかと考え直し、何が起きても良い様にしっかりと装備のチェックをする守口達だった。
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