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Cが正座をしている。座布団なんかやらん。わたしとお姉ちゃんはちゃぶ台越しにトイメンにいる構図やで。そもそも上がり込んでいる時点で犯罪的や。
「あのな、質問してええか?」
わたしが言うと、
「はい」
「なんでタキシードになってるん?」
Cの服装はいきなり替わっていた。
「もう夕方なので……。エレベーターで着替えました。流石に申し訳ないんで」
「な、な、何考えとるんや! 公共の場で着替えるな! 世間に申し訳ないわ! エレベータにカメラついてたやろ! 今度は管理人呼ばれるやろうが! なあ、お姉ちゃん!」
「た、タキシードかあ……もう!」
何その反応。喜んでるみたいやん。
「すまん」
「ま、まあ許したる。……なあ、写真撮ってええ?」
ケータイか。……どんだけ入れ込んでるんや。どこがええねんこんな変態。
お姉ちゃんはロフトをがさごそすると、
「ってなんで一眼レフやねん! ここはコスプレ会場やないんやで! ケータイ三十万画素で十分やろ!」
「い、一応」
お姉ちゃんはカチコチに固まっている。さっきと反応違いすぎや! トイメンにいると照れるてことか! 意味わからんで!
「と、撮るでー。はい、ちーず」
……ピースすんなアホ! あーむかつくわー!
「撮ったでー」
嬉しそうに言って、お姉ちゃんはジャンプする。また勢いよくどかんと頭をぶつけている。頭、大丈夫なんかな。
「あ、頭大丈夫か?」
「はー!? 天才のお姉ちゃんに何言ってるんや! 頭おかしいのはお前やろ! 失礼やろ!」
「あ、そうじゃなくて……頭蓋骨表皮の内側の血管が、大丈夫かなと」
「……」
なんやそういう事か。しっかし気持ち悪い表現やなあ。
「ん? 何? こんなの日常茶飯事や。頭の体操ってやつやな」
「そ、そうか」
「な、なんで納得するんや! おかしいやろ!」
「え……」
「E。うち別に大丈夫やって」
「……せ、せやな。わたしもそう思ってたわ。お姉ちゃん、天才やしな!」
わたしは両手をぎゅっと握って押し黙った。
これじゃーわたしの方が理解していないみたいやんか!
C! お姉ちゃんがいくら丈夫でも大方お前のせいでボコボコボコボコ毎日頭ぶつけてるんだから心配せんかい!
本当に好きならやめさせんかい……! それでも男かお前は!
Cを視線で殺せんかと思いつつ睨みつける。
Cはこちらをちらりと見ると、
「……あー」
「ん? な、何? どした?」
「やはり、あまり頭をぶつけるのは良くない、と思う。妹さんも心配してるみたいだし」
わたしはぎょっとする。
「え? そうなん?」
お姉ちゃんが問いかけるので、
「う、うん。出来ればやめて欲しいかなーって。ほら、頭って大切だから」
「ありがとうな、ごめんな心配かけて。少しジャンプ力加減するわ」
「うん」
ジャンプ力調整できるんかい! ……まあ天才やからな。流石お姉ちゃんや。
お姉ちゃんはにこにこしながらまた固まってカメラを大事そうにいじくったりしとる。
「……」
わたしはじーっとCの方を見つめた。なんやねんこいつ。心読めるとか抜かすつもりか。
「読めます」
はあ? じゃあ132-64はなんやボケ。
「68」
「お姉ちゃーーーーーーーーん! 変態やコイツ!」
隣にいるお姉ちゃんに抱きつく。お姉ちゃんペロペロやで。しないけど。
「ああ。Cの手品か? カードとか当てられるんや。どや、凄いやろー?」
お姉ちゃんが自分の事のように自慢げに言う。
「いやいや手品ってレベルやないやろ! コイツどう考えてもおかしいで! 変態や!」
「変態ではないです……。お姉ちゃんペロペロとか言ったりしませんので」
「え?」
「うぎゃわあああああああああああああああああああああああああ! うさ、うさっ、うっさい! だ、黙らんかい! 通報するで!」
「……すいません」
「?」
お姉ちゃんは首を傾げた。
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