↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

第8話 歩くリリス


リリスが屋敷についたのは、日が暮れてからしばらく経った後だった。


巨大な門の前に立つ。それを、軽く、こつんと、足で触れる。全く速度は無い。


触れた瞬間、鋼鉄の、100キロはありそうな門が、トラックに正面衝突されたかのような勢いで吹っ飛んだ。


リリスは、何もなかったように、てくてくと、歩いていく。



門と館の間には噴水がある。リリスが噴水の前にたどり着くと、足でちょんと噴水の台座に触れる。


その瞬間、噴水が爆発したように砕け飛ぶ。


水が噴き出し、ちぎれた水道管から、辺りに水をまき散らすが、リリスに当たっても、リリスのスーツは濡れることは無い。


そのまま、てくてくと歩いていく。


館から執事が飛び出してくる。明らかに異様な光景。男が一人、こちらに向かって歩いてくる。後ろには、砕けた噴水と、砕けた門。


執事は館に戻り、主人である警察署長に報告に行く。


リリスは気にすることも無く、扉の前に立ち、また同じように、足で小突いて、爆破する。


長い廊下を、樫の木の重い扉が、四度五度と跳ね返り落ちる。


広い館の中。リリスは、左側に人影を見たので、左へ進む。


淡々と、ゆっくりと。


歩く途中途中に、扉がある。その扉を一枚一枚、丁寧に、破壊していく。


そのたびに、爆弾が爆発したような、爆音が館に響き渡る。


リリスが追っていた影は、館で働くメイドだった。


メイドは怯え切って床にへたり込み泣いてリリスを見ている。


リリスは何の表情も変えずに、メイドの前に立ち、質問を投げた。


「ここに、今日、女が一人、来ているはずだ。知らないか?」


メイドは全身を震わせ、リリスを見つめ、声までも震わせながら答える。


「はい・・・お客様が一人・・・応接間・・・こちらとは逆の部屋・・・二階・・・」


メイドは過呼吸になり、顔が真っ青になっている。激しい呼吸。流れ出る汗。


それを見ても、リリスは何の興味も持たず、すぐに振り返り、去って行く。


リリスは館玄関入り口にあった階段を目指すことにした。


それを見て、メイドは近くにあったガラスの窓から、逃げ出した。


もう何も考えていない。逃げなければ。ただそれだけがメイドの思考だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。