表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/11

翔の決意。






「な、なんだったんだろ。あの数字……」


 俺は考え込みながら学校に到着。

 マナミの家に行くと、彼女はすでに高校に行ってしまっていたようだった。なので、仕方なしに一人で学校までやってきたのだが、頭の中に浮かんでいたのは先ほどのおかしな数字のこと。


「ラブコメ指数、っていったい……?」


 意味が分からなかった。

 でも、とりあえずはマナミに謝らないと。そう思っていると……。


「翔! アンタ、ふざけんじゃないわよ!!」

「うわっ!?」


 校門を抜けた瞬間に、横から思い切りどつかれた。

 犯人は言うまでもない――マナミだ。


「アンタのせいで、朝練に遅れちゃったじゃないの!! どうしてくれるのよ!」


 眼鏡が落ちる。


「先生に大目玉を喰らったわ! 次期キャプテンが遠退いたじゃない!」


 すると、また違和感。

 俺が彼女を見上げると、またこんな数字が見えた。



【ラブコメ指数――-2000】



 なんなんだ、この数字は。

 そう考えていると、こちらの様子に感づいたのか。

 マナミは俺の顔をじっと見てこういうのだった。


「はぁ? アンタがカラコン? 何考えてんの?」

「カラ、コン……?」


 あぁ、そういえば。

 あまりにも異物感がなかったから、あのコンタクトを入れたままだった。


「勝手に色気づいてんじゃないわよ! 翔のくせに!!」

「いたっ!?」


 ボンヤリしていると、思い切り頬を叩かれた。


「なによ、その反抗的な目は!」

「――――っ!」



 その時、あまりの理不尽に俺は――ついに限界を迎えた。



「ふ、ざけんな……」

「はぁ? 何か言っ――」

「ふざけんな、って言ったんだよ! もうウンザリだ!!」

「――!?」



 俺は立ち上がり、眼鏡をかけながら怒鳴った。



「今まで我慢してきたけど、もう限界だ! これからは、二度と俺にかかわるな! ――いいな、この暴力女が!!」

「ちょ、ちょっと翔? あの、その……! 待って!」



 マナミの声を背中に受けながら、俺は校舎へ向かう。

 やってしまった。ついに、思っていたことを言ってしまった。


「でも、もう後戻りはできない……」


 俺はクラスに到着して、深くため息をつく。

 そして、目に入ったごみを取り除こうと眼鏡を外しつつ教室に足を踏み入れた。その瞬間だった。



「え……?」



【ラブコメ指数――100】

【ラブコメ指数――270】

【ラブコメ指数――50】



 クラスの数人の女子が、こっちを見てることに気付く。

 そして、見えたのは例の数字。


「あ、あの! 駒田くん! ――ここから見えたんだけど、大丈夫?」


 その中でも、270の数値をもった女子が話しかけてきた。


「大変だったね。でも、もう大丈夫なんだよね!」

「え、あの……」



 頬を赤らめて俺を見るクラスメイト。

 それを見て、俺はまさか――と、ようやく思った。そして、



「おーい、席につけ」



 担当教員と一緒に入ってきた女の子を見て、確信した。



「あ、貴方は……」

「キミは、今朝の……」




 驚き、目を丸くする金髪の美少女。

 そんな彼女の頭の上には、こんな数字が出ていた。




【ラブコメ指数――300】




 間違いない。

 この数字はきっと『そういうこと』だった。



 そして、心に誓うのだ。

 俺は今日を持って、あの暴力幼馴染との関係を断ち切ってみせると……!



 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「完全趣味作のヒューマンドラマ」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ