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【本編・二ノ国編完結】前提条件が壊れた結果  作者:
おまけ 二ノ国編

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エリスの過去 2

一曲踊り終え、兄達の元に戻る。

「さて、義理は果たしたし帰ろうか。」

そう言ってホールを出ようとしたところで一人の少年がやってきた。

同じ派閥の子爵家の長男で1つ年下で勉強熱心な子だ。

最近何かと話しかけてくる子でもある。

「どうかしました?」

エリスの問い掛けに少年は言った。

「あの、僕と踊ってくれませんか!」

思いつめたような少年に戸惑うものの、エリスは首を横に振る。

「ごめんなさい。今日はもう疲れたので帰ろうと思って。」

「そこを何とか。」

少年の懇願を宥めていたら周囲に人が集まってきた。

結局、主催の学院長の取り成しで1曲だけ踊ることになる。


次の曲の始まりでエリスはまたホールの中心に戻った。

「嬉しいです。」

あまり踊りに慣れてない少年をうまくフォローしながらエリスはターンを決める。

「体に力が入り過ぎよ。もっと力を抜いて。」

そろそろ曲が終わりに近づいた。

エリスはフィニッシュに向けてステップを踏みながら少年の顔を見る。

「えっ」

そこには思い出しくない前世の後輩と同じ顔をした少年がいた。

そして少年は手にした何かをエリスに振り掛ける。

エリスはとっさにお守りのピンを抜いた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「先輩が悪いんです。」

刃物を持つ後輩に追い詰めらた前世のエリス。

その腹から血が流れ床を染めていく。

虚ろな目をした後輩はそう呟きながら何度も何度も突き刺した。

遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。


これが前世の最後の記憶。

その日、友人達と楽しい飲み会をした。

今回の飲み会は大学時代の研究室仲間の一人が結婚することになりそいつのお祝い兼揶揄いの場だった。

学生最後の1年を共に過ごした仲間達、男女半々でその中には結構気の合う男友達も居る。

前世のエリスは結婚はまだ考えていなかったが友人の様子を見てソロソロ考えて良いかと思い始めていた。

そんな帰り道、自宅近くの路上で後輩に会った。


後輩は2つ下で成績優秀で入社してきた子だった。

彼の希望する部署が新商品の発売で忙しく受け入れが可能になるまでの短い期間エリスの居た部署で預かることになった。

そんな彼の指導役になったのがエリス。

学生から社会人になるための教育を終えたばかりの後輩に仕事のやり方や現場のルール、心構え等、熱心に教えていた。

3か月程して後輩は希望した部署に移る。

その送別会でエリスは言った。

「困ったことがあったら相談に乗るね。」

それから何度か相談に乗ったものの内容が社外秘に当たるようなものが含まれるようになった。

それで上司に相談して上司経由で後輩に注意して貰いそれからは接触が無くなった。

エリスにしたら単なる後輩、それも他部署で業務上接点のない相手である。

相談するならそこの上司や先輩にして欲しい。そう言ってエリスは後輩のことを意識から外していった。


後輩の要領の得ないセリフからさっきの飲み会を見ていたらしい。

男友達との会話を口にして裏切った等言ってくる。

そこから何度か会話を続けて話にならないと思ったエリスは携帯を取り出した。

上司に連絡するべく意識をそちらに向けたところで腹部に鋭い痛みを感じる。

「なんで」

エリスにしてみれば一時的に面倒を見ただけの後輩。

そして1年以上なんの接点も無かった相手。

「どうして」

そう思いながらエリスの意識は途切れていった。


閲覧、有難うございます。

面白いと思ったら評価をお願いします。


他の二人は交通事故に巻き込まれたての死亡ですがエリスはストーカーの犠牲者。

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