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【本編・二ノ国編完結】前提条件が壊れた結果  作者:
二ノ国編

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28_エピローグ

「お帰り。」

王女がロビーに入ってくると王太子が出向かた。

そのまま食堂に入り人払いをする。

簡単に情報交換をすると王太子はイーダやスティーブン、婚約者を自分の周囲に集めた。

「詳しい話は戻ってからにしよう、私は戻る。」

「ええ、少しは気が晴れた。」

「ああ、良い運動になった。」

と良い笑顔のイーダ。国で相当ストレスを貯め込んだようだ。

王太子は手にした鍵に力を込めてメヌエルに帰っていく。

「さて、一休みしたら報告をお願い。」

王女はそう言って手を叩き各々散らばっていった。


それから3日程王都に滞在して王女一行はメヌエルへの帰還を始めた。

同行者にハンスとフラン、そしてアーサーと婚約予定の王女が増えている。

おまけに王女の双子の片割れも何故か一緒だ。

フィルは宿に居た5日間ですっかり厩舎の馬達と仲良くなった。

馬車の後ろ、フランとハンスに挟まれて元気に歩いている。

その背には白いウリ坊が乗っていた。

ボアは暫くケルヌで商売を手伝うと言うことで別行動。

新学期が始まるまでに戻ってくる予定らしい。


国境まで兄である王子と祖父である将軍が付いてきた。

将軍の同行名目は王子の護衛。

そして神獣使いの先達であり、神獣と付き合う上での心構えを教えること。

王子もハンスも神妙に話を聞いている。


今回の訪問で騒ぎを起こした賊は罪を犯して国を追われたケルヌ人、特に獣相を持つ者達の集まりだった。

彼等はベツコーイ家の支援を受け、彼らの犯罪の片棒を担いでいた。

獣相故に人扱いされていなかったものの生きていく場所、手段を与えてくれたベツコーイ家にはそれなりに感謝していた。

3年前にベツコーイ家が罪に問われた際、幸運あるいは不運とも言えるが彼らは人扱いされていなかったので記録に残っていなかった。

お陰で難を逃れた彼らは協力関係にあったベゴティ家の下に付いて今回の騒ぎを引き起こす。

依頼主はベゴティ家ではない。

将軍が長年敵対していた隣国の要人。

今回の騒ぎを手土産に隣国に拠点を移すのが目的だった。

隣国としては長年目の上のたん瘤だった将軍に対する意趣返しも目的だったのだろう。

エリスとトレイシーは魔道具を欲しがる隣国の要望で誘拐を目論んだとのこと。


行きは一直線でケルヌに向かったが帰りはそうはいかない。

そもそも行きが許されたのは羽化の儀に参加と言う名目があったからである。

帰りはメヌエルだけでなくケルヌの王女もいることから通過する2か国の王宮に寄ることになった。


ハンスとフランは特待クラス合格の為の猛勉強が始まった。

講師は先輩。時々トレイシーとクレスが付き合っている。

体力は問題なく、知力は少々不足気味、問題は教養

文化の違いである程度はぎこちなくても許されるだろうが知識は必要である。

結果、年齢なら編入だが一年待って王女と一緒に入学することになった。

サーシャの助言でフィル達を下手なところに置けないので二人は特例で特待クラスの寮に入ることになった。

二人の王女は王宮内に部屋を用意されている。

来年、学園入学と同時に寮に移ることになった。


そんなこんなでケルヌの王都を出て10日、やっと国境を越え、メヌエルに戻ってきた。

王女達は大樹の石板を使って一気に王都へ。

サーシャ、エリス、アリサ、トレイシー、クレス、ポリーに先輩とハンス、フランは騎乗で王都を目指すことになった。

そうなると一気に行程が進むようになる。

国境の街を出てその日の夜には翌日には王都に着くと言うところまで戻ってきた。

男性陣は二人の勉強を教える為、不在、宿の一室で女子会が始まった。


「エリスは知っていたの。転移は大樹の石板が無くても出来ると言うこと。」

「ええ。国内であれば王族として登録したものを石板の代わりに座標として登録できるわ。

ただし、石板と違って飛べる人数はさらに制限されるけど。」

「国外の場合は?」

「その土地の許可、ケルヌの場合なら神獣の許可があれば可能。

戻る方はそういう制限は無し。戻れるのは王城の石板だけだけど。」


ケルヌ王都の宿に居た時、エリス達に接触しようとする貴族達が多かった。

王女に面会を申し込む者達よりも多かった位である。

なのでエリスやトレイシーも羽化の儀に同行させたかったが儀式を取り仕切る神殿の方から待ったが掛かった。

神聖な神事に無関係なものを同席させたくないと言うのである。

神事の撮影を許可しておいてどういう理屈かと思ったが従うことにした。

※後の調査で襲撃者側の工作だったことが判明している。

隣国がケルヌとメヌエルが仲良くすること良く思っていないのは分かっている。

※勝気の個別ルート情報

だったら二人を囮にして誘き出しを図ることになった。

羽化の儀当日の昼、出発前に王女はイーダを呼び寄せた。

イーダはそのまま王女の部屋に籠り夜になって王太子とスティーブン、王太子の婚約者を呼びよせた。

ファビアンやボリスを呼ばなかったのは転移の人数制限である。

まあ、戦力的に二人では不安があったのも否めない。

では婚約者はと言うと彼女は戦術、戦略の才があり、チェスなどで女子寮で唯一イーダに勝つことが出来る才媛である。

※王女は負け越し。エリスは負けない代わりに勝てない。アリサは互角。サーシャは種類によっては無敗。他は全滅。

経験を積ませる意味で彼女を連れてきた。


襲撃者達は王女が来る前から宿の周囲をずっと監視していた。

再鑑定で中の様子、滞在者の実力もある程度把握している。

彼等にとって要注意なのは団長位で他は大したことないと思っていた。

※サーシャは見た目のせいで侮られ、クレスとポリーは彼等の前に出ていない。

獣相を持つ者達は基本人間を馬鹿にしている。

自分達と同じ獣相を持つ者さえ何とか出来れば何とでも出来ると考えていた。

その手段はベツコーイ家で手に入れている。

単体でなら自分達に敵う存在は無い、そう奢っていた。

自分達が弱者なのは数が少ないだけだと、数の暴力に負けているかだと信じていた。


結果は全滅。

頼みの綱であった魔物寄せも対策されていた。

※羽化の儀の周辺に魔道具で風の結界を張っていた・・・

自分達よりも単独で強いものなど珍しくない。

それを思い知った彼等の運命はケルヌに任された。


「で、これで2の芝居で個別ルートは全滅かな。」

普通:攻略対象者の闇落ち理由が消滅

勝気:攻略対象者が既に帰国した

内気:攻略対象者がメヌエルに留学

「そうだね。王太子も真面だし後は普通に恋愛を育んでいくんでしょ。」

「・・・セシルも?」

「・・・そうだね・・・」

彼等彼女等で幸せになってほしい。

そう4人はお祈りをして雑談に始めた。

閲覧、有難うございます。

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