23_鑑定結果
時間になり、全員が部屋に集まったところで遮音魔道具を起動する。
一番最後に来た先輩はハンス達の様子について話す。
「疲れていたみたいで3人、二人と一匹は寝ましたよ。
フィルにくっついて。」
「?そこまで大きなベットじゃなかったよね?」
連れてきた時に部屋を見ているサーシャは言った。
「あー、フィルの寝床、藁敷きの上です。
ベットで寝ろって言ったんですけどね。
仕方ないんで二人にタオルを掛けときました。」
「そう、じゃあ、エリス、トレイシー、鑑定結果について報告してくれる。」
「はい。基本的な内容は鑑定士の言った通りです。」
「じゃ基本的じゃない方。」
「芝居では鑑定機は出てこないのでこちらを見てください。」
エリスは3人の紋章を写したものをテーブルに並べた。
「ジュリア嬢の場合は、波型の文様が増えて育つ形で成長しています。
コンブスン嬢の場合は、渦巻き、セシルさんの場合は氷の結晶です。」
そう言ってもう数枚、拡大した写真を並べる。
「こちらは装飾の増える法則から最初の形を逆算したものです。」
それと各神獣の紋章を見比べ、王女は言った。
「成程、フェニックス、玄武、フェンリルね。」
「あくまでも想定なので一応他の方の逆算してみました。」
そう言って同じように写真を並べていく。
10歳に近い年齢で紋章が宿った虎は比較的元の形が分かりやすい、
王子や婚約者の様に5歳で宿したものになると言われてみれば辛うじてとい感じだった。
神獣を示す部分の魔力波の強さも早い時期に宿ったものほど強く、後に成程弱くなる。
「これはケルヌ側に報告しますか?」
トレイシーの問いに首を横に振った。
「これは頼まれてないわ。聞かれたら教えることにしましょう。」
参考までにフランの紋章の写真と魔力波を見る。
「確かに猪の波形が出ているけど、他の人に比べると弱いわね。」
「ええ、それは聖獣契約の影響でしょう。」
「他に分かったことは?」
エリスは少々言いにくそうに口を開いた。
「セシルさんですが・・・多分男の子です・・・」
部屋にどよめきが起こった。
一番早く立ち直ったのは王女だった。
「そこは芝居の通りと言う訳ね。そう判断した理由を聞いてもいいかしら。」
これにはトレイシーが答えた。
「元々親子鑑定の時から検証していたことなのですが・・・」
図を示しながらのを説明を聞いて先輩がうなる。
「成程、父親から受け継いだ部分で魔力波の形が子供が男の場合と女の場合で異なる部分があると。」
「母親から受け継ぐ部分にはその様な差異は無いです。」
「そして子供が男の子の場合、より父親に近い形になります。」
これは同じ両親から生まれた男女を比較した資料なのですがと断ってどんと大量の魔力波の資料を置く。
「その中で女性の場合はこの形が二つ、男性の場合は一つで、別の形の波形が加わります。」
「XY遺伝子・・・」
サーシャの言葉に周りの視線が集まった。
困惑した周囲にエリスが言った。
「私達が夢で見た芝居はここに絡んだ3つの芝居だけではありません。
別の芝居も観ています。」
王女は視線で続きを促した。
「そこでは男女の性別を決める遺伝子というものがあり、男ならXY,女ならXXという型を持つと言われています。」
「子供は親から片方ずつを受け取り、男性のXを受け継げば女の子、Yを受け継げば男の子になると言われています。」
「成程、兄弟の場合、片方の波形は似るのはそれが理由ね。
でも兄弟でも父親と似ている部分が結構異なる子がいるけど。」
「遺伝子と言うものは2つでワンセットなのは変わりませんが性別を決めるもの以外もたくさんあります。
その場合は違う組み合わせを受け継いだのでしょう。」
「なるほど。」
「この分野の研究はまだまだ始まったばかりです。」
続きは視線で答える。
「分かったわ。」
話が一段落付いたのを察して先輩が言った。
「セシルって、最後に鑑定したちっこい一番可愛い子だろ?あれが男?」
エリスとトレイシーが頷く。
「信じられん。それに皆何で納得しているんだ?芝居の通りってなんだよ。」
「貴方が参加する前の時に聞いていたのよ。」
「それと王子の言っていた提案ってなんだ?僕はきいていないんだが。」
「エリス達からね二人のことを聞いていたのよ。
明後日の羽化の儀で起こる悲劇の話。」
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これは芝居で語られた出来事
羽化の儀の順番はハンスが先でフランが後だった。
フランの番になった時、突然ハンスの神獣が暴れだす。
後で魔物寄せが使われ凶暴化したことが分るのだがこの時点ではハンスが何かしたと思われた。
王子の護衛や神官達は他を守るため、ハンスを殺そうとして庇ったフランは死んだ。
ハンスはフランの遺言で神獣を連れて逃げ出す。
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「最後には元凶である親を倒してヒロインであるセシルと共に隠れ里に行くってなるんだけど。」
「突っ込みどころが一杯あるんだが・・・続けてくれ。」
「親を告発する際、祖父の神獣と戦うことになってフィルがハンスや相棒を庇って死んじゃうの。」
「何だと!」
「嫌でしょ。ハンスもフランも毒親の被害者なのに。それにあんな可愛いフィルが死ぬなんて私は嫌。」
「大体、祖父の神獣だって父親が苦し紛れに撒いた魔物寄せが原因で暴れることになった訳だし。
そういう毒親は早々に退場して貰わないと。」
「うむ、その通りだ。」
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先輩は人より動物優先。
魔物寄せは絶対悪なので撲滅に邁進します・・・
アリサは子供やペットを巻き込み親や飼い主の無責任やエゴが嫌いです。
サーシャは無意識ですがエリスとアリサは意図的にイベントを壊してます。




