表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前提条件が壊れた結果  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/31

05_内気ルートのヒロイン

「そういうこともあるわね。」

アリサは5歳とは思えない口調でベットの中で呟いた。

現在絶賛お昼寝中で周りには誰もいない。

裕福な子爵家の一人娘であるアリサは両親や使用人からお姫様の様に扱われている。

起きている時は常に誰かが傍にいる。

が、寝ている時は別だ。

起こさないように眠りを妨げないようにと周囲から人が居なくなる。

普段のアリサは寝付くと最低1時間は起きない。

それを知っている家人はアリサが寝たのを確認すると皆あちこちに散らばって掃除や事務処理をしている。

「さてどうしようかね。」

そう呟くものの眠くなってまた眠りの世界にアリサは旅立っていった。


ゲームのアリサはお姫様の様に蝶よ花よ育てられた。

こんな環境なら我儘放題な娘に育ちそうだが子爵家として商会も運営し、高位貴族との付き合いもある。

そんな環境で高位貴族に目を付けられるとろくな目に遭わないと学んだアリサは大人しく目立たなく振舞う術を覚えた。

結果、少々内弁慶な子供として成長するはずだったのだが、5歳で前世を取り戻したアリサは違った。

享年というか最後の記憶は50歳を越えていて、両親よりも年上である。

結婚が早い貴族社会では自分の祖父母と同じ位の年齢だ。

その上、腕白坊主とお転婆娘に引っ込み思案で何かあると直ぐに隠れる手の掛かる娘の3人を育てた肝っ玉母さんである。

そんなアリサは何が起こっても動じない褒める時は褒め、叱る時は叱る家族のご意見番みたいな存在になっていた。

それを聞いた取引のある高位貴族は子育ての協力を求めた。

結果幾つもの家庭にお邪魔して子供の、親の話し相手となり信頼を得ていく。

そうやって過ごす内に気が付いた。

ここは「大樹の元に」に似た世界であることに。

そして自分は内気ルートのヒロイン、アリサであると。


「内気ねえ・・・」

今のアリサを見て内気だとは誰も思わないだろう。

子供らしく大声を出したり騒いだり暴れたりはしゃいだりはしない。

パッと目にはゲーム通りの大人しい子だ。

が・・・実際に言葉を交わすとそれが大きな誤解であることが分る。

アリサは内気でも大人しくも無い。

褒める時は聖母のごとく優しく、叱る時には誰よりも怖い女の子だと。

悪さをした子供を叱る時、怒られたくない子供は逃げる。

御風呂や散髪など、じっとしていて楽しくないことをされる時も子供は逃げる暴れる。

そんな子供を捕まえて納得させるには体力がいる。

口が達者な子供を納得させるには知恵がいる。

結果、教養だけでなく体力知力もある娘に育った。


その日、親しくている高位貴族が王都から戻ってきたのでアリサは母親と一緒に出掛けて行った。

一つ年上の娘は参加した誕生パーティーについて身振り手振りを交えて興奮気味に喋っている。

そんな様子を微笑ましく見守っていた親子は一区切り付いたところで母親が言った。

「王子様も10歳、これで一安心ね。」

「ええ、本当に。中々恵まれなかったからやきもきしたけど。」

この国の王位継承権は男にしかない。

このまま生まれない状態が続くと現王の弟や臣籍降下した公爵家から養子を迎えることになる。

そうなると何かと混乱が生じやすいのでならずに済んで多くの貴族たちはホッとしている。

「公爵家が後ろ盾に付けば安心ね。」

そういう母親に高位貴族夫人が言った。

「それがね。婚約が発表されなかったの。」

「どういうこと?」

婚約者候補だった公爵令嬢が体調を崩してパーティーに参加せずそのまま領地に戻ってしまったと言うのだ。

「娘を紹介したかったのに。」

と残念がる夫人を宥め、アリサは思った。

あれ?ゲームと違う?大丈夫なの?

閲覧、有難うございます。

アリサもゲームと違うことに気が付いています。

3人でそのことに気が付いていないのは普通ルートのヒロインだけ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ