表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前提条件が壊れた結果  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/31

06_公爵令嬢の憂い

「イーダ様、お加減は如何ですか。」

「有難う、大分良くなったわ。」

第一王子の誕生日から3日、やっとベットから起き上がれるようになったイーダは弱弱しい微笑みを浮かべた。

渡されたカップに入った水を支えて貰いながらゆっくりと飲み込む。

侍女は部屋に飾られたパーティーで着る予定だったドレスを眺めてため息を吐く。

「お似合いでしたのに残念です。」

当日の急な発熱で参加出来なかったパーティー、プレゼントの方は事前に送ってあったので王子の元に届いているであろう。

王子には好意を持っていたので参加出来なくて残念だ。

「起きられるようになったので旦那様を呼んできますね。」

侍女は近くにいた部下に声を掛けた。


少しして両親と兄が部屋に入ってきた。

3人はイーダの様子を確認し、回復してきた見てホッと一息ついている。

「イーダ、済まないが暫く領地に行ってくれ。」

公爵の言葉には心配と懸念が籠っている。

「毒ですか、毒なら耐性が・・・」

イーダの言葉に母親は首を横に振った。

「毒ではないわ。毒は見つからなかった。代わりに・・・」

何か呪を掛けられた様な痕跡が見つかったと言う。

当日、生死の境を彷徨っていたイーダの容態は知らぬ間に持ち込まれた人形のようなものを壊すことで回復に向かった。

その人形は王妃の故郷で呪に使われるものであり、王妃の方から自身が連れてきた従者の一人が死んだと詫び状と共に伝えらている。

死因は呪返しだろうとのことだ。

流石にこのままでは娘が危ないと言うことで王都を離れ領地に戻すことにしたのだ。


誕生パーティーから一週間後、イーダは領地への馬車の中にいた。

「王妃様は善き方なのに・・・」

残念そうなイーダの言葉に同席している侍女は頷いている。

王妃はこの国から二つほど離れた国の出身だ。

そもそも現王の王妃にはイーダの母親がなる筈だった。

それがこの状態になったのはその国の皇帝と皇后に頭を下げて頼まれたからである。

その国では後宮があり、多くの女性達が暮らしている。

そこでは呪殺毒殺が盛んで子供や妃の多くが命を落とした。

王妃の母である皇后は下級貴族の娘で目立たず大人しく気配りの出来る女性だった。

そういう存在だったので無事王妃の弟が10歳まで生きのび立太子することになる。

そこで問題となったのが王妃である姉の存在。

皇后自身が下級貴族で子供達を守り切るだけの権力が無い為、外国に逃がすことにしたのだ。

そうして避難先として望まれたのが現王。

皇帝はその為にかなりの利権を王国に約束し、婚約を解消する羽目になった母に相当の金銭が支払われたと聞く。

当時の王は母にスペアとして残されていた自身の年の離れた弟との結婚を薦め、現在の公爵家となった。


王妃は母である皇后に似て気使いの出来る善き人であったが付いてきた人間に問題があった。

元々は皇后が選んだ厳選された少人数で輿入れする筈が貴族たちにねじ込まれかなりの人数になってしまう。

王国の方はそんなに来ても養えないと突っぱねたが彼らの生活費はこちらで出すと言われて仕方なく受け入れた。

彼等は元々貴族家の次男三男、次女三女で故郷で厄介者扱いされている。

気位は高いが能力や忠誠心が無い。

そんな人間を王妃も受け入れた王国側も信用していない。

立場のある仕事は任せず、問題を起こすたび送り返していたので人数はかなり減った。

今、残っているのはそれなりに仕事が出来る人間だけである。

今回の事件はそんな人間が起こした事件だ。

呪った当人は死に、依頼した関係者は国に送り返す。

だが、それでは抜本改定にはならないだろう。

そして彼等は王都から出られない。

出ることは認められていない。

それが分かっているので領地への避難なのだ。


残った公爵は息子と二人で話し合いをしている。

「原因は第三王女ですか。」

嫁に出た第一、第二王女は王や王妃に似て王族と言うものがよく分かっている。

残った第三王女は髪や瞳の色こそ王妃に似ているが資質はまるで似ていない。

王の、王妃の子か怪しまれるレベルである。

「あの方が生まれた時、相当な難産で王妃共々命が危ぶまれる状態だった。」

無事生まれた聞いたが同時期に出産を予定していた乳母の子が死産だったという。

乳母は王妃の従妹に当たり顔立ちや色彩が似ていて影武者を務めることもあった。

その子供と取り換えられたのでは無いかと疑われているが乳母は1年後に死亡。

血筋が疑われる子であったため、第三王女は王国では王女として扱われていない。

王妃に付き添ってきた者達に育てられた王女は大変我儘に育っている。

余所に嫁に出せない王女なので王妃は修道院に出そうとしていたが従者達の反対で実行されていない。

そんな王女は自身の降嫁先として公爵家を狙っている。

「全く、妹のことが無くても受けいる気など無いと言うのに。」

「全くだ。警戒を強めるぞ。」

「はい。」

二人は使用人の交友関係の調査とシフトの見直しを始めた。

二度と妹や家族に危害を加えられないように。

用心はし過ぎることはない。

閲覧、有難うございます。


王女だけでなく王子にも出生の秘密があります。

ただし、王女と違って王子は間違いなく王の子です。

王妃は我が子として可愛がっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ