17_魔物寄せ その2
先輩の名前、やっと登場
ジョルジュ・ジ・カンテラ
カンテラ侯爵の嫡男だったがその座は弟に譲った。
動植物の研究家
サーシャ達より5歳上。
第3王女の一つ上で彼女の嫁入り先候補だったが逃げた。
王女が使っていない食事場所に集まり、人払いをしたところへ先輩がやってきた。
「密談ですか。僕も混ぜて下さい。」
「ジョルジュ・ジ・カンテラ、この場で聞いたことを余所では話さないと誓えますか?」
「何ですか?随分な話ですね。」
「その名に掛けて誓えないと言うなら参加は認めません。」
暫く王女と先輩の睨みが続いた。
そして降参と言う様に先輩が両手を上げた。
「分かりました。誓います。誓いますよ。」
そう言って略式の敬礼をして誓いを述べる。
「我、ジョルジュ・ジ・カンテラ、この場で見聞きしたことを話さないことを我が名に掛けて誓います。」
「良いでしょう。」
先輩を部屋の中に入れ、侍女が彼の分お茶を淹れて退出する。
エリスが遮音の魔道具を稼働させたのを見て先輩は眉を上げた。
「随分警戒しますね・・・」
ジロッと先輩を睨むと王女は言った。
「ここで話す内容はサーシャ、エリス、アリサが夢で見た芝居の話です。」
「夢で見た芝居?」
「不満があるなら外に出なさい。」
「分かりましたわかりました。黙って聞きます。」
「よろしい。」
「まず聞きたいのですが、貴方達の見た芝居で魔物寄せは出てきましたか。」
王女の言葉に3人は頷く。
「はい、魔物に人や街、村が襲われる事件が起こっていてそのいくつかは魔物寄せが使われています。」
「ケルヌではこれのせいで獣相を持つ者が暴れるという事件が起こっています。」
「後、来年の話ですが羽化の儀を前にして紋章持ちに使われて暴れたという事件も起こっています。」
何じゃそりゃと口を挟もうとした先輩を王女は黙らせる。
「それを作った、使ったものの情報はありますか?」
「ベツコーイ家、4年前に爵位を奪われ、当主は処刑、主だったものは犯罪奴隷になりました。」
「私達は潰されたことは知っていますが何をしていたかまでは知りません。」
「そうね。私の方から調べるように言っておくわ。」
「ただ芝居で最初に魔物寄せを使った事件が起こるのは3年前なのでその時点はまだ完成していないかもしれません。」
王女は続けて問う。
「今回使われた魔物寄せは芝居でベツコーイ家が作ったものだと思いますか?」
「分かりません。夢では臭いまでは分からないので。」
とサーシャが答え、
「紙芝居の様なものですから魔物寄せを使った、使われたと出てくるだけで実態がどういうものなのか分からないのです。」
とアリサが補足する。
最後にエリスが言った。
「ただ、原料としてベラミ、ブセン、ニオベを使っていると出てきました。」
「ベラミ、ブセン、ニオベだって!」
ここで先輩はたまらず声を張り上げた。
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ベツコーイ家
一の舞台の悪役、伯爵家
とある街の学校を私物化していた悪徳貴族。
エリスやトレイシーの研究を狙っていた。
サーシャ達が入学する3年前に犯した罪が暴かれ、当主は処刑、爵位を奪われ、主だったものは犯罪奴隷になった。




