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【本編・二ノ国編完結】前提条件が壊れた結果  作者:
二ノ国編

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07_強行軍の訳

平和なイベントと思ったら・・・

6人は用意された馬に乗って国境を越えた。

「馬車は出来るだけ先行するように指示を出しておりますので合流はケルヌに入ってからとなります。」

祠の前に居たのは護衛の団長である近衛の副団長と配下の騎士二人に侍女一人の4人。

馬車は無く、全員騎馬で荷物を背負っての行軍だ。

「僕らは慣れてますけど、エリスさん、アリサさんは大丈夫ですか?」

「特待クラスは皆乗馬スキルが必須だからね。

全速力は無理でもこの速度なら何とか。」

「普通私達より王女殿下の心配をすると思うのだけど。」

「えっと、春に腕前は拝見しているので。」

「成程・・・」


「しかし・・・何でこんな無茶な行軍に・・・」

夕方、街道沿いの宿場町に着くと手配した宿に入る。

そこで受入準備をしていた侍女さん達が用意した食事を食べ終えた後のことである。

宿は貸切で他の客はいない。

食堂に居るのは学生である6人と団長だけだ。

「羽化の儀に間に合うだけならこんなに急ぐ必要は無いと思うんですけど。何があったんです。」

侍女の用意したお茶を口に運んで一呼吸置いた団長が答える。

「ケルヌ側の鑑定に不正が見つかりました。」

「はい?」

今回の羽化の儀に当たり、最後の鑑定を実施したところ、紋章不正が見つかった。

結果、羽化の儀の候補者が2人脱落、鑑定のやり直しが決定した。

「そこまでは理解しました。」

クレスの言葉に状況を理解したエリスが答える。

「紋章の鑑定にはランクAの鑑定具を使うの。

それを扱える鑑定士は多くないわ。」

「そういう者は大抵何かの役目に就いているから急には動けない。」

「それで扱えるエリスさんとトレイシーさんに声が掛かったと。」

「この手の鑑定は最低二人で行うの。

だから不正が分ったんだろうけど、やり直しの鑑定を行える鑑定士の数が足りないんでしょうね。」

団長が言葉を挟む。

「元々ケルヌではランクAを扱える鑑定士が3人でした。

内2人が今回の不正で失格、正規の鑑定士は1人だけでは鑑定が出来ないのでお二人に声が掛かったのです。」

「どんな不正だったです?」

「鑑定機の改造です。

3人目が失格した2人の持っている鑑定機に不審を抱き自身が持っている鑑定機で計測して発覚しました。」

「あのーそもそもそんな大事な鑑定で出来る人が3人って少なくないですか?」

「昨年までは倍以上いました。」

「とある一件で大量に鑑定士が失格になったのよ。」

サーシャは3日前に聞いた話を思い出す。

「鷲の紋章持ちの偽造事件ですか?」

「ええ、そうよ。よく知っていたわね。

それまではランクBの鑑定機を使っていたんだけど、

あの後からランクAに変更になって。

さらにランクの高い鑑定士が罪に問われて居なくなったもんだから3人だけ。

今回で1人になってしまったという訳。」

「聞いた話では家族を人質に取られての犯行だったようで鑑定士の運用についても見直すということになるようです。」

「ケルヌではランクBを扱う鑑定士を10名前後、我が国に送ってランクAを扱える鑑定士にする予定です。」

「それで父達が動けないんですね。」

「ええ、ファティマ家やバルベース家の方々はそちらの教育に当たって頂くことになりました。」

そこでポリーが手を上げた。

「質問、エリスさん、トレイシーさんってどこまで扱えるんです?」

「私達ランクAの鑑定機の扱いと鑑定、および製作も出来るわ。」

「流石にランクSは使えるけど作れないかな。」

「「「・・・」」」

「エリスさん達、凄いって話は聞いてましたけど。」

「・・・こういうところだったんですね・・・」

「この二人は学園でも別枠扱いで普段は表に出さないようにしているわ。」

最後の王女の一言は重かった。


仕切り直しでクレスが口を開く。

「要するに今回の強行軍は羽化の儀の前に全員再鑑定が必要になったと言うのが理由か。」

「ええ、王家の秘儀を使ってね。

もう1つは二人を外に出すと言うのを隠す為というのもあるわ。」

「えっ?」

「今、学園周辺が騒がしいのよ。

特待クラスで超優秀な下位貴族。

取り込みたいと思う家は多いわ。」

「ピエール殿下の婚約で色々動きがありました。

それに乗り損ねた高位貴族の複数の家でお二人を狙って動いているという話がありまして。」

「ハニトラとか?」

「それだけならまだ良いんですが。」

「権力と暴力の両方を使いかねない連中がいるっていうこと。

夏のパーティーにとてもじゃないけど出席させられないわ。」

「そこまでですか・・・」

「流石に王族もいる特待クラスの寮には近づけてないけどね。

特待クラスの女子は特に狙われやすいから警備を強化しているし、今年は帰省も遠慮して貰っている。」

「イーダ様が残ったのはその為ですか。」

「ええ。」

暗い雰囲気になったところで団長が口を開いた。

「ここに居るのは王の信頼が厚く侍女も含めて戦えるものだけです。

お二人にアリサ様も単独行動はせず、必ずここにいる誰かと一緒に行動してください。」

「分かりました。」

そうそうと王女が手を叩いた。

「エリスさん達には改造された鑑定機の修理も依頼されているわ。

申し訳ないけど観光は諦めてね。

最後には買い物位は出来るようにするけど。」

「・・・はい・・・」

閲覧、有難うございます。

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2人の実家には頭脳の流出を防ぐべく王家が護衛が付けてます。


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