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【本編・二ノ国編完結】前提条件が壊れた結果  作者:
二ノ国編

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05_同行メンバー

翌日のサーシャは王女より同行メンバーリストを受け取った。

教室にイーダや他の護衛が居るのを確認してサーシャはエリスの研究室にリストを持っていく。

「これ、同行者リスト、確認しておいて。」

素早くエリスに渡すと足早にサーシャは教室に戻っていった。


エリスとトレイシーの研究室には文官科の3年生が4人、補助として在籍している。

2人の研究を手伝うと同時に彼等は卒業論文の支援を受けているのだ。

主な支援は文献紹介と実験用資材の提供。

期の始め、研究室を手に入れた二人は文官科に補助要員の募集をした。

結構な数の応募があり面談の末、決まった4人は交代で研究室にやってくる。

人数の多い文官棟の実験室より少々狭くても好きなように実験が出来るこちらの方が良いのだろう。

補助作業もあるので学校側から金額は少ないがアルバイト料も出ている。

授業が終わる夕方になると大体4人揃って何かしている。


お昼になって、ランチボックスの入った籠を持ったアリサが研究室にやってくる。

2人が不在の間の対応について話していたトレイシーは、アリサに礼を言って椅子を勧めた。

「特待棟側の扉は向こう側から鍵を掛けるので開かない。

文官棟側の鍵を入り口に預けておくので当番の教師から受け取ってくれ。」

「不在の間もここを使っていいんですね。」

「ああ。今朝方許可を取った。

こっちの研究資料の一部は特待棟の書庫に預ける予定。

入室許可は4人だけ。

教師の巡回もあるし、勝手に他の人とか入れるなよ。

後、泊まり込みがしたい場合は教師の許可を取るように。」

「了解です。」

部屋にいた二人はお礼を言ってアリサの持ってきたランチボックスを手に文官棟に戻っていった。


「ここ使わせるですね。」

「ええ。こっちに慣れると向こうには戻れないそうです。」

そう言って奥の実験スペースを見る。

また正体不明の機器が増えている。

「実家から送られてきた魔道具の検証を頼まれたの。」

実際は彼等の研究に必要な魔道具を新たに作った試作品である。

使えるようであれば製品化して売り出す予定だ。

時々王城の文官達も魔道具開発を依頼しに来ている。


討論用のスペースの上を片付け、ランチボックスを配る。

お茶はエリスが淹れた。

「さて、誰が一緒に行くのかな。」

食事が済むと貰ったリストを広げた。

「護衛の団長は近衛の人ね。アリサは知っている?」

「二人いる副団長の一人ね。年配の方。年は50歳を越えているかしら。」

「随分年上だな。交渉役も兼ねているのか。」

「そうね。文官側が若いからバランスを取ったのかしら。」

「あ、ポリーさんとクレスさんもいる。」

「王女殿下とも顔見知りだしサーシャさんと付き合いが長いからかしらね。

・・・あれこの二人、期の初めに婚約してって言ってなかった?」

「まあ、2人の婚約はわざわざ広めなくても周りに知られているから良いのかな。」

「侍女、侍従は知らない方ばかりね。」

「・・・」

エリスが不自然な沈黙をしている。

「どうかしたの?」

黙ってリストを指差す先に知った名前を見つけて顔を見合わせる。

「なるほど・・・あの人がケルヌに行く機会を逃す訳無いか・・・」

「・・・下手すると帰ってこないかも・・・」

動物の生態を研究するあの先輩が滅多に見られぬ神獣や聖獣に接する訳である。

どんな暴走をするかと心配になる。

ましてや今回、新たな神獣達が姿を見せる羽化の儀。

神事の邪魔をさせないようにしっかり見張っていないと危険だ。

「サーシャや他の騎士達に申し入れをしておこう。」

「儀式は不参加に出来ないかしら。」

「睡眠薬、用意しておくわ。」

とことん信用がない・・・


そうやってリストの最後の方に進むと

「あら。ボアさんも参加するの?」

「ええ、うちの商会の関係者ですし、経験を積ませようかと思って推薦しましたわ。」

「リストに名前が載ったということは王城も認めたということか。」

「ムブリーニ令嬢とも別れたと言うし、今回のパーティには参加させない方が良いでしょう。」

閲覧、有難うございます。

面白いと思ったら評価をお願いします。


ボアの参加はアリサの気遣い

なお、トレイシーはエリスの前世の話を知っています。

ついでにサーシャの1年目の夏の話も知っています。

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