別れない二人・1作目の場合
06_公爵令嬢の憂いの後書きで語った王子の出生の秘密の話
今日もまた3人はジョギング中。
周囲に人が居ないことを良いことにゲームの話をしている。
「二人はリメイク版を遊んだと言う話ですけど。」
サーシャは強歩の合間にスクワットをしている。
「王太子と結ばれるルートってあるんですか?」
「大樹の元に」1作目と2作目は恋愛シミュレーション、俗に乙女ゲームと言われるジャンルである。
このゲーム、他のゲームと一線を画す点がある。
それは何か?
このゲームの最難関ヒーロー、王太子。
パッケージのセンターを飾る彼には婚約者がいる。
それを象徴するように彼の背中に婚約者が居り、振り向くその顔は不敵に微笑んでいる。
ゲームで最強のライバルとしてヒロインに立ち塞がる婚約者。
ゲームでは常に王太子に寄り添い、時に厳しく時に優しくヒロインを導いていく。
そしてヒロインがどんなルートを選ぼうとこの二人は別れないのだ・・・
その言葉にエリスは答えた。
「リメイクする時もその点が相当話題になったみたい。」
「結果は?」
「オリジナルと同じで別れない。2も状況は違うけど別れない。」
「えー。でも納得かも。」
1作目では、2年目の冬、ルート確定イベントに現れたのが初級ヒーローかスティーブンの場合とピエール(王太子)、ファビアン(勝気ヒーロー)、ボリス(内気ヒーロー)の場合で大きくゲームシステムが変わる。
最初の4人の場合は1,2年目と殆ど変わらないまま卒業式を迎える。
残りの3人は2年目で卒業して学園から居なくなるため、物語の舞台は外に移る。
こちらに来るとシミュレーションではなく謎解きアドベンチャーゲームとなり3年の夏と冬のルート確定イベントは起こらない。
そして、選んだヒーローと1,2年で起こったイベントの裏にいたラスボス(第三王女)を追い詰めていくのだ。
全ての伏線が回収できるのは王太子ルートのみ。
ファビアンとボリスでは回収できる伏線が足らず、ラスボスの止めを刺しきれず、最後のイベントでピエールが王女を追放、幽閉、処刑したと語られる。
どれになるかは回収できた伏線の数と種類。
なおこの伏線回収イベントに失敗するとラスボス(第三王女)に嵌められてヒロイン死亡、奴隷落ちなどバットエンドになる。
まあ大抵の場合は関りのあるヒーローが助けに来てここで手を引けと言われてしまうのだが。
ただし、ここで関りのあるヒーローとの好感度が低い場合、そのまま死亡なんてことも・・・
これは王太子ルートに入る為、対象ヒーローの好感度を下げ過ぎた場合に発生するレアルート。
イベントスチルを埋めると言う目的でもない限り辿り着かないルートである。
さて王太子ルートだが、2年目の冬のルート確定イベントに王太子が登場することで始まる。
ここでこのまま進むかどうかの選択肢が出てはいを選ぶと王太子ルートに、いいえを選ぶと次点のヒーロールートになる。
ファビアンやボリスルートもだがここからは学園ではなく王城や街中に行き、様々な人から情報を集めていく。
王太子ルートのみ謎の少年が現れて彼から情報を貰ったり渡したりしながら謎を解いていく。
必要な伏線を回収し切れない場合はノーマルエンド。
ラスボス(第三王女)は追放されるがその理由は分からないまま、王太子と婚約者の結婚式となりヒロインは彼の部下として国を支えたとなって終わる。
謎の少年の正体も明かされないままである。
全ての伏線を回収したトゥルーエンドの場合、王太子は王の子だけど王妃の子ではないことが明らかになる。
謎の少年は第二王子のアーサーであることが明らかとなり、王太子の座を彼に譲ってエンディング。
王太子は婚約者と結婚して公爵となり王を支えたとなる。
ヒロインは王太子となった第二王子の婚約者に・・・
確かに王太子エンドではあるが相手が違う!詐欺だと散々言われたエンディングだ。
略奪を好む女性には不満のエンディングだが、謎は知りたいけどお似合いの二人を引き裂くのは・・・と思うプレイヤーには好評だった。
3人とも後者の側なので不満は無い。
「で、今現在、ラスボス(第三王女)は居ないし、隠しキャラの筈のアーサー殿下は普通にクラスメートだし。
第一、この二人婚約してなくて第一王子はフリーだし・・・」
「そう言えばアーサー殿下の方は婚約者と言うか候補が居るって話じゃなかった?」
「うん、留学先だった2の舞台の王女殿下とね。」
「・・・」
「どうかしたのサーシャ?」
「えっと、第一王子殿下が王妃の子じゃないって話、こっちでもそうなの?」
「うん。」
あっさり頷くアリサにサーシャは仰け反った。
「大丈夫なの?それ?」
「公にはされていないけど知る人ぞ知る秘密かな。
第一王子の実の母親って、王妃様の同父母の妹姫なの。
最初から王妃様が王子を産めなかった場合のスペアとして逃げてきた人。
ゲームではそこまで明らかにされなかったけどね。」
「この話、第三王女の親子鑑定の時、残りの王子王女の親子鑑定しているからその時点で王子達には知らされているわ。」
「そもそも、第一王子は王と皇国の姫の子という意味では変わりないからね。」
「王としてはどっちが立太子しても問題ないと思っているんじゃない。」
サーシャは暫く黙って口を開いた。
「で、その人今どうしているの?」
「第一王子を産んで、側妃様のところに第二王子が生まれたことでお役御免。
今は元の乳母の夫だった人のところに嫁いで子供が二人生まれている。」
「・・・」
「時々王妃様のご機嫌伺を兼ねて子供を連れて第一王子に会いに来ているしそれなりに幸せなんじゃないかな。」
「そういうもん?」
「そういうもんじゃない?」
閲覧、有難うございます。
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王妃は第三王女の時に体調を崩して次の子供は無理とい話になりました。
それで元々スペアだった妹姫と王で子作りをしました。
秘密のままだと問題だけど、公にせずとも筋は通してます。
戸籍にはちゃんと実の母親は王妃ではなく妹姫であること、王妃とは養子であることが記載されています。




