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【本編・二ノ国編完結】前提条件が壊れた結果  作者:
おまけ

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毒を撒く・・・浄化された

活動報告で書いたバタフライエフェクトの話です。

「どうして」

王女は美しい顔を歪ませ受け取った手紙を床に叩きつける。

来月行われる彼女の誕生を祝う茶会の招待状に対する不参加の返信。

王女が参加して欲しいと願う相手は全員不参加を伝えてきたのだった。


今までは順調だった。

10歳の誕生日以降、下の姉のお茶会に顔を出して貴族たちの顔つなぎをした。

そして自分の境遇に同情した好意的な貴族の家の子息令嬢を招いたり呼ばれたりして少しずつ交流を深めていた。

王女は元々人の持つ負の感情に敏感だった。

そうやって交流する内に優秀な兄弟姉妹に嫉妬するもの、美しいドレスを身にまとい、周囲にマウントを取る令嬢が実は劣等感に苛まれていることなど心に隙があるものを何人も見出してきた。

そういう者達に寄り添い支える振りをしてその心に毒を垂らす。

その者が一番浴しているもの。称賛、共感、同情。

そういったものを与えてほんの少しだけ毒を撒く。

毒は少しずつ少しずつ相手を蝕みその家族関係を破壊していった。

そうやって孤立する相手に寄り添い信者を増やす。

第三王女の周りには家族関係に悩み孤立した子息達が集まってきた。


それがある時から変わってくる。

今まで麻薬の様に彼女の言葉を求めてきていたものが一人また一人と彼女の元から去っていた。


そして今、彼女は王妃から離宮行きを告げられた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「アリサ、お疲れ様。」

頭を下げて去っていく親子を見送るアリサに母親は声を掛けてきた。

「これで終わり?」

「多分ね。伯爵夫人のお友達とそのお友達の紹介はこれで最後よ。」

アリサは居間に戻って伸びをする。

侍女が彼女と母の分のお茶を淹れて壁際に下がった。


「うーーん。何であの子あんな言葉を気にしていたんだろう。」

理解できないと言うようにアリサは首を横に振る。

「そうよね。特別変でもきつい言葉でも無いのに。」

母親は同意した。

「あれが気になるようでは社交界でやっていけないんだけど。」

言った人が不味かったのかしら?と母親は首を捻っている。

今日の親子は兄弟で比べられて兄を妬んだ弟の相談だった。

よくよく話を聞くと面倒見の良い兄で同じ年の頃なら弟の方が優秀だった。

兄が出来るのは数年分努力の成果であり、変なことなど何もない。

というより年上なのだから出来ない方が問題である。


少し前までこの二人は仲の良い兄弟だった。

兄は手本を示し、出来ることを誉め、出来ないことに相談に乗っていた。

それがある時期からおかしくなった。

少しずつ兄の言葉を捻くれて解釈するようになり溝が広がっていく。

家族の不和が少しずつ深まっていくので母親は藁をもすがる気持ちでマイルズ家にやってきたのだった。

アリサは弟の話をじっくり聞いた。

否定せず肯定せずひたすら弟に気持ちを吐き出させた。

時々質問を投げかけて視野を広げさせる。

弟はそうする内に何かがおかしいことに気が付いたのだろう。

そうなると後は早い。

心に溜まった毒を全て吐き出すと、弟は兄に母親に謝った。


「話を聞くと・・・」

母親は唇に手を当ててアリサに黙る様に言う。

彼等彼女らがおかしくなり始めるのはとある人物は参加するお茶会に参加するようになってからだいうこと。

それは密やかに社交界に広まっていく。

その後、その人物をお茶会に呼ぶものもその人物を訪ねるものも居なくなった。


閲覧、有難うございます。

面白いと思ったら評価をお願いします。


第三王女が撒いた不和の芽をせっせとアリサは摘み取っていきました。

これが無かったら王妃の王女追放は厳しかったでしょう・・・

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