27_お芝居
3人は顔を見合わせ、正確にはアリサの顔を見詰めた。
対するアリサは目を閉じて一呼吸おいてからイーダに視線を合わせる。
「本を読んだのです。夢の中で私達のことが書かれた本を。」
イーダは理解できないと言う様に首を振った。
「本?夢で本?預言書?」
エリスとサーシャは沈黙している。
「正確には本ではありません。がこちらでは本、あるいは舞台、芝居が近いでしょう。
私達はそういうものを読んだ、観たのです。」
イーダは首を傾げる。
「そこに私達が出てくるの?」
「はい、それは一種の恋愛小説のようなものでそこで私達は学園で様々な出来事を経験し、出会った人達と恋に落ちます。」
「・・・恋愛小説・・・私達・・・エリスさんは分かるけど・・・あれエリスさんは入学前に婚約しているわよね・・・アリサさん、誰か好きな人いるの・・・」
ぶつぶつとイーサが呟いた内容にサーシャが突っ込んだ。
「私は無視ですか?」
「いえ、サーシャさんは言った通りじゃないですか。」
イーダの答えにサーシャは沈没した。
「エリスさんとアリサさんは違いますよね。」
「・・・本と言うより芝居と言う方が説明しやすいので芝居として話します。
一つの物語を芝居にしました。
芝居の中では私を主人公にしているものもあれば、エリスを、サーシャを主人公にしているものもあります。」
ここエリスが言葉を添える。
「夢の中では私達は観客。」
「エリスさん・・・サーシャさんも同じですか?」
「はい、夢の中では違う名前で呼んでいましたが芝居の様なものです。」
「皆さんは一緒に見ていたのですか。」
「いいえ、別々です。
この芝居はアドリブも多くて見る度に違う話が進みます。」
「話が違うって同じ物語を元にしているのでしょう?」
「はい、この国の建国神話を考えてみれば分かると思いますが、我が国の建国王を主人公にした話と他の方では全く違うでしょう。」
「そして、イーダ様も考えたことがありませんか。
もし風の部族がもう少し早く覚悟を決めていれば花の姫は助かったんじゃないか。
あるいは裏切り者の梟の部族はもっと早く始末しておけば良かったんじゃないか。」
「芝居ならもしの世界を描くことが出来るということ?」
「はい、この芝居はいくつものもしを楽しめるものなのです。」
「それって同じ物語と言えるの?」
「はい、国の名前、登場人物、場所、制度などは一緒です。
人によっては全く異なる物語を楽しめるでしょう。」
「貴方達はその物語の主人公という訳?」
3人は頷いた。
「その話に私は出てくるの?」
「はい。」
「あれも?」
「はい、物語の中ではラスボス、建国神話の魔王みたいな扱いでした。」
「なるほど・・・」
イーダはよく分かると何度も頷いている。
「マリア殿下は?」
「・・・回想シーンにだけ出てきます・・・」
「どういうこと?・・・もしかして亡くなっているの?」
「はい・・・」
沈黙が流れた。
「貴方達はここをその芝居の世界だと思っているの?」
イーダの言葉にエリスとアリサは首を横に振った。
「私は・・・最初はそうだと思っていました・・・」
サーシャは恥ずかしそうに言葉を吐き出す。
それを聞いてイーダが思い出したように笑った。
「なるほど、それが入学当時の奇行の理由だったのね。」
「・・・はい・・・今はそんなこと思ってません!」
分かった分かったと宥める様に手を振り、イーダは言った。
「それでお芝居の設定と現状について差異があるようだけどそこら辺を教えて貰えないかしら。」
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