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24/31

23_夜会にて

王城にて第一王女の嫁ぎ先からやってきた大使を歓迎するパーティが開かれた。

先日生まれた第三子の王女の祝いの品に対する返礼の為の来訪だ。

「これをどうぞ」と大使は王女を抱いた王妃を囲む王と二人の王子の描かれた絵を王の侍従に渡し、歓声が上がっている。

絵の中の第一王女はとても幸せそうだった。

続けて、大使より自国の王、王妃(第一王女)、第一、第二王子からの祖父母である王や王妃に宛てた手紙が読み上げられている。

出席た第四王女の後ろでサーシャは騎士服を着て護衛の任についていた。

周囲の令嬢から熱い視線を浴び、宝塚の男役かとサーシャは周りに気付かれないようにため息を吐いた。


ゲームのサーシャは可愛い系、そのままだったら騎士服を着てもお遊戯みたいで似合わなかっただろう。

が・・・入学時に体力をカンストまで上げ、淑女科で作法を磨き、騎士科の訓練を経て今は凛々しさの方が強い。

1年の後期後半、淑女科でのダンスのレッスンは男性パート。

気が付くと同級生だけでなく上級生の相手役として踊る羽目になっていた。

卒業や進級試験の相手役として一体何回踊ったか・・・

両手の指の数を越えた時点でサーシャは数えるのを諦めた。

今日もまた婚約が正式に決まっていない第四王女のファーストダンスを踊ったばかりである。

「疲れました?」

王女の問いには首を横に振る。

体力は問題ないがひっきりなしにダンスを誘いに来る令嬢の相手は気力を消耗する。

(大体、王女の護衛をダンスを誘うとはどういう気だ。そもそも私は女だぞ)

ゲームでも3年にはルートによって王城の夜会に参加している。

・・・ドレスを着て・・・

筋肉が付き過ぎて今の自分に合うドレスはあるんだろうかと心配になる。

「あと少しで私は退席するから頑張って。」

王女の言葉にため息を殺して頷いた。


言葉通り30分もしない内に王女は大使や王、王妃に退席の挨拶をして会場を出た。

着替えて学園に向かう馬車に乗る。

サーシャは騎士服のままだが剣を返してもらい、腰に佩いた。

周囲を護衛の騎士に囲まれ、馬車の中は王女と二人きりになった。

騎士と侍女の立場を使い分けて振舞うサーシャに王女は笑う。

「マリアで良いと言っているのに。」

「王女殿下、ここはまだ学園ではありません。」

「もうっ」と王女は拗ねてみせるが磨かれた侍女スキルでスルーした。


特待クラスの入寮式で王女は名前呼びをするように伝えてくる。

入学と同時に特待クラスに入っていたらそれを真に受けてどれだけ不敬を働いたことかとサーシャは恐ろしくなる。

1年目、淑女科のクラスメートから受けた様々な愛の鞭でそこら辺の機微を理解できたことは本当に感謝している。

(多分、それを理解しないと苛めだと思っちゃうんだろうな。)

前世で読んだ小説やゲームを思い出して心の中で苦笑いする。

サーシャがそれを理解できたのは教師や同級生達がきちんと説明してくれたからだ。

実践編での採点の低さに泣きたくなったが点数の理由や対処方法例を聞かせて貰ったお陰で今のサーシャがある。

入学前に高位貴族との付き合いがあまり無かったエリスも入寮当時苦労したらしい。

彼女の場合、アリサの協力と前世社会人として経験で乗り越えたそうだ。

高校生になったばかりの記憶しかないサーシャには無理な話である。


馬車は学園の敷地内に入った。

もう良いでしょうと目をキラキラさせた王女が問い掛けてくる。

「サーシャ、本命は誰?いい加減教えてよ。」

特待クラスでに入って1ヶ月半、王女がこの手の恋バナが大好きだということを理解した。

寮でも隙さえあればこの手の話題を振ってくる。

一番仲の良いイーダを含む3年生は王女以外全員婚約者持ち。

皆見事にスルーしている。

2年生も上級生に倣ってうまくあしらっていた。

その為、今の王女のターゲットは1年の二人とサーシャ。

特に護衛として接する機会の多いサーシャが被害に遭っていた。

弟を含む幼馴染がサーシャを気にしているのでお節介を焼こうとしている面もある。

寮ならイーダやアリサが盾になってくれるが今は二人きり、サーシャは早く寮についてと祈った。

「教えてくれるならお姉様の情報、教えてあげるわよ。」

「嫁がれた姉君の話ですか?」

「違うわよ。知りたいんでしょう。」

悪戯っぽく見上げてくる王女にサーシャは頷いてしまった。


場所を変えた方が良いでしょうと、王女は寮の応接室に入る。

侍女がお茶を用意して壁際に立った。

そんな侍女をイーダとエリス、アリサを呼んでくるように言って追い払う。

「さてっと、知っているんでしょ、私にもう一人姉が居るってこと。」

閲覧、有難うございます。

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