21_これからの話
答え合わせはもう少し後になりました・・・
サーシャはふと気が付いて周囲を見回す。
寮の庭の真ん中で周囲に遮るものが無い。
狙撃されたらイチコロだと思ってサーシャは言う。
「大丈夫なんですかここ。」
「ええ、ここなら誰かに会話を聞かれることはありませんから。」
「壁に耳あり障子に目ありですわ。」
そこでサーシャは気が付く。
二人は話すときに必ず扇子を口に当てていることに。
「読唇術を心配しているのですか。」
二人は頷く。
「ここまで離れていれば望遠鏡でも使わない限り大丈夫でしょうけど。」
「今の特待クラスには王子殿下に王女殿下が居られます。」
「どこで何を聞かれるか分からないからご注意なさいませ。」
「はい」
真っ赤になって俯くサーシャに二人は首を傾げる。
「サーシャ様は一体何を心配していたのです?」
「狙撃」と俯いたまま答えると二人が固まった気配がする。
恐る恐る顔を上げると二人の呆れた視線を受けた。
「ここは特待クラスの専用エリアですよ?」
「ああ、でもサーシャ様はあの事件を経験したばかりでしたね。」
「だけど・・・騎士科出身ならまだしも淑女科出身から狙撃の心配は無いと思いますが・・・」
「私も扇子を使った方が良いでしょうか。」
「・・・サーシャ様はこれから王女殿下の護衛につくことが多いと思います・・・」
「剣を佩くことになるでしょうし、御手は自由な方がいいかもしれません。」
「持つなら武器にすることを考えて鉄扇が良いかも。」
どんな世界だとサーシャは思ったが先に狙撃を心配したので人のことは言えない・・・
「護衛は決まりなんですか?」
サーシャの問いに二人は頷いた。
「学園では平等を謳っているので王族と言えど表向き護衛を付けることは出来ないのです。」
「貴方もご存じだと思いますがバルバ令息はアーサー殿下の学友兼護衛となる予定でした。」
「代わりをテグジェリ令息とリラダン令息が務めていた訳ですがお二人はピエール殿下の護衛。」
「王女殿下の護衛は今はイーダ様が務めていましたがイーダ様は本来なら護衛が付く側です。」
「今の特待クラスの女性で護衛が出来そうなのは・・・」
「私しかいないということですね。」
「はい、昨年までは別の方が護衛をしていましたが卒業されたので。」
「もし私が特待クラスにならなかったらどうなっていたのでしょう。」
「騎士科の女性の中から臨時で誰かがお側についたと思います。」
「ポリーとか?」
二人は頷いた。
「王女殿下は貴方とクラチット令嬢のことを気に入っています。」
「受講科目も王女殿下のスケジュールと調整が必要になると思いますよ。」
なにそれと思ったものの続きを待つ。
「大半の授業はイーダ様がご一緒なので問題ないと思いますがパーティ等の社交ではお側に控えることになる筈です。」
「イーダ様には婚約者の辺境伯令息が付くのでご一緒と言う訳には行かないのです。」
「エリス様とアリサ様は?」
「私達は低位貴族、王女殿下の社交の場に参加する機会はあまりないです。」
「護衛の為の訓練は受けていますけどね。」
(これからのパーティー参加は義務になるのか)
確かパーティ絡みでゲームイベントで色々あった筈。
ラスボス王女はいないからと言って安心はできないだろう。
やっと見つかったお仲間は頼りに出来ず頭が痛いとサーシャは思った。
閲覧、有難うございます。
サーシャはゲームイベント絡みの相談や愚痴が言える相手が出来ました。
それだけでも気持ちはかなり楽になった筈




