17_舞台裏を知る
エピソードで描くととても長くなりそうなのでダイジェスト版
短いながらも楽しい帰省を終えてサーシャは学園に戻ってきた。
貰った履修要領をよく見ると持っていった教科書の半分以上は既に履修済みであることが分った。
編入試験で合格しているので単位は上げるから教科書は一度は最後まで読んでおけ!ということだったらしい。
そんな話を二人にすると1年目で成績優秀なものが2年目以降成績ががた落ちする原因がそれらしい。
期の始めの試験で優秀な成績で合格したことで慢心し、内実が伴わないまま次に進んでということだ。
そこで奮起できれば良いが耐えきれず自主退学していくものが少なくないとのこと。
必要だから教科書に書いてあるのであって、試験に出ないからとまともに読まないなんて馬鹿か?とサーシャは思う。
履修済みの教科書はお世話になった子爵家に預けている。
代わりに弟や従弟達の学習支援を頼むと自身の子供の学友が欲しかったと喜ばれた。
子爵邸にある教科書は古く欠けているものもあったので全分野で最新の教科書が手に入ったことを特に喜んでいる。
丁寧に扱うから親戚縁者の教育に使わせて欲しいと頼まれてしまった。
自分が学園に入学できたのは子爵が快く学ばせてくれたお陰なので子爵邸から持ち出さないことを条件に受け入れた。
今後、履修が済んだ教科書を贈る約束をした。
同行していたクレスとポリーは課題の訓練をすると同時にサーシャの家や子爵邸で子供達の相手をしている。
本物の騎士(候補)に男の子に大人気で気軽に仕事を手伝う二人は大人達にも好評だった。
戻る時には置いていった教科書の代わりにお土産が山ほど積まれ、馬車が狭くなった程である。
今回の帰省で一番有難かったのは色々な話を二人から聞けたことだった。
サーシャは今まで特待クラスへの編入に向け勉強とアルバイトで余裕が無かった。
ゲーム知識があるからと情報収集を怠った結果、誤解勘違いが多いことに気が付いたのである。
そしてそれを聞けたのが学園内で無くて良かったとサーシャは思う。
ゲーム知識で行動した結果、奇行の主として全クラスに知れ渡っていたことを知って穴に入りたくなった。
ただ、これはサーシャにとっては良い方向に作用している。
奇行によって距離を置かれたことで勉強する時間が出来、そうやって勉強する姿を見て近づいてきたものはサーシャの味方になった。
図書館の司書や教師、名も知らぬ先輩達、出来ぬことを諦めず繰り返し繰り返し練習する姿にクラスメートは一人、また一人とサーシャの力になっていく。
そうしてサーシャは物のわからない山猿(田舎者)から努力家の男爵令嬢と呼ばれていることをこの時初めて知ったのである。
とは言え、奇行そのものは全校規模で知られている訳で色眼鏡見るものは少なくない。
穴があったら入りたり・・・黒歴史に頭を抱えるサーシャであった。
今回の帰省でサーシャが知ったゲームとの差異
・第一王子は王太子ではなく立太子した王子はいない。
・第一王子に婚約者はいない。
・公爵令嬢は辺境伯の嫡男と婚約している。
・第二王子は外国の姫君と婚約予定。
・第三王女は5年以上前に皇国に行った。
・第四王女は第一王子と同学年で特待クラスに在学中
・第二王子は同学年で特待クラスに在学中(これは入学式の挨拶で知っていた)
・第一王子と第二王子、第四王女は仲が良い(スティーブン情報なので間違いないだろう)
・トレイシーが特待クラスでエリスの婚約者
エリスとアリサは二周目以降なら特待クラスなのでおかしくないがトレイシーが特待クラスだったことはゲームではない。
差異ではないが初めて知った舞台裏
・サーシャが学園に入学する切っ掛けはスカウト
田舎に住むサーシャが通うとしたら通常なら地元に近い学校である。
それが王都の学校になったのは各地を巡回する騎士からのスカウトであったらしい。
学園では優秀な騎士を特に女性王族が同世代にいるので優秀な女性騎士を欲しがっている。
害獣退治で男性顔負けの活躍していたサーシャに目を付け入学案内が送られたとのこと。
入学試験で好成績を出したサーシャに喜んだのも束の間、淑女科に進んだことで騎士科の学部長が何で騎士科じゃないんだと天に吠えたそうだ。
その後、特待クラスを目指して頑張っていると知って復活。
裏で編入試験に合格できるよう手配していたらしい。
クレスとポリーの申し出も実はこの学部長の采配。
見所のある二人を鍛えると同時に騎士科に好意を持って貰おうと企んだ結果であった。
なお、寮で孤立していたサーシャに手を貸したのはポリーの純粋な好意で学部長はそれに乗っかった形である。
それを聞いてサーシャはホッとした。
この後何かと騎士科に引っ張り出されると思うよという二人の言葉にサーシャはげんなりしたが・・・
「色々変だとは思っていたんだよね・・・」
王都に住んでいるならともかく初期ステータスの田舎娘のサーシャが何故あの学園に通っていたのか。
王女の護衛として望まれていたというなら納得できる。
ゲームのラスボスである第三王女の護衛ならお断り一択だが性格が良い(スティーブン情報)第四王女なら考えてみても良い。
何よりお世話になったポリーが同僚と言うのは魅力的だ。
淑女科のクラスメートの侍女と言うのも悪くないが・・・侍女よりも騎士の方が楽しそうだ。
※既に何人か声を掛けられている。
「平穏だと思っていたら既にラスボスは退場していたんだ・・・」
学園の教師陣もゲームで見た感じより年齢が上で実力のある教師が多い。
(そう言えば若い教師って第三王女の手先だったっけ。)
ゲームでは第三王女は王族でありながら特待クラスではなく淑女科で学園を卒業したと紹介されていた。
それが不満で不和の種を蒔いていたと書かれていた。
(特待クラスに入れないなんて当たり前だよね・・・)
ゲームで描かれた王女を思い出すとどう考えても特待クラスが求めるレベルに達しているとは思えない。
性格的には淑女科も危なかったんじゃなかろうか。
今の教師陣の教えを見ると王女が従るとは到底思えない。
(だから教師が変わっていたのかな)
王女がもし退場して居なかったらと思うとサーシャは寒気がした・・・
閲覧、有難うございます。




