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ガールズ・リーグ ~女子プロ野球青春物語  作者: mf
第7話 デビュー戦
32/50

2 謎の少女

 球団事務所を出ると、宮田は杖をつきながら、駅の方へ歩いていった。


 その時、宮田は歩きながらチームのことを考えていて、背後から宮田を尾行する男の存在に気づかなかった。


 宮田は飲み物を買おうと、自動販売機の前に立ち止まり、背広の内ポケットから財布を取りだし、販売機に千円札を入れて、缶のスポーツ・ドリンクを購入した。


 そして、宮田が取出口から缶を取り出そうと腰をかがめた時だった。


 宮田から二〇メートルほど離れて尾行していた男が突然走り出し、宮田に体当たりを喰らわした。


 杖だけで体を支えていた宮田は簡単に地面に倒されてしまった。


 男はいきなり馬乗りになって宮田の顔を殴りつけ、宮田から財布を奪うと、逃げ出した。


「くそっ、誰か……」


 宮田が体を起こした時、男の背中は三〇メートル以上先にあった。


 やられたか。


「おっさん」


 その時、宮田に茶髪の少女が声をかけた。


「ん?」


「財布取り戻したら、一割くれるかい?」


「あ、ああ」


「じゃあ、缶貸しな」


 少女は宮田から缶を受け取った。


「おい、どうする気だ?」


「こうするんだよ」


 少女は思いっきり缶を逃走する男に向かって投げた。


 缶は真っ直ぐ飛んでいき、男の頭に命中した。


 男は倒れた。


「よっしゃ」


 少女はガッツ・ポーズを取って、倒れた男のところへ向かって走り出した。


「何て肩だ。百五十メートルは離れていたぞ。しかもすごいコントロールだ」


 宮田は財布のことよりも少女の方に気を取られていた。


 しばらくして少女が戻ってきた。


「五万あるから、五千円もらった」


 少女は宮田に財布を渡した。


「ああ、ありがとう」


「おっさん、次からは、まわりに気をつけな」

 少女はそう言うと、立ち去った。


「ま、待ってくれ」


 宮田は少女を呼び止めようとしたが、少女の姿は見えなくなってしまった。



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