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無人島で50年も修行したら、強くなりすぎたので弟子を育てる事にした  作者: ダイス
王都機密ダンジョン編

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50/80

エピソード 1:王都到着

# 第1話 王都到着


 王都中枢にそびえる城壁都市は、

朝の柔らかな光を浴びて輝いていた。


 高くそびえる城壁の間を、

シオンとユズは歩いていた。


 ユズはきょろきょろと周囲を見回す。

耳をぴくぴく動かし、街の活気に目を輝かせていた。


「……師匠、すごい街ですね。

人も多いですし、建物も大きくて」

「そうだな。まずは落ち着いて

行動するんだ」


 シオンは視線を遠くに向け、淡々と答える。

目は周囲の人々や衛兵を鋭く観察していた。


 城門を抜け、王都の大通りに出る。

街の雑踏と馬車の音に、ユズは少し緊張する。


「師匠、ここが王都……

人の数も凄いです」

「焦るな。まずは冒険者登録を

済ませる」


 王都冒険者ギルド本部は石造りで威圧感がある。

広い受付ホールには朝から多くの冒険者が集まる。


「……相変わらず、騒がしいな」

 シオンが小さく呟くと、ユズは笑顔を見せた。


「はい! 人がいっぱいでワクワクします!」


 受付に近づくと、職員が慌てて立ち上がる。


「シ、シオン様! お待ちしておりました!」

「……何でしょうか」

 淡々と答えるシオンに職員は封書を差し出した。


「こちらは王城より正式な召集状です。

国家級依頼の説明と滞在支援の案内が記されています」


 ユズは息をのんだ。


「……王城からですか……!」

手にした封書は厚く、正式な封蝋が施されていた。


 シオンは封を切り、中身を確認する。

内容は簡潔だった。


 10日後、正式謁見。

国家級依頼の説明。

滞在支援と準備期間の付与。

弟子の同席も許可されている。


「……なるほど」

「師匠、どうですか……?」

「拒否権はある。だが条件は悪くない」

 シオンは小さく頷いた。


「依頼扱いなら、自由は保たれる。

……やってみる価値はある」


 ユズの表情が少し明るくなる。


「はい……!」


 職員は続けた。


「謁見時は正装が必要です。

王城付きの仕立て屋をご紹介します。

紹介状で無償対応です」


「……助かります」

 ユズは素直に受け取った。無駄遣いはしたくない。


 ギルドを出た後、二人は城壁沿いの大通りを歩いた。


「師匠……王様って、怖い人ですかね……」

「分からない。会って判断する」

 シオンは即答した。


 しばらく沈黙が続く。

やがてシオンがぽつりと呟く。


「この一週間は、無理をする必要はない。

観光でも、街歩きでもいい。

体調を整える方が優先だ」


 ユズは驚いたように顔を上げる。


「……師匠、優しいですね」

「……必要だからだ」

 わずかに視線を逸らすが、声音は柔らかい。


 五十年の孤独が、少しずつ溶け始めている。

本人だけが、まだ気づいていない。


「まずは、仕立て屋ですね!」

「ああ」


 二人は並んで歩き出す。

王との対面、国家級依頼、

新たな運命の始まり。


 そのすべては、まだ幕を開けたばかりだった。


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