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無人島で50年も修行したら、強くなりすぎたので弟子を育てる事にした  作者: ダイス
冒険者始動編

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エピソード20 : 魔将獣ガルグ討伐

 ――ドォォンッ!!


 激突の衝撃が、戦場を揺るがした。


 巨大な爪と、圧縮された魔力が正面からぶつかり合い、爆風となって周囲を吹き飛ばす。


-----


「ぐっ……!」


 シオンは、地面を滑りながら後退した。


 足元の石畳が、砕け散る。


-----


「……重いな」


 小さく、呟く。


-----


 正面。


 土煙の中から、ガルグが姿を現した。


 漆黒の毛並みは、傷一つなく。


 黄金色の瞳だけが、不気味に光っている。


-----


「グルルルル……!」


-----


 低い咆哮。


 それと同時に、空気が歪んだ。


-----


 周囲の魔物たちが、一斉に吠える。


 動きが、さらに鋭くなる。


-----


「うそだろ……!」


「さっきより、速い……!」


-----


 冒険者たちの悲鳴が上がる。


 剣が弾かれ、盾が砕かれていく。


-----


「……なるほど」


 シオンは、静かに理解した。


-----


「こいつが生きている限り――」


「戦場は、奴の支配下か」


-----


 ガルグは、大地を蹴った。


 巨体とは思えぬ速度で、突進してくる。


-----


「速い……!」


-----


 爪が、横薙ぎに振るわれる。


-----


 ゴォッ!


-----


 空気が裂け、衝撃波が走る。


-----


 シオンは、紙一重でかわす。


 背後の城壁が、削り取られた。


-----


「当たれば、即死だな」


-----


 シオンは、片手に魔力を集める。


-----


「――氷結」


-----


 地面が一瞬で凍りつく。


 ガルグの脚が、氷に絡め取られた。


-----


「グオオオ!」


-----


 だが、次の瞬間。


 筋肉が膨張し、氷を砕く。


-----


「……効きが浅いか」


-----


 その時だった。


-----


「師匠!」


-----


 ユズの声。


 前線の奥で、仲間が倒れかけている。


-----


 魔狼が、迫っていた。


-----


「……っ!」


-----


 ユズは、歯を食いしばる。


 震える手で、杖を構えた。


-----


「逃げたい……」


「でも……!」


-----


 脳裏に浮かぶのは、師匠の背中。


 何度も支えてくれた姿。


-----


「……私は、弟子です!」


-----


「守られるだけじゃ、嫌です!」


-----


 魔力が、爆発的に膨れ上がる。


-----


「――氷槍・連射!」


-----


 無数の氷の槍が放たれ、魔狼を貫いた。


-----


「ギャアアッ!」


-----


 魔物は、崩れ落ちる。


-----


「……できた」


 ユズは、呆然と呟いた。


-----


「よくやった」


 シオンの声が、背後から届く。


-----


「今の判断は、完璧だ」


-----


「し、師匠……!」


-----


 その隙を突き、ガルグが再び突進してきた。


-----


「来たか」


-----


 シオンは、深く息を吸う。


-----


「重力は使わない」


「……正面から、叩き切る」


-----


 魔力が、全身を巡る。


-----


「――魔力循環・最大」


-----


 身体能力が、限界まで引き上げられる。


-----


 踏み込み。


-----


 爆音。


-----


 地面が、陥没した。


-----


 シオンは、一瞬で距離を詰める。


-----


「――氷装剣」


-----


 右手に、氷の剣が形成される。


 圧縮魔力で、青白く輝く刃。


-----


 ガルグの爪と、激突。


-----


 ギィィィン!!


-----


 火花が散る。


-----


「硬い……!」


-----


 だが、押し負けない。


-----


「――終わらせる」


-----


 左手を振る。


-----


「――氷縛」


-----


 無数の氷鎖が、ガルグの四肢を絡め取る。


-----


「グオオオオ!」


-----


 暴れる。


 地面が割れる。


-----


 それでも――。


-----


 一瞬だけ、動きが止まった。


-----


「今だ」


-----


 シオンは、踏み込んだ。


-----


 視界が、加速する。


-----


 一閃。


-----


 氷の刃が、首元を走る。


-----


 ズバァン――!


-----


 次の瞬間。


 巨体が、ゆっくりと崩れ落ちた。


-----


 首が、宙を舞う。


-----


 ドォン……。


-----


 地響きとともに、ガルグは倒れ伏した。


-----


 同時に。


-----


 空気が、軽くなる。


-----


「……?」


-----


 冒険者たちが、顔を上げる。


-----


「体が……軽い……?」


「魔物が……弱くなってる!」


-----


 配下の魔物たちは、統率を失い、次々と崩れていった。


-----


「終わった……」


-----


 誰かが、呟く。


-----


 戦場に、静寂が戻る。


-----


 ユズは、震える足で歩み寄った。


-----


「師匠……」


-----


「……勝ったな」


 シオンは、静かに答える。


-----


「お前も、よくやった」


-----


「はい……!」


 ユズの目に、涙が滲んだ。


-----


 こうして――。


-----


 辺境都市リュストは救われた。


 魔将獣ガルグ討伐。


 それは、Aランク冒険者シオンの名を、王国中に轟かせる戦いとなった。


-----



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