インターバル
「一応確認しておきますけど、俺中身男ですからね?」
「裸なんて自分の体で見慣れててもう欲情とかしないでしょ貴女」
「まあそうなんですけどね……ずっとこっちの姿ですし」
似たようなやり取りを東風ヶ瀬さんの時もしたな、と思いつつ俺は身に纏った服を脱いでいく。ちなみに現在衣装は元に戻しているので、脱いでいるのは魔法少女的なあれじゃなくてダンジョンまで着てきた服の方だ。
「というかそもそもトワちゃんが一番男好きしそうな体つきだよね」
「……っ!」
なんか横からじっと見てるなと思ったらいきなりそんな事を言ってきたので、丁度下着を脱ごうと片足を上げていた俺は思わずバランスを崩しそうになった。
「元男の子のトワちゃんが一番デカ乳だし、なんか柔らかそうって感じもあるのよね」
「デカ乳て」
だからこの流れもやったって。
今回の面子もるーは全体的に小柄、刹那さんは小さいわけではないけどほどほど、真砂さんに関してはうっすらと膨らんでいる? くらいで平面に近いので、間違いじゃないんだけども。
「変身すると巨乳美少女魔法少女になる小柄な美少年って属性盛り過ぎでしょ」
俺の元の姿も認識済みなんだ……。
「俺のこの体格はアイリスの趣味だと思ってます」
《だーかーらー、いつも言ってるでしょ。体格とか外見は別に私の方では調整してないって。私がやったのは女神の眷属としての体に作り替えただけ》
このやりとりはもう7年ずっと続けているが、アイリスの言い分を信じることはない。今後一生信じる事はないだろう。
《なんでよ》
いつも言ってるだろ、覚えている限りうちの親類は全体的に胸は控えめだったんだよ。
《突然変異でしょ》
TSして魔法少女擬きやっているあたり、突然変異なのは否定できないけどさぁ……
「成程。アイリスちゃんいい趣味してるなー」
「悪い趣味では?」
男を巨乳美少女に変えてこんな格好させてるんだから。
《巨乳は違うって》
それ以外は?
《……ヒュー、ヒュー》
脳内会話でちゃんと吹けてない口笛とか器用なことするな。魔法少女コスの時点で悪趣味は確定してるんだよ。
「というか真砂さん、あんまりそういうのしつこく言うとセクハラになりますよ」
俺の左右で思い切りよく服を脱ぎ捨てている真砂さんとるーとは違い、こちらの方をちらちらと見つつ背中を向けながらももたもたと服を脱いでいた刹那さんがそう突っ込みを入れてきた。刹那さんは俺と男の時にも会ってるし、真砂さんや以前の東風ヶ瀬さんのような割り切りは難しいのだろう。なら一緒に入らなければいいのでは? と思うが、風呂は避難民の方々の使用している物を借りただけなので、あまり長い時間使わせてもらうのも悪いだろうと決死の雰囲気を醸し出しつつ俺達についてきた。
そう、ここは彼らの施設内にある風呂だ。俺達にとっては幸いな事に彼らは俺達同様湯舟に浸かる風習があったらしい。その話を聴いて、ならばという話になったわけである。ちなみにその前に話していた結晶人間の捕縛は明日実行する予定だ。なんだかんだで結構疲労していたし、奴らの場所へどれくらいでいけるかもわからない。一晩きっちり休憩をとってから行こうという話になったわけである。
「私は幼女だからセーフ! セクハラにはならない!」
「見た目だけでしょう! 実年齢は私より上じゃないですか!」
なんならさっきの発言はおっさん臭さがあった気がする。口に出してはいわんけど。
「俺は気にしてないから大丈夫だよ、刹那さん」
「……まあトワちゃんがそういうなら。あ、私は後から行くから先に行っててください」
若干気づかわしげな瞳をしながら、俺たちの格好を見て刹那さんがそう口にする。俺達3人はすでにすっぽんぽんだからね、刹那さんはまだまだ脱衣途中だけど。出来るだけ脱いだ姿を見られたくないという気持ちがあって、手が進まないのだろう。
うん、あっちの世界にしろこっちに戻ってきてからにしろ身近な人間で俺に対してある程度でも男を意識している人間て殆どいなかったからすげぇ新鮮味を感じる。気持ちはとても理解できるので、先に湯舟に行くとしよう。
「行こ、くー」
そう思った瞬間俺の手を取ってくるるーは本当にさすがだと思う。




