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疑い


そこで一つ俺は疑問を感じた。


彼らが使っているこの兵器はどう見ても遠隔で使うものだ。更に兵器の武装も斬撃とかではなく銃撃で着けられたものが殆どに見える。だとしたら彼らは遠距離から戦闘をしたハズで、なのに何故それほど犠牲者(死んではいないが)が出る? 本来なら被害が出るとしても操っている機械方であって、使用している方に被害はないはずだ。


その疑問をそのままクレーベさんに聞いてみたところ、どうやらこの結晶人間がその念波を断ち切ってくるようだった。その結果距離を詰められ……というわけである。


……ふむ。アイリス。


《うん?》


その機械を操作しているところ、見せてもらえるか頼めるか?


《おっけー、任せて》


アイリス経由で聞いてみれば割とあっさりOKが出たので、俺達の前──正確に言えば俺の張った結界の中でそれを操作してもらった。結界は洞窟で使っていたのと同じだ、結界の中を探知するためのもの。それを使ってわかったんだけど、まぁ念波というが結局の所魔力だ。使用者の首筋から伸びた魔力が機械の方に繋がっている。この魔力を通じて意思を送り機械を操作しているようだ。


そしてその魔力のライン自体は結構強いものだけど、ガードされているようなのではない。恐らく彼らの世界では魔力に直接干渉するような存在はいなかったんだろう。そもそもこれ多分技術というよりは能力だし、普通はそう簡単に直接干渉できるものではない。いわばこっちでも行っているマナ利用の通信を強化したようなもんだからな。だけど例えば──俺の結界は周囲の魔力自体の関与を遮断できる。そういった力であればこの能力は遮断できるだろう。


倒れている人間が魔力にダメージを受けているあたり、結晶人間は魔力吸収系の能力持ちだろう。ようするに、彼らにとって結晶人間は相性悪すぎな相手だったわけだ。倒しきれたんだから、どんな魔力でも吸収できるわけじゃないだろうけど……


というか、魔力吸収系か。戦術の一つとして使うのではなくそれだけで戦っているあたり、相手への妨害とかではなく、それを主目的にしている感じだよな。相手の魔力を吸収して自身の活力にしているとか……


「あ」

「? どったのくー?」


人の背中にへばりつき、肩にあごを乗せていたるーは俺の漏らした声に気付き声を掛けてくる。というかその距離でこっち向くもんだから頬が擦りつけられてくる。何してんのお前。


「イチャイチャ……?」


いや、はたから見ればイチャイチャにしか見えないだろうけども。以前からずっとこんな感じなんですよコイツ。今は同性なので許してくれ。


というかそんなことよりもだ。ある事に気付いた俺はまず彼らの能力と、結晶人間の生態の予測に関して皆に話す。


それだけで、真砂さんは気づいたようだった。彼女は口元に手を当て少しだけ考え込んでから、口を開く。


「もしかして、さっきの世界樹の暴走って、コイツが関与してる?」


彼女の言葉に、俺は頷く。


世界樹は、膨大な量のマナを内包しているハズ。何せ疑似的とはいえ世界を生み出すくらいだからな。そして結晶人間の生態が予想通りなら……こいつらはもしかしたら世界樹からマナを奪いとろうとしたんじゃないだろうか? それに反応して世界樹は防衛反応に入った。割としっくりくる気がするんだが。


「という風に考えてるんですが」

「ありえるなー。まぁ推測の範囲でしかないけど……情報がたりないな」

「確かに。今の所はこの結晶体が魔力を吸収するっていう1点だけですものね。数がいるかもわからないわ」

「かといってこいつと同種族が犯人だった場合、放置すると高確率で面倒な事になりそうなんだよね」

「生きている個体捕まえたらアイリスに脳みそ覗いてもらえたりしない? くー」

「できるの? アイリス」


《人を何だと……相手が思い浮かべてくれればわかるけど、考えてもいないことは認識できないわよ?》


「……だそうです」


アイリスの答えをそのまま伝えると、それを聞いた真砂さんがちょっとだけ考え込み、それから顔を上げて言った。


「とりあえず、一体生け捕りにしてみようか」



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