7 新たな共鳴
場所は変わり、街の広場。
暴走した精霊たちの魔力が渦巻き、建物の間を荒れ狂っていた。
炎の精霊、風の精霊、水の精霊……理性を失ったまま、苦しそうに暴れている。
「くそっ……このままじゃ、鎮めきれない……!」
リオネルは剣を構えながら叫ぶ。
いつもならステラとゼフが中心になって浄化するはずなのに、今は二人はいない。
フィリアが歯を噛みしめる。
「それでも……放っておけないよ。精霊たち、苦しんでる……!」
その時、ヴァルカが一歩前に出た。
「なあ、リオネル。
前から思ってたんだけどさ……俺たち、結構、波長合ってるよな」
「今それ言うか!?」って言いかけて、でもリオネルははっとする。
精霊たちの魔力の流れが、ヴァルカの炎と、リオネルの光に同時に反応している。
「……もしかして」
ヴァルカはにっと笑った。
「ステラとゼフみたいなのは無理でも、少しなら俺たちもあいつらみたいにできるんじゃないか?」
リオネルは一瞬迷って、それから頷いた。
「やろう。今できること、全部!」
二人が同時に精霊へと手を伸ばす。
「契約する——!」
光と炎が重なり合い、共鳴する。
ステラとゼフのような完全な絆の契約ほどじゃない。
しかし、確かに心と魔力が繋がる感覚。
フィリアとルクスも加わる。
フィリアの癒しの光が精霊を包み、
ルクスの魔力操作によって暴走した精霊の魔力を優しく整えていく。
「大丈夫……怖くないよ……!」
「戻ってきて……君たちの居場所は、ここだ!」
四人の想いが重なった瞬間。
荒れ狂っていた精霊たちの光が、少しずつ、穏やかになっていく。
炎は温かな灯りに、風はそよ風に、水は静かな波に戻っていった。
最後に残った一体の精霊が、苦しそうに震えながら、リオネルたちを見つめる。
リオネルは剣を下ろし、まっすぐに言った。
「もう大丈夫だ。安心しろ」
この言葉を聞いて、精霊は安心したように体の力を抜いた。
広場に、静けさが戻る。
ヴァルカは大きく息を吐いて、笑う。
「はー……なんとか、なったな」
ルクスもほっとした顔で頷く。
「うん……助けられた……!」
フィリアは遠くの神殿の方を見て、静かに呟いた。
「……ステラとゼフも、きっと戦ってる。
私たちも、負けてられないよね」
リオネルは拳を握る。
「うん。
今度は——俺たちが、支える番だ」




