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風の契約と絆を紡ぐ物語  作者: 蒼燈
縛られた精霊と2人の答え
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90/113

7 つながる想い

薄暗い地下空間。

結界の中心となるその部屋には、黒い鎖がきしむ音が響いていた。

結界に魔力を奪われ続け、縛られたままの精霊は、苦しそうに息を荒げている。

その魔力は、暴走と鎮静の間を行き来している。


ステラは、そんな精霊たちを見て悔しそうな顔をする。


「まだ、助けられてない……」


さっきまで確かに、ゼフと魔力の共鳴ができていた。

鎖に含まれる精霊を束縛する力は確実に弱まっていた。

しかし、シリウスが現れた瞬間、集中が途切れてしまった。

その一瞬の力の揺らぎが、致命的だった。


「ごめん、私が……」


ステラが小さくつぶやくと、ゼフは首を振る。


「違う。ステラが悪いわけじゃない。

 まだ、足りないのかもしれない。2人だけの力だけでは」


ゼフのその言葉に、ルクスが一歩前に出る。


「だったら、みんなで一緒にやればいいじゃん。

 鎖が魔力でできてるなら、干渉できないはずないし」


リオネルが構えていた槍を降ろし、鎖に流れている魔力をにらむ。


「精霊の力を無理やり奪ってるんだよな。

 なら、精霊の力を支える流れをつくればいい」


その隣で、フィリアはそっと胸に手を当てる。

感覚で、縛られた精霊の苦しさを感じ取っていた。


「……みんな、怖がってる。痛いだけじゃない。

 命令され続けて、精神的にも限界なのよ」


ヴァルカは低く笑う。


「命令とか支配とか、そんなもん全部ぶっ壊せばいいだろ」


ゼフが静かにステラの手を取る。


「もう一度やってみよう。

 でも今度は、俺たちだけじゃない。

 みんなの助けたいっていう意志も一緒だ」


ステラは一瞬目を見開き、そして強くうなずいた。


「……うん、助けよう。絶対に」


次の瞬間、光が広がる。


ステラとゼフの魔力が再び重なり合い、そこに仲間たちの想いが流れ込む。


黒い鎖が、悲鳴のような音を立ててひび割れた。

ステラが精霊へと手を伸ばす。


「もう、命令なんて聞かなくていい。

 怖くても、苦しくても……1人じゃないよ」


その優しい声に、縛られた精霊たちの瞳がはっきりと揺れた。


鎖が、完全に崩れ落ちる。

解放された精霊はその場に崩れ落ち、弱々しくも確かに、自由な魔力を放っていた。


「ありがとう……。

 あなたたちの絆なら、この世界を縛ろうとする鎖も壊せるはず」


精霊はそう告げると、世界全体に張り巡らされつつある巨大な術式の存在を断片的に伝えてくる——。

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