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風の契約と絆を紡ぐ物語  作者: 蒼燈
穏やかな王と潜む支配
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78/113

7 氷と雷の共闘

更新が急に止まってしまって、ごめんなさい!

最近いろいろ忙しく、書き溜めができてないので次の更新は土曜日になります……!

あらかじめご了承ください。

ファラサの上空で、空気が歪んだ。


海風に乗って届いたのは、悲鳴と魔物の暴れる気配。

港だけではなく、少し離れた街の中心近くまで風が吹き荒れている。

このことが原因で石畳が割れ、家の屋根が吹き飛ばされている。

人々は逃げ惑い、国を守るための結界は魔物の動きに合わせてたわんでいた。


「とにかく、魔物の動きを止めないと!」


ステラの言葉を受け、フィリアが一気に海を凍らせる。

魔物の周囲まで凍らせたフィリアは、少しずつ魔物の体も凍らせていく。


「リオネル、ヴァルカ。俺たちは街の被害を抑えに行こう」


街の様子を見たゼフが、2人に声をかける。


「はあ? なんでだよ!」


「リオネルの言うとおりだ」


「海の上では近距離で戦うのは難しいだろ。

 それに、ここは風が強いから炎を使うと周りも危ない」


確かに。

納得するリオネルとヴァルカ。

フィリアが凍らせた道を急いで戻っていく3人。


それを見送り、ステラ、フィリア、ルクスは魔物の対処を始める。


フィリアが完全に魔物が動くことができないように、周りを凍らせていく。

全て凍った後、ルクスが一気に攻撃しようとしたその時。

魔物が水で刃を作り出し、ステラたちの方へ攻撃してきた。


ステラが風の魔法ですべて相殺する。


「ルクス、今のうちに攻撃して!」


「わかった!」


次々に魔物の攻撃を相殺していくステラ。

その少し離れた所で、ルクスが強力な攻撃を出せるように集中していく。

フィリアは足場がなくならないように、常に氷の魔法を使っている。


「これで、終わりだよ!」


ルクスが雷魔法を使って、魔物に攻撃を行う。

バリバリバリッと大きな音がして、一瞬視界が真っ白になる。

視界が元に戻ると、魔物は既に消えていた。


港に戻ると、ゼフたちが待っていた。


「やるじゃん、ルクス!」


リオネルがほめると、ルクスはいつものように返す。


「うるさい。なんでそんなに上からなんだよ」


「はあ!?」


リオネルとルクスの言い合いが始まる。

フィリアが仲裁していると、近くにいた民衆から1人の男が歩み出てきた。


銀の髪、落ち着いた瞳。

ネレイス王国の国王、シリウス。


「よくぞ守ってくれた。感謝する」


穏やかな声。民を思う理想の王のような佇まい。


「今回の騒動は、首都を守る結界の出力を上げたことが原因だろう。

 魔力の流れが乱れ、近くにいた魔物に影響が出た……想定外の事故だ」


もっともらしい説明。

周囲の兵士や民は納得したように頷く。


けれど——


ステラは、胸の奥が冷えるのを感じていた。

あの鎖は、結界の乱れなんかじゃ生まれない。


ゼフも無言で視線を伏せる。

精霊たちも、はっきりと首を横に振っていた。


(……違う。これは、誰かが意図的に……)


表情には出さない。

でも、シリウスを見るステラの瞳に、かすかな警戒が宿る。


シリウスはその視線に気づいたのか、

一瞬だけ、興味深そうにステラとゼフを見つめ——


すぐに、優しい王の顔に戻った。


「君たちの力は、本当に素晴らしい。

 精霊と心を通わせる者は、この国にとっても貴重だ」


その言葉の裏に、何かが隠れている。


ステラははっきりと感じていた。


この人は——

何かを知っている。

そして、何かを、隠している。


そう、直感的に思った。

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