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風の契約と絆を紡ぐ物語  作者: 蒼燈
従属の鎖と新たな仲間
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5 歪められた精霊

場所は変わり。


暗い空間。

光は、ほとんどない。


あるのは、淡く揺れる魔術式の光だけ。


その中心に、三人の精霊がいる。


炎。

雷。

氷。


それぞれが、本来の姿を保てないまま、

空間に縛り付けられている。


黒い鎖によって。


魔力で編まれたそれが、

精霊たちの四肢を締め付けていた。


「……興味深い」


静かな声。


アルドラは、その様子を見下ろしていた。


白衣の裾が、わずかに揺れる。


「契約を介さずとも、ここまで干渉できるとは」


炎の精霊が、低く唸る。


本来ならば荒々しく燃え盛るはずの力は、

今は歪に揺れている。


雷は暴れ、

氷はひび割れている。


「やめろ……」


かすれた声。


雷の精霊が、必死に抗う。


「ぼくたちは……誰のものでもない……!」


「そうか?」


アルドラは首を傾げる。


「なら、なぜ今こうして拘束されている?」


淡々とした問い。


そこに感情はない。


ただの事実確認をしているだけ。


「力とは、完全に制御されてこそ意味を持つ」


一歩、近づく。


黒い鎖が、ぎしりと音を立てた。


「自由など、非効率だ」


氷の精霊が、鋭い視線を向ける。


「……だから、奪うの?」


「奪う?」


アルドラは、わずかに笑った。


「違う。最適化だ」


手をかざす。


魔術式が、強く光る。


「契約という非合理を排除し、直接支配する。

 その方が、世界は安定する」


炎が、大きく揺らぐ。


怒りか、恐怖か。


もう判別がつかない。


雷が弾け、氷が軋む。


しかし、どれだけ抗っても、黒い鎖から逃れることはできない。

精霊たちの意志がどんどん削られていく。


「さて」


アルドラは視線を上げる。


まるで、どこか遠くを見ているように。


「観測対象も、ちょうどいい位置にいる」


その言葉と同時に——


鎖が、弾けた。


「——っ!」


解放された精霊たちの力が、暴走する。


しかしそれは、本来の輝きではない。


黒く、歪んだ魔力。


「行け」


アルドラは、ただそれだけを命じた。


「その力を、証明して見せろ」


三つの影が、闇の中へと解き放たれる。


その瞳には、もはや理性はほとんど残っていなかった。


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