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風の契約と絆を紡ぐ物語  作者: 蒼燈
天空都市と黒い観測者
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番外編 風の反抗期?

ある日。


森を歩いているステラとゼフは困っている水の精霊に出会った。

話を聞いてみると、狂暴な魔物が精霊たちの住処を荒らしているらしい。


このままでは、せっかく苦労して見つけた住処を離れなければならない。

そう言って悲しそうな顔をする精霊を放っておけず、ステラとゼフはその魔物を追い払うことにした。


水の精霊に魔物のいる場所まで案内してもらうと、そこには。

大きな泉の前に、魔物が座っている。

その数は、15匹。

精霊たちが攻撃することはないと思っているのか、くつろいでいるようにも見える。


いくつもの精霊たちが木陰や葉に隠れるようにして魔物を見ていた。

全員、悲しそうな顔をしている。


ゼフと目を合わせ、小さくうなずいたステラは身を潜めていた木陰から勢いよく飛び出した。

そして、魔物に軽く切りかかると、そのまま囮となった。


魔物の爪を使った攻撃を避けつつ、魔物たちを一点に集めていく。

すべての魔物が一点に集まると、ゼフが作ったいくつもの風の刃がその場に降り注いだ。

土煙が舞い、あたり一面が煙に包まれる。

少し経って煙が晴れると。

魔物はすべて消え去り、それを見た精霊は喜んでくるくると舞い始めた。


精霊たちは二人にお礼を言い、泉の周りに戻った。

ステラとゼフは楽しそうな精霊たちを少しの間見た後、森から出ることにした。


その道で。


「ゼフ。今日、調子悪い?」


「……なんで、そう思った?」


「なんとなく。あの程度の魔物なら、あんなに威力を強くしなくてもいいと思って。

 威力を強くしすぎると周りの精霊も巻き込まれちゃうかもしれないでしょ」


ゼフは苦笑した。

子供の頃から一緒にいたステラをごまかすことはできないらしい。


「さすがだな。今日は、少し風が言うことを聞いてくれないんだ」


「今も?」


「ああ」


ステラは少し首を傾ける。

風が言うことを聞かない……?

ステラが魔法を使ってもそんなことは起きない。

風の魔法を使えば、風はステラに応えてくれる。

風の精霊であるゼフにしか起きない現象なのかもしれない。


ステラが考えている隣で、ゼフは小さな風を操っていた。

うまくいかないのか、眉間にしわがよっている。


「風にも反抗期があるんだね」


「……は?」


風をいつも通りに操ろうと悪戦苦闘していたゼフは、ステラの一言に驚く。


確かに、今日は風が言うことを聞かない。

思うように操ることができない。

しかし、風に意志があるということは聞いたことがない。


そのように考えるステラに驚いた。

それに。


「反抗期、か」


面白い考え方だ。

言われてみると、そうかもしれない。

風も、たまには言うことを聞きたくないときもあるのだろう。


不思議そうにしているステラ。

そんなステラに笑いかけたゼフは、


「何もない」


と言った。


人間であるステラと精霊であるゼフは少し、考え方が違う。

精霊しかいない中で過ごすことも楽しいかもしれない。

しかし、人間と一緒にいることで、知らないことをたくさん知ることができる。


ステラと、人間と共に過ごす生活に慣れてしまったゼフは精霊しかいない中で過ごそうとは思わない。

改めて、ステラと一緒にいてよかったと思うゼフだった。

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