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風の契約と絆を紡ぐ物語  作者: 蒼燈
平穏の終わりと嵐の始まり
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11 向けられた刃

リオネルたちが部屋に入ると、ステラはベッドに座っていた。

目をこすっていたせいで、周りが赤くなってしまっている。


「ステラ、大丈夫?」


フィリアがステラに近づく。

ステラはうなずく。


「……うん。もう、大丈夫」


ステラの言葉に、全員が安心したような顔をする。

ステラは立ち上がって全員を見回す。


「私は、ゼフを助けたい。協力してくれないかな?」


ステラは頭を下げる。

その姿を見て、リオネルは1歩前に踏み出した。


「当たり前だろ!」


「よし。じゃあ作戦会議だね」


作戦会議は、静かだけど張りつめた空気の中で始まった。


「まずは、ゼフの居場所を——」


ステラがそう言いかけた、その瞬間。


いつの間にか展開されていた足元の魔法陣が、突然白く光った。


「……っ!?」


眩しさに目を閉じる間もなく、世界がひっくり返る感覚。

風が巻き起こり、音が遠ざかり——


次に目を開けた時、そこはもう別の場所だった。


高い天井。

赤い絨毯。

並ぶ柱と、奥にそびえる玉座。


「……ここは……」


玉座の間。


その中央、玉座には——シリウスが静かに座っていた。

そして、その少し後ろ、控えるように立つアルドラ。


さらに。


玉座の前、シリウスより少し低い位置。


「……ゼフ……!」


ステラの声が震える。


そこに立っていたのは、間違いなくゼフだった。


けれど、いつもの優しい瞳じゃない。

焦点の合わない、虚ろな目。

感情の色が、ほとんど感じられない。


それでも——


ゼフは、ステラの方を見た。


ほんの一瞬だけ、何かを思い出すように、目を細める。


「……ゼフ……聞こえる……?」


一歩、踏み出そうとした瞬間。


「っ……!」


体が、動かない。


後ろを見ると、リオネルたち全員が、見えない鎖に縛られたように拘束されていた。


「拘束魔法……!」


「くっ、動けねぇ……!」


アルドラが、淡々と告げる。


「逃げ場はない。

 ここは、君たちのために用意した舞台なのだから」


シリウスが、玉座からゆっくりと立ち上がる。


「……ゼフィロス。彼女を——ステラを、止めろ」


次の瞬間。


ゼフの足元に、風が渦を巻く。


鋭く、冷たい魔力が集まり——


刃の形を成していく。


「……っ、やめて! ゼフ!」


叫ぶステラの声に、ゼフの指がわずかに震える。


けれど、その震えもすぐに押さえ込まれ、風の刃が形成されていく。


虚ろな瞳のまま。


それでも、確かにステラを見つめながら——


ゼフは、風の刃を、彼女へ向けた。

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