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ヒトとキツネの異世界黙示録  作者: 遊戯九尾
最終章 終わり、始まる世界
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光溢れ、始まる世界

 永戸と神癒奈が戦いを終えた頃、天界の景色はめくるめくように変わっていた。


「…わぁ…綺麗」


 コリーが、見える景色を見て、ポツリと呟く。崩壊した天界が光に溢れ、元の姿へと戻っていっていたのだ。


「神癒奈さんのおかげで、世界が元の姿へと修正されつつあります。影に飲み込まれた人も、死んでしまった人も、じきに復活するでしょう」


 怪我をしたところを押さえながら、フィアネリスはそう言う。


「じゃあじゃあ、きりちゃん達は、勝ったってことっすよね⁉︎」

「ああ、そうね、全ての生き物の命が、首の皮一枚で繋がったんだわ」


 わーいとはしゃぐ桐枝と、呆れるように空を見るリオーネ。


「ミッションは達成、これで、私たちの日常も、帰ってくるのですね…」

「あぁ、きっと、また厄介な仕事に追われる毎日が来るぞ」


 友人が成し遂げたことを誇らしく思うエイルと、やれやれとしつつも嬉しく思うライ。


「……これほどまでの偉業…歴史には残らないとは思うが、だが…我々は見事に成し遂げた」


 ユリウスが、空から落ちてくる大きな光を見て、そう言う。


「さぁ、2人を迎えに行こうじゃないか、世界を救った立役者の2人を」

『はいっ!』


 そうして、光が落ちてくる場所へ、四課のメンバーは集まっていく。

 四課が光の真下にたどり着くと光の膜が消え、そこから、英雄の2人が出てきた


「皆さーん!」

「みんな!」


 ゆっくりと降りてくるふたりを、四課のメンバーは優しく受け止めた。


「ただいま! 皆さん!」

「あぁ、ただいま」


 二人がそう言うと、四課の全員は、にっこりと笑いたった一つの言葉で返した。


『お帰りなさい!』


 ーーー


 いつもの朝がまた始まる。目覚ましのアラートで目を覚まし、緩やかな気分で朝を迎える。歯を磨き、髪を整え、適当な朝食を済ましながらテレビを見る。


 《今日の天気は晴れ、綺麗な青空が見えるでしょう、ピクニックにはちょうどいい1日になりそうです。都市の各部に住んでいる方々は、事件に巻き込まれないよう気をつけながら、今日も一日、楽しんでください》


 爽やかなお天気お姉さんの天気の放送を聞くと、他愛もないニュースが流れる。

 食事を終え、食器を洗うと、いつもの仕事用の服を着る。

 もうだいぶ着慣れた服装だが、いつでもピシッとちゃんと着れると思うと、微笑ましく感じる。


「準備はいいか?」

「うん、ボクの方はいいよ」

「ええ、神癒奈さんの方は?」

「私も大丈夫です! では、行きましょう!」


 外に出て、家の鍵を閉め、今日も喧騒が激しい都市の街を歩く。歩いていれば後ろで銃撃戦は起きるし、手前の銀行で爆発が起き、あっという間にきた警察が事件を解決する。こんな日常にはもう慣れた。


「じゃ、ボクこっちだから、ここで別れるね」

「はい、気をつけてくださいね」


 家族の一人と別れ三人でいつもの職場へと向かう。ちょっと前まではこの道を必死に駆け回ってたような気がするが、気がつけば、また元通りの道になっていて、歩くだけで十分な道になっていた。

 そうして職場に辿り着き、エレベーターに乗っては自分たちのオフィスへと向かう。途中に会う人達が避けるように歩くがこう見られるのも慣れた、むしろ堂々と廊下を歩けていい気分かもしれない。

 そして、自分たちのオフィスにつくと、扉を開けて中に入った。


「おはようございます!」

「うむ、おはよう神癒奈君」

「おはようございます、課長」

「永戸君もフィアネリス君もおはよう」


 また今日も、いつものように忙しいような、暇をするような日が始まる。この、個性豊かで共に戦う仲間達と一緒に。




 そして、狐の少女の指と、男の首のドッグタグのチェーンには、同じ形をした指輪がついていた…。

ご拝読、ありがとうございました! これにて、「ヒトとキツネの異世界黙示録」は一つの区切りとなります。でも、まだまだストーリーは続きますし、外伝となる「ボクの異世界黙示録」があるので、どうか、まだまだ永戸と神癒奈達の旅を見て行ってください!

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