表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後まで、Yes。  作者: 上之下 皐月
13/158

第一章 四月その12

カーリングシミュレーションで黒崎諒に勝負を挑むが案の定、完膚なきまでに叩きのめされ、僕はため息をつく。

「そもそもどこにストーンを投げればいいのか分かりません」

野山先輩にタブレットPCを返しながら言う。

「全ての成長は己の身の丈を知ってから始まる。自分に戦術の知識が全くないってことが分かった。一歩前進じゃないか?」

野山先輩がくくくっと笑う。

「例え司令塔役のスキップでなくても、戦術の理解はないとね。強いスポーツチームはなんであれ各自が戦術と役割を理解しているだろう?」

と、黒崎。

…確かに。チームプレーの中で何が嫌われるか。例えばチームの成績を顧みずに自分の成績のみ固執すること。それを言っているのかな?

「時間を見つけていろいろな試合の動画を見てみな?ただし、このショットすげー!って見るんじゃなくて。自分ならどうするか?画面の中に入って考えながら、ね」

言うとふわわ、とあくびをして、キャスケットをさらに深く被り、野山先輩は寝てしまった。

本当に変わった人だ。

僕と黒崎は連れ立って教室に向かった。

黒崎がおもむろに僕の顔を見てニヤリと笑う。

「ハナさん…野山先輩はかなり変わってるけど、教えるのは上手なんだ」

「旭先輩も同じこと言ってたな」

そして突然、黒崎は軽くローキックを僕の足に向けて放つ。

「痛って!」

実際大して痛くないのだが驚いて僕は思わず叫ぶ。

「…それに、気に入った相手にしか熱心に教えない」

からかうような、瞳が眼鏡の下からこちらを見ている。

僕も負けずに蹴り返す。

「シミュレーションのお返しだ」

野山先輩が見たら、きっと邪悪な笑みを見せるだろう。

そんなやり取りで黒崎との関係は決まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ