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最後まで、Yes。  作者: 上之下 皐月
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第一章 四月その11

カーリング部として初めて活動してから何日か経った頃。

僕は購買部で購入したパンを持ち部室に向かう。

クラスで友達が少ない(いない)僕は、食事する場所に困り部室を選んだのだった。

『友利も来てるって言ってたし、部室使っていいみたいだし…』

がちゃり、と男子カーリング部の部室のドアを開けると中には何人か先客がいた。

友利と、同じ一年生の男子数名、そして…。

「なんで男子の部室に野山先輩がいるんですか?」

「気にしない」

相変わらずのキャスケット(今日はベージュ)にヘッドフォン、タブレットPCという出で立ち。

この高校は携帯持ち込みOK、緊急時以外使用禁止という校則だから持ち込みは大丈夫なのだが。

「…またカードゲームですか?」

「いや、違う。キミもやってみな。黒崎(コイツ)じゃあ勝負にならないな」

と、野山先輩がタブレットPCを僕に渡す。

そこには一目でカーリングと分かる画面が表示されていた。

「カーリングゲーム…ですか?」

「いや、カーリングシミュレーションかな」

「…はぁ」

そこで黒崎と呼ばれた男子が自分の携帯から顔を上げてこちらを見る。

「僕のショット成功率の設定が低すぎませんか」

「いやそんなもんだろう?」

黒崎と目が合う。

「森島君だよな?…同じクラスの」

「…わへいの方は心当たりないみたいだぞ?」

どうやら同じクラスらしいのだが…そういえばいたかもしれない。

「あ、ごめん。僕は森島和平」

黒崎諒(くろさきりょう)同じクラスだ。覚えてくれよな?」

いかにも優等生といった眼鏡をかけた、同性の僕から見ても整った顔立ちだった。

「まぁ遊びみたいなものだけど、戦術の勉強にはなるから。やってみないか?」

と、黒崎。

野山先輩のタブレットPCを受け取りシミュレーションを始める。

「こういうのもあるんですね」

「まぁ、うちのような弱小カーリング部だとカーリング場にもそんなに行けないから、ね。部活動として取り入れてるのさ┐(´д`)┌」

そういえばカーリング場で練習出来るのは週に二日間のみ。

それ以外はフィジカルトレーニングや戦術の勉強を部室や体育館でやっていた。

「それじゃ先攻後攻じゃんけん」

僕が後攻、黒崎が先攻でシミュレーションが始まる。

「お願いします」

黒崎が握手を求めてくる。

ふっ、と微笑んだ顔が印象的だった。






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