8-⑰ 魔狼ちゃんたち
さて魔狼ちゃんたちである。
300頭から四国の初戦で700頭までメンバーが増えた。
うーん。どうしたものか。
これ今後も毎回増えるんだよな……。
みんなかわいいし強いからいいんだけどさ。
ごはんもコピーでどうにでもなるけとさ。
リル曰く、半神の眷属である恩恵でなんか特別個体も増えてるらしい。
ほとんどが言葉をなんとなく理解していて、半分くらいが完璧に人語を理解できており、さらにその半分くらいは話せるようになりつつあるらしい。
あー、魔狼ちゃんで独立部隊作れるな。
中隊とか大隊どころのレベルじゃないけどな。
その数ももちろんだけど、なにより個々の戦闘能力もハンパないし。
とんでもない部隊になるよなあ。
でもかわいいからな。
積極的に戦いに出したくない。
と、そんな事を言ったらリルに怒られた。
「みんなたたかうために生まれたんだよ、あるじ」
……だそうだ。
リーダーからも「主のために、殿のために戦うのが我らの願いですぞ」と言われてしまった。
とりあえず時間があるときは魔狼ちゃんたちともたくさん遊ぶことにしよう。
一緒にいれば私から半神の恩恵があげられるんだ。
ひとりもケガしてほしくないし、強くなれるならそれはなによりの事なんだからな!
そう思ってその日1日、庭で全力で遊んだら次の日にみんな神僕になってた。
洩れなくみんな話せるようになって、角隠しもできるようになってた。
「なあリーダー、これもしかしたらいつか人化までできる子が出てくるんじゃないか?」
「主、何をおっしゃります。そんなの当たり前ですぞ」
そう言ってリーダーはいきなり人化した。
「え………えーーー!!! リーダー人化できたの!?」
「はい。神僕になってからしばらくしたら普通に」
「言えよ!」
「いや別に人化する必要もありませんでしたので。言ったほうがよろしかったですかな」
「もちろんだ! すごいじゃないか!!」
すごいぜリーダー!
なんかダンディなイケオジだし!
「これならいつでもみんなと一緒に出かけられるじゃん。もう留守番しなくていいんだぞ」
「なんですと!? 人化できれば主や殿と離れなくていいのですか!?」
「え、いやそりゃそうだろ。ペットが一緒に入れない場所のほうが多いしさ」
「なんたること! 迂闊でありました……いや、なんと間抜けなことか。我らにとって主や殿に常にお側に付き従えないのは悔しい限りでしたが……そうでしたか! 人化できれば!! もうずっとお側に居られるのですね!!」
「え、いやそんな大ごとでもなくて……」
「主、新たな教えをありがとうございます。うーむ、こうはしておれん! では主、失礼します!」
そう言うとリーダーは庭に駆け出し、群れを集合させた。
「聞けぃ! 皆の者よ! 新たな命であるぞ! 人化ができるようになれば主や殿、そして奥方様やお仲間の皆様のお側に仕える資格を頂戴できるとのお許しを頂けたぞ!」
「うおおおおおおおおおおおーーーん!!!」
いやちょっと待て。
「我らは主と殿のお側に付き従うことこそが人生の喜び! これまでよく我慢した! 人化にそこまでの価値があることを知らなかった我の失態だ。どうか許してくれ! だがもうこれからは大丈夫だ! 人化すればいいだけのことだ!!」
「うおおおおおおおおおおおーーーん!!!」
なんかいかんぞ。
たぶんこれ、大変なことになったよな。
突然の騒ぎに家からファミリーが集まってくる。
「なんだ?/なんかあったの?」
「なんか盛り上がってるね」
「いや実はさ…………」
「えー、リーダーすごいじゃん」
「みんながんばるだろうな/コツを教えてやるか」
その日から魔狼ちゃんたちは人化訓練を始めた。
朝から晩まで、いや朝から朝まで。
―――そして1週間後。
庭には人化した700人の男女、子どもが整列していた。
女神が揃え与えたユニフォームを身をまとって。
リーダーは総執事長。
その一歩後ろに執事長とメイド長が10人。
さらに後ろにはずらりと執事、メイド、ボーイが並ぶ。
「お待たせしました! 主! 殿! そして奥様方! お仲間の皆様方! 我ら一族、これより全力で皆様にお仕えいたしますぞ!! 命ある限り!!!」
「命ある限り!!!」(×計699)
うーん。
えらいことになりましたぞ。




