8-⑮ 四国初戦の作戦会議
シシ隊と田城副長官、花田くんを連れて山岳ベースへ転移する。
「どわっ、またえらい作り込みましたなあ。無人島基地より火力がどえらいあがってますやんこれ」
「やっぱり? なんか心配になってあるこれ足していったらこんなになっちゃったんだよね」
「すごいな、これコントロールできるのかな」
「さすが勇者シシ」
「私を守るために?」
「私が心配で?」
「神様……」
零隊、心配になってきたぞ。
「シシ、これ基地っていうより要塞だろ」
自動迎撃バルカンとシーウスをどんどんつけ足したら見た目もえらいことになった。
うん、自覚してたよ。
「たぶんやけど、ここだけで四国どこでも迎撃できまっせ。間違いなく四国の形、変わると思いますけど」
ちょっと戻すか。
とりあえず元の無人島リゾートの当初装備に戻すことにした。
「これでも過剰火力ですからね。ほんまやりすぎたらあきませんよ」
「わかったよ。気をつけます」
とりあえず基地のなかに移動する。
リビングダイニングではちょうど食事の準備が整ったところだった。
「「姉さん!」」
「おお、来たか/待ってたよ」
「いらっしゃーい」
すっかり5人が仲良しだ。
本当にいつの間にこんなことに???
「卓司……なんだこれ」
「なんか最初の顔合わせの時に意気投合したみたいですよ」
「神眼テストか?」
「追加でテストやるってふたりだけ別室に連れていきましたから。帰ってきたときにはもう姉妹みたいに仲良しになってましたよ」
「まじか」
なんかアオイの時に似てるけど。
背景が違いすぎるだろ。
こっちにはなんの思い入れもないぞ。
「シシ、ちょっと来い/ショウ、話がある」
「シシさんおいでー」
木花、咲那とアオイに呼ばれる。
ウメとホシも恥ずかしそうに立っている。
「……なに」
「ウメとホシは愛人になったぞ/彼女だよ」
「だーかーらー!! なんで勝手に!!」
「ショウへの想いが本物だから/ああ、人類最強レベルだぞ」
「はあ?」
「シシのファンなんて1億人はいるよね」
「知らんけど……まあ卓司の件とバスケと野球で有名にはなったな」
「ウメとホシはその一億人の1位と2位だと思っていいよ」
「私たちの神眼は『シシへの想い』に最も反応する/ふたりは比較にならない次元だ」
「私たちレベルだよ」
いや3人にそう言われるとなんか説得力あるけど。
「でもふたりのことを全然知らないんだよ」
「これからゆっくり知ればいいよ」
「絆ができるのは間違いはないけどな/うん、確定だよ」
「いやそう言われてもさあ」
「知らん決定だ/ふたりをよろしくね」
「私たち3人はそのつもりで向き合うから」
「「シシ様、宜しくお願いいたします♥♥」」
なんかいきなり愛人がふたりも増えた(増やされた)。
田城さんと卓司はなんか笑い転げてるし。
「いいなあ、オレも勇者の弟枠とかないかなあ」
「あー、オレも神様の下僕枠がいい」
「シシ隊の秩序が……いやここはオレがしっかりと公私の区別を維持しなければ。出来る、オレなら出来るぞ。頑張れオレ」
隣では残りのシシ隊が愚痴っていた。
なんだこれ。
―――――――
とりあえず今夜の歪みだ。
一旦この件は忘れて作戦だな。
みんなで食事を食べながら作戦を再確認する。
「ファミリーはいつも通りの組み合わせな。木花・咲那は一番濃い中心点からそのあとは適時判断で動く。リルとリーダーは魔狼を従えたら暴れてよし。アオイはラビと一緒に組むこと。卓司は魔狼ちゃん率いてガンガンよろしく」
ファミリーはいつものシンプルプランだ。
今回はシシ隊だな。
「まずヤマとカイだ」
「「はっ!」」
「司令部で迎撃システムを任せる。モンスターの配置を見ながら全体をコントロールしてくれ」
「本当に自動迎撃は誤射の心配はないんですよね?」
「大丈夫や。味方の識別信号をプログラムしてあるから安心してええで」
「そのあたり慣れる出来るまでは起動するシステム数は押さえていい。そもそも過剰戦力なんだ。花田くんもサポート頼んだぞ。大きな判断は田城副長官の指示に沿ってくれればいい」
「はい!」
「はい!シシ神様!」
「それやめろな。もののけだから」
「はい!神!」
「……次、キヨ」
「ハイ!」
「キヨは基地の屋上から狙撃だ。バリアが効いてるから外からの攻撃は一切届かない。安心しろ」
「は、はい!」
「どの武器がどれくらいの距離でどの程度のダメージを与えられるかテストしてくれ」
「ハイ!勇者シシ様の期待に応えてみせます!」
「それもういいからな」
「データは自動で残るようにモニタリングしてるさかいに気にせんでええで」
「ウメ、ホシ」
「「はい♥♥」」
「……演習では抜きんでたツートップだったと聞いてる。でも初の実戦だ。何が起きるか分からんから気を引き締めてな」
「心配してくれてる♥」
「私が心配なんだね♥」
「…………東と西の空は迎撃システムの対象から空けておく。異世界ヘリの実戦に集中しろ」
「「はい♥♥」」
「……機体はコピーで替えが効く。壊してもなんの問題もないから無理せず何かあれば機体は放棄していい。初戦はオレも空でサポートする」
「やっぱりね♥」
「ありがとう♥」
「だぁーーーーッ!いちいち♥を放り込むな! やめろーーーー!!」
「「照れてる♥♥」」
「ちがーーーう!」
「優しくしろ/優しくね」
「……!」
「どうしましたか、あ、あなた♥」
「彼女だからって遠慮しなくていいんだよ、シ、シシくん♥」
「!!!」
「優しくしろ/優しくね」
「……はぁ。……命を賭けている戦いだ。敵対モンスターとはいえ、相手の命を刈るんだからな。相手も死に物狂いだ。何が起きてもおかしくないんだぞ」
「まあまあ。ゆうても攻撃は全部跳ね返しよるからな。万が一も起きようがないけど。とんでもないドジで堕ちたとて魔石バリアでパラシュートごと守られるから安心してええで」
「…………えー、世界を守る仕事だからな。公私の切り替えはきちんとしてください」
「「はい♥♥」」
本筋とは関係ないところで疲れた。
大丈夫なのかこれ。




