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8-8 天才は関西弁



なんかキツめの関西弁を使う自衛官がやってきた。


花川くんといい天才科学者には話し口調のクセが強くないといけないルールでもあるのか???

なんか名前も似てるし。

イケメンなのが残念に追い打ちをかけるよな。


「花田、よく来た」


「どうだ? シシくん」


いや、関西弁強すぎるけどいい音色ですよ。

関西弁強すぎるけど。うん。2回思った。


「はい、大丈夫です。……花田さん、獅子川です。どうぞ宜しくお願いします」


「おおー、シシやんか! なんでこんなところにおるんですか? うわ、アオイちゃんもおるやんか! ええ! 野村卓司!? スーパースター軍団やん。およよ、なんやどえらいべっぴんさんもおるやんか。なんやこれ!」


いや、お前がなんやこれやで。

ほんまにきっつい関西弁ですなあ。


「花田! 新組織の発令を知らんのか!」


「すんません、研究がえらい盛り上がってまして一昨日からニュース見るどこか寝てませんのや」


めちゃくちゃだな。

とりあえずポーション飲ませようか。

もうタメ口でいいよな。


「疲れてるだろ。これ飲んでみな」


「うわっなんやこれ! これどないなってるんです? ちょっと成分調べさせてもらってもええですやろか」


「待て待て。先に話を聞きなさい」


「いやそもそもあれどっから出したんです? あーっもしかしてマジックでっか? いやそれにしても……」


花田さんは隣室に強制的に拉致されていった。



「………クセ強でしたね」


「すみません。自衛官らしからぬ性格のやつで」

「ですが技術は本物ですよ。とんでもない発明を量産してるんです」


「その気になればノーベル賞も間違いないそうだ。噂だがな」

「本人が全くその辺には興味がなくてな。論文も書かんし異端児だよ」


「「でも天才なんです」」



しばらくして花田くんが転がり込んできた。

文字通りだ。転がってきたよ。


「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ! ほんまにえらいことですやん! はよ異世界のモン見せてください! あと魔法! 魔法もはよみせてんか!」


えーい。騒がしい!


―――――――


とりあえず渡したマジックボックスとモンモニをいじり倒してから花田くんは呟いた。


「あきまへん。もうボクは二度と眠れませんわ」


「いやだめだろ。死ぬぞ」


「さっきの栄養剤みたいなんもろたら大丈夫でしょ」


「ダメだよ。身体壊すぞ」


「ちょっと次はなに貸してくれますん?」


「ちゃんと寝ろ。じゃなきゃなんにも貸さない」


「それは勘弁してえな。わかりましたよ。ほなこのあと寝ますからなんかひとつ貸してくださいな」


こいつ絶対寝ないな。うん。魔法クリエイトだ。


(スリープ)


糸が切れたように花田くんは落ちた。


ついでにアオイにヒールもかけさせたから完璧だな。

それから作戦会議に移行して6時間。

花田くんを起こすことにした。


「ぬあっ! 何が起きたんや。あぁーっ!!! 6時間も過ぎてますやんか! 勿体ないことした!」


「次から徹夜したら強制睡眠させるからな」


「だぁーーっ! さては魔法やな。見たかったなあ魔法。えらい損したわ」


まあとりあえずは寝かせたし。

今日はしっかり働いてもらうか。


「花田には装備班を担当してもらう」


隊長からの指示を聞いた花田くんは飛び上がって喜んだ。


「ほんまにありがとうごさいます! 全身全霊、粉骨砕身、不眠不休で勤めさしてもらいますわ!」


あかんやろ。


だが実際、花田くんの実力は凄まじかった。


即座に魔素の原子を見つけ出し、その日のうちに濃度の増幅装置を作り上げた。

それにより魔弾を人間の力で作るメドがたった。

いやコピーのほうが圧倒的に速いんだがまあそれはそれだな。

私が不在となっても対応できるのだからこれは大きい。


で、気づいたら次の日にはクリエイトのスキルを身につけていた。


対応力ありすぎだろ!

魔法の類いは全く使えないので、まさしく研究に全振りした結果だったようだ。


ツバメ世界からの装備品なんて一式すべてをすぐに理解し、的確なアドバイスで説明書以上の利用法を発見した。

おかげで演習も捗り、初期装備はすんなり決定となったのだ。


ポリカーボネートは小さな盾として背中に装着し、ボタンひとつで前面への瞬間装備ができるようにしたいそうだ。

なんの原理だよ。


そのあとはポリカーボネート素材を使った伸縮自在の警棒を開発するらしい。

うん、それって如意棒だよな。

ちょっと欲しいので頼んでおいた。

楽しみだな!


さらにはマジックボックスの原理を応用して物質の転送装置を作りたいといっていた。

まあマジックボックスもスキルではなく魔法袋としてならいくらでも増やせるんだが。

これが成功すれば主に自衛隊の装備や人員の転移代わりに使えそうだ。


こりゃそのうちツバメ世界への転移装置も作りそうだな。

花川くんとどっちが先か気になるところだ。



一方、私の方では瀬戸内海の本部作りを進めていた。


やはり瀬戸内の無人島リゾートはみんなの意向で家族専用となった。

代わりに周辺の大きな島を政府が購入し、そこを秘密裏に危機管理対策室の本部にすることが決定した。


たまたまだったが、呉が近くにあったので効率よく機能ができるとのことだ。


花田くんとも相談しながらなのでかなり本格的な秘密基地が完成しそうだ。


うーん。

これ、たぶんだけど自衛隊だけでも四国を守れるかもしれないな。

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