8-4 ファミリー会議
家入さんとの会談を終え、私たちはそのまま無人島リゾートへ転移して戻った。
「おかえりなさい! みんなお疲れさま」
「おかえりー」
ライブを見たあと、島に直帰していた卓司とラビが出迎えてくれた。
「ただいま。ラビのお守りありがとうな」
「おとんおかえりー。たくじとたくさんあそんだよ」
「やっぱりおとんなんだな」
「で、どうでした?」
「大臣はクズだったけど信頼できる仲間が政府筋にできたよ」
「まじすか。大臣クズなんだ。でも代わりの味方ができたならそれは何よりですね!」
すぐに腹ペコ女神たちが騒ぎ出した。
「おなかすいたぞ/たしかにです」
「あー! 結局お店でも何も食べてない!」
「あるじごはん!」
「ごはんー」
「こはんごはん♪」
「夜食にと思っておにぎりなら作ってありますよ!」
「「「「「やったー!」」」」」
卓司が用意してくれていたおにぎりをみんなでいただく。
追加で手っ取り早いバーベキューもしながら楽しく食事をとった。
お米も追加で炊いて焼きおにぎりにした。
バーベキューのタレ塗りながらの焼おに、最高だ。
あとで神界にも送っておこう。
食べながら今日のことを卓司にも伝える。
「へえ。国にもそんな対策チームがあったんですね」
「あくまで危険な未確認生物としてだけどな。世界でも周知されているらしい」
「異世界からの迷子のモンスターなんて答えには驚いただろうな」
「いや、これまでに駆除してきたのが明らかにファンタジー世界の生物に酷似してたからむしろ合点がいったみたいだぞ」
「駆除した遺体を研究するチームもあるそうだよ」
「なんで発表しなかったんですかね」
「当時のアメリカ大統領の判断だったそうだ」
「UFOみたいな扱いなのかな」
「宇宙人はいるぞ/幽霊もいるよ」
木花、咲那、すごいことさらりと言ったな。
まあ私もUFOらしきものは見たことあるし霊的な不思議体験はしたことがあるけどな。
「まあ江戸時代なんかは妖怪とか呪術みたいなものがあったなんていう説もあるしなあ」
「意外とそれも本当なのかもね。伝承はいっぱいあるよね」
「少なくなったようだけど魔素はずっとあるからな/昔はこの世界の人間も魔法を使えてたらしいよ」
「この世界は科学技術のほうが発展していったんだね♪」
「異世界はその逆だ/科学技術は発展してない」
「異世界転生ものが流行るわけだ。かつて当たり前だった世界の話ならどこかで親和性を感じていたのかもな」
「選んだ方向が違うだけだ/神もいるって信じてるんでしょ」
「言われてみればな。かつて本当にあったことが薄れてただけのことか」
「動物とモンスターも発見されてるか発見されてないかの違いだけだね。実際へんな生き物だってたくさんいるし。異世界と同じ生き物だっているよね、きっと」
「たくさんいるよー」
「ちょっとちがうだけー」
たしかにな。
フェンリルもホーンラビットもベースは犬とウサギだ。
「なんか異世界も楽しそうな感じだな。リルとラビのいた世界だもんな。いつか行ってみたいな、異世界」
ん。いかんな。
これがフラグというやつか。
「ということでやることに変わりはない。オレたちは四国を重点的にしつつ、自然の歪みにも対応していく」
「攻撃が本格化した時の特殊部隊との連携をどのようにするかはまた協議だな」
「住民退避を自衛隊に任せられるのは大きいですね」
「そのあたり含めて近いうちに総理に会うことになる」
「おー、すごいな」
「でもまあ、日常の中に卓司とアオイがいる時点であんまり驚かないというか。世間にしたらとんでもない日常だからな」
「それを言うならシシもな」
「確かに」
「女神がいるのはもっとヤバいですけどね」
「でも今夜のアオイは凄かったよ/感動した。神界にも聴かせたかった」
「あるじ泣いてたよー」
「な! 何言ってるんだ。泣いてないぞ」
「おとん泣いてたよー」
「ぐっ」
「嬉しいなあ。シシさんそんなに感動してくれたんだ」
「むぅ。まあいいか。……感動したよ。アオイの歌はすごかった」
「なんなんだろうね。魂に刺さるっていうか」
「褒めすぎだよー! でも嬉しいな」
そう言ってアオイは抱きついてくる。
なんかいつもより嬉しいぞ。
あー、オフィシャルの"みんなのアオイ"を観たからか。
ヤキモチ妬いてたんだな。
今日は……アオイの日だ!
いつもより楽しみだぞ。
「スキルにも反映されてるぞ/あれはすごい武器になる」
調べたら【聖なる癒し】というスキルが増えていた。
対象の全回復だそうな。
パーティー単位で使えるってのはありがたいぞ。
そこに家入さんからのコールが入る。
総理との面会は明日の朝、一番だそうだ。
さすがにこの事態だからな。
セッティングも最速だった。
さてどうなるか。
良縁であることを願うばかりだ。




