7-9 これから
天才科学者の花川くんのプレゼントはとんでもないものばかりだった。
「ほんとにすごいアイテムばかりだなこれ」
「こんな武器が世に出たらパワーバランスは崩壊するな」
「とりあえずはシシさんの言う通り武器は一旦死蔵するしかないですよね。出番がなければいいんだけど」
「武器以外は使えるものばかりだねー」
「いやそうでもないぞアオイ。ほら、ポリカーボネートとか。世に出たらマズイだろ」
「どれどれ……ダメだな。世界の常識が破綻する」
田城社長が説明書を読んで即断。
「でも強いモンスターが出たらめちゃくちゃ有効ですね」
「おおっぴらには使えないけどファミリーには持たせるってところだな」
「ポーション類と緊急バリアは常備することにしよう。なにがあるかわからない。これは倍々コピーでできる限り増やしておくよ」
プレゼントの仕分けを進めていく。
本当にとんでもない発明品ばかりだな。
「これが魔法袋か。本当にただの布袋だな」
田城さんの感想通り。
マジックボックスは見た目はただの黒い布の袋だ。
説明書によるとこれには時間停止機能はなく、あくまで緊急時の連絡や武器や装備を遠距離で使うための簡易版らしい。
内容量も私の持つものとは違い有限。
とはいえ「東京ドームふたつ分くらいはある」とのこと。
十分すぎるぞ。
これもスキルを持ってないファミリーには支給だな。
「ひとまず異世界花火の成功とプレゼントの御礼の手紙を書いて送ってみよう」
異世界花火がちゃんと見れたこと、装備品への驚きとともに御礼を添えた手紙をマジックボックスに入れておく。
「あ、返事来たよ♪」
「早すぎだろ! どれどれ……『次はもっとすごいの送りますからね』だって。止めてくれ」
「で、シシさん、どこから手をつけるの?」
「当然、四国防衛だけど……どうしたものかなあ。今くらいのペースならなんとかなりそうだけどな」
「テスト完了後にどんな規模で攻めてくるのかによるよね」
「田城さん、政治家にツテはありませんか?」
「あるにはある。が、ここまでの話を伝える相手となると……まあ防衛大臣だな」
「マジすか。そんな人にツテかあるんだ」
「アオイやACEが国と関わる仕事をしていたからな。政治家としてはあまりいい話を聞かないし、人となりも保証できない」
「私あんまり好きじゃないかなぁ。こっそりアドレス交換頼まれたんだよね」
「「ダメじゃん」」
「シシのインスピレーションで確かめてからだな」
「神眼ですね」
「どうあれ異世界とモンスターだ。世界の常識を覆すことになる」
「気は進みませんね」
「人の命には代えられないよ。これは国のトップが動くべき案件だ。田城さん、面会をお願いできますか?」
「わかった」
ちょうど点けてあったテレビに国会中継が映った。
チリン、と風鈴の音が鳴った。




