7-8 花火とプレゼント
まもなく深夜0時である。
リルとラビもいつもならとっくに寝ている時間だが今日はがんばって起きている。
無理しなくていいんだぞー。
「まだ調整中だから必ずこの場所に上がるとは限らないらしいんだ。その代わり大きめの花火を上げるとは言っていたけど。みんな見逃さないようにしっかり周りをみておいてくれ。」
やがて深夜0時を迎えた。
さあ、時間だ。
そして唐突に大爆音が鳴り響く。
ドッッッッカーーーーーーーーーーーーン!!!!
とんでもない大爆音である。
そして空一面に大輪の花が咲いた。
文字通りである。
空一面なのだ。
やりすぎだろーーーー!!!!
どうするんだこれ!!
時空を超えていきなり炸裂したし、打ち上げ軌道も見えなかった。
そして花火は空一面を覆うサイズである。
「だーっ! みんな落下傘を探せ! あの爆音だから全国民が気づいて空を見てるぞ。すぐに認識阻害かけて回収しないとヤバい!」
全員で必死に空を探す。
「あるじ! みつけたー! あれ!」
リルが西の空を指差す。
「どこだ? 見えないぞ。あ、あれか!」
花火が収まって暗く戻った空に、真っ黒な落下傘が舞っている。
よし、まず落下傘に認識阻害。
すぐに自身にも認識阻害をかけて空へ飛び出す。
高速飛行で急いで落下傘を回収して拠点に戻る。
「よし」
しかしなんてことをしてくれたんだ。
こりゃ当分世の中が騒ぐぞ。
「ねえ、なんか変だよ」
「ん?」
「SNSもテレビも全然反応してないよ」
「え?」
「あ、本当ですね」
「なにか仕掛けがあったんじゃないか」
「もともと神族にしか見えない聴こえない的なやつ?」
「あー、なるほどな/可能だよ」
「なんだよ驚かすなよ」
「だったらのんびり眺めておきたかったなあ」
「綺麗だったよねー♪」
「デカかったですねえ」
「デカいとかのレベルじゃないだろ」
とりあえずリビングに戻って回収した落下傘をチェックしてみることにした。
大きな落下傘にぶら下がっていたのはミカン箱くらいのコンテナだった。
こちらも不思議素材だ。
めちゃくちゃ軽くそれでいて恐ろしく硬い。
「開けるぞ。……ん? どうやって開けるんだこれ」
黒い箱は全面ツルツルでどこにもとっかかりがない。
「これもなんか神族ならではの仕掛けか」
「神気だろ/魔力とか」
「そっか。誰か当ててみてくれるか」
「シシだと消滅させそうだもんね」
「ウルサイ」
アオイが手を当ててみると、箱が開いた。
中を確かめようと覗いてみると―――
中は拡張されて体育館ほどの巨大倉庫になっていた。
「なるほどそうきたか。ん、蓋に手紙が貼り付いてるな。どれどれ……………なんだーーーっ!?」
手紙にはこう書いてあった。
――――――
前略 シシさまとお仲間の皆様
時空を超えた花火はいかがでしたか?
しっかりお届けできたと思います。
言い忘れましたがこの花火は、神力かあるいはよほど強い魔力を持つ者にしか見えないのでどうぞご安心ください。
この調子で必ず人間サイズの相互転移を成し遂げて見せますのでどうかそれまでがんばってください。
これから皆さんが魔族や悪魔と戦うにあたり、そちらでも必要であろうと思いまして、 こちらでモンスターや魔族、悪魔に有効だった武器や防具をお届けします。
以下目録です。
・魔弾ハンドガン
・魔弾ハンドガン(女性向け)
・魔弾アサルトライフル
・魔弾無反動M2重機関銃
・魔弾無反動ガトリング
・魔弾自動迎撃システム(バルカン)
・魔弾自動迎撃システム(シーウス)
・魔弾各種サイズ
・魔力対応装甲車(拡張機能付)
・魔力対応四輪バイク
・魔力対応ヘリ(武装型)
・魔力対応ヘリ(運搬型/拡張機能付)
・反射/吸収切替式ポリカーボネート素材
・緊急バリア機能付魔石
・ポーション各種
・ナノナノ
・ナノナノエアー
・モンスター図鑑
・花川式光学迷彩素材
・花川式自動素材回収装置「剥ぎ取りくん最終号」
・スマホ(異世界通信用/VRARXR対応)
・ナビィ大好きお菓子セット
・ツバメ英雄神伝記(全20巻セット)
・魔法袋(共有専用)
すべて100セット、説明書付
コピースキルでの事前増産をお勧めします。
その他、拡張機能付のコンテナハウスや超高性能太陽光パネル、燃料(ガソリンほか各種)、水、食料品などの備蓄関係については1番の棚の時間停止機能付の空間拡張コンテナに相当数用意しておきましたのでこちらも適量コピー、増産しておいてください、
なお、異世界相互移動が開通するまでは神界を経由するか、同梱したマジックボックスの共有化による文通にてコンタクトを取ることにしましょう。
それではお互い引き続き宜しくお願いいたします。
敬具
キヨヤマ国科学大臣
花川剛樹
―――――――
「―――だってさ。もうめちゃくちゃだ。みんな、この時点で簡単に世界征服できるぞ」
「できるな/すごいね」
「なにが苛つくって手紙だと普通の口調なところだ」
「「「「「?」」」」」
「わーい、ナビィにもお土産だー♪」
「ナビィ、ちょっと待て。これなんなんだ? めちゃくちゃだろ」
「あっちの戦いは世界規模だったからね♪ 毎日歪みのスポットが増えて、エリアも毎日大きく広がって大変だったんだよー♪ 毎晩世界中に大量のモンスターが湧いてきたからね♫」
「それはきついな」
「ツバメと仲間たちがいろいろ開発して自衛隊と世界軍におすそ分けしてた♪ おかげで途中からは死者ゼロになったんだよー♪」
「聞けば聞くほどすごい人だなあ」
「シシの方がすごいはず/ショウの方が優しいはず」
「で、どうするんだこれ」
「とりあえず武器は今のところ不要だから死蔵させるしかないですよ」
「ハンドガンくらいは持っててもいいのかもなあ」
「いや捕まるぞ」
「ポーションとか防御素材、光学迷彩とかナノナノ的な便利グッズは試してみますか」
「それがいいな」
こうしてとんでもないイベントは終了した。
リルとラビ、眠いのによくがんばりました。
明日からはちゃんと21時には寝るんだぞ。
ここ数話でかなり前作品とシンクロしてきました。
お読みになってない方はお時間ある時にでもぜひお読みいただけたら幸せです!
ゾンビが交ざる新世界までのカウントダウン 〜業界人が気まぐれな神からもらったチート能力で無双しながら現実世界を救う物語
https://ncode.syosetu.com/n0717kl/
前作を読まなくても支障はないように気をつけましたが、読んでいただけたらもう少し面白く読めるかもという感じです。




