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6-⑫ 1987年夏3 またね!



結局、1987年には1週間滞在した。


本当はもっとここに居たかったけれど、この世界のシシ一家が帰省してくるのだ。


「もう行くのか」

「残念ね。でも楽しかったわ」


「私も! とっても幸せでした/本当に! 楽しかったよ!」


「ふたりとも元気で新しい家を楽しんでね。また会いに来るよ!」


おじいちゃん、おばあちゃんとは明るく挨拶が出来た。

いい時間が過ごせたな。

さあその分、帰ったら神さまたちに土下座だ。


そして許されるのなら。


父と母にもまた会いに行きたい。

次はきちんと会いたいんだ。


――――――――


「すみませんでしたーーーー!!!!」


私はいま神界で土下座中である。


今度こそ元の世界の東京の家に無事に戻れたのだが、お詫びの贈り物をしようとしたタイミングでそのまま神界に強制転移させれた。


「事故なのはわかるんじゃがなあ」

「50年近いタイムリープの後始末がどんなに大変かわかるかな?」


「ですよね。本当にごめんなさい。なのでおふたりにはこんなお土産を持って帰ってきました」

 

そう言って差し出したのは大量の美容ケアグッズ。

そしてさらに取り出したるはタッパーウェアだ。

煮物と南蛮漬けやぬか漬けなどなど、おばあちゃんのおいしい手料理盛り合わせだ。

合わせて日本酒も添えてみる。


「許したぞ」

「そもそも怒ってないよ」


早いな! 


「さておきな、お主にはモンスター退治もさせているしな。………まあ気持ちも分かる」


「あのー、父と母にも会いたいし、正月には祖父母のところに帰る約束もしちゃったんです」


「見ていたよ。まあシシはもう半神だしのう。実のところ神の時間移動にはそこまで大きな歪みは発生しないんじゃよ」


「なんだ、よかった! ならいいですか?」


「とはいってもこんなに長いタイムリープから派生する不具合への対応はかなり面倒なんだからな!」


「ですよね。すみません。調子に乗りました」


「いくつかルールがある。まず分かるだろうが極端な歴史改変はするな。それこそ大変なことになる。せいぜい身の回りにとどめておけ」


「それはもちろん。でも大丈夫なんですか? バタフライエフェクトみたいな感じ……その後の未来への影響なんかは?」


「神の成すことだからな。よほどの改変じゃない限りだいたいは私の範疇でなんとか収まるだろう。ごく近しい人間との接触にとどめておけ。分かっているだろうが……人の生死に関わるのは無しだ。全員は救えないからな。辛いことになる。それに別れもまた必要なことなんだよ」


「……わかりました」


「あとは過去の自分にはなるべく接触するな。過去の自分と未来の自分が出会ったその時点で何が起きてもおかしくない」


「そうなんですね」


「時空をまたいだ当人同士の同一世界での接触は危険なんじゃよ。半神のシシには影響はない。普通の人間である過去のシシにどんな影響を及ぼすかがわからんのじゃ」


「そうなんだ。京都の実家は難しいかもなあ」


「まあそこはな。私が言うのもなんだが、子どもにも修学旅行とかあるだろうし。それにおぬしの家はよく子どもだけで実家に帰省していたようだからなんとかなるだろうよ」


「そっか。そこに合わせて飛べばいいのか! ありがとう時空神さま、創造神さま!!」


「英雄神がおらんしな。最強神のひとりであるシシにはもっと働いてほしいもんじゃからな。ギブ・アンド・テイクとしておこう」


「お土産もしっかり頼んだよ」

「それが大事じゃ!!!」


―――――――


こうして神界から現実世界へ。

今度は最初のタイムリープをした直後の京都リゾートへと帰還する。


みんなの特訓は順調なようだ。


「あー、おかえりー。心配したよ」

「里帰りは楽しかったかな♪」

「あるじをひとりにしちゃった。ごめんなさい」

「おみやげある?」


「なんでみんなわかってるんだ?? 戻ったのはタイムリープした直後のはずなんだけど」


携帯で時間を見ながら不思議に思ったことを口にする。


「半神と神獣に対しては巻き戻しても前の記憶は引き継がれるよ♪」


「てことはみんなにはオレが消えてた3日分の記憶があるってことか」


「そうだよ。大変だったんだからね」

「みんなであるじさがした」

「いなかった」


「そっか、心配かけてごめんな」


いくら探しても見つからないので、ナビィに神界へ手紙を届けてもらってようやく過去に飛んだ事が分かったそうだ。

タイムリープできる木花と咲那が代表で迎えに来たということらしい。


「しっかり魔力と魔法を勉強するよ」


「アオイもこういう時に動けるように早く魔法をたくさん使えるようになるよ。練習がんばるね」


アオイは真剣な顔でそう告げてきた。

性格からして私のピンチに助けに行けないことがかなり悔しかったのだろう。


その後の修行の結果――――。

アオイは多くの攻撃魔法とともに、しっかりとタイムリープを覚えたのだった。


「これでもう留守番なんて絶対にしないからね! モンスター退治にも過去にも、シシさんの行くところにはアオイも全部ついていくから!」


うん。がんばったんだな。

ありがとうな!

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