6-7 魔狼軍団
魔狼10匹が仲間になった。
リルに従いつつ、その主であるオレ、そしてオレの家族に絶対服従を誓うのだとか。
このまま放置するわけにもいかないし、とりあえず京都リゾートまで転移で連れていくことにした。
魔狼たちには庭でくつろいでもらってまずは家族会議を行う。
「気持ちは嬉しいけどさ。これは無理があるだろ」
「ライオンくらいかな。リルの通常サイズくらいだねえ……」
「そうか? こんなもんだろ/懐くとかわいいね」
「忠誠心は本物♪ 人に迷惑はかけないと思うよ♫」
「でもなあ。てかごはんは? えらい量が必要なんじゃないのか」
「お金もかかりそうだねー」
「それはなんとでもなる/コピーすればいい」
「「「なるほど」」」
「あるじー、ともだちにしてあげてー」
「わんわんかわいいー」
なんとかしてあげたいけどな。
てかもはや退治できないし放置もできんからな。
なんとかするしかない。
「認識阻害をかけっぱなしにするか?」
「写真に写ったらアウトだよ」
「あーね」
「普通に連れて帰ればいいだろ/みんな驚いちゃうかなあ」
「驚くレベルじゃないぞ。ツノ生えてるからな」
「そこはこう、ファッションって言い張るとかさ」
「アオイ、その前にデカすぎるし。リーダーなんてライオンどころのサイズじゃない」
京都リゾートに置き去りっていうのも可哀想だ。
なんとかしてやりたい。
まあ本人たちとも相談してみるか。
「リル、リーダー呼んでくれるか」
「リーダーおいでー」
「ウォーン!」
その瞬間、リルと魔狼のリーダーが白い光に包まれる。
「な!?」
「絆だ/絆だね」
「はやーい♪」
「やったー!」
「いくらなんでも早すぎないか!? それにリーダーって名前じゃないぞ」
「まあそんなのリルとリーダーにはわからないよね」
「「それはそう」」
「名前だと思って呼んで、名前だと思って返事したんだもんねー♪」
もはやなんでもありだな。
まあ絆が結べたのはいいことだ。
「よかったな。リーダー。おめでとう」
走ってきたリーダーの頭を撫でながら声をかける。
リーダーも嬉しそうにスリスリしてくる。
これはかわいいな。
なんとかしてやりたいものだ。
しばらく頭を撫でていると――。
「「あーーーー!!!!」」
突然、木花と咲那が声を上げる。
「リーダーが!!/神僕になってるーー!!」
「「!?」」
「神僕、かみのしもべだよー♪ こんなことありえないよー♪ これまたやらかしたねー♫」
「いやそんな事言われても」
「ついこないだホーンラビットを神獣にしたよなあ/今度は神僕か。忙しいねー」
「神様たちももう呆れてそうだね♪」
―――――――
実際、呆れていた。
「前代未聞が続きすぎじゃ。もう驚かんよ」
「無意識に神の領域にどんどん踏み込んでるわ」
「ワハハハ! さすがはリルの主だな!」
―――――――
結局、リーダー以外の魔狼たちも神僕となり、みんなその日のうちにサイズ変更まで出来るようになったので宮古島のホームまで連れて帰ることにした。
次の日にはリーダーは喋れるようになり、角隠しは全員が覚えたので、ちょっとばかりたくさん犬を飼っている家として成立したのであった。
神僕となった魔狼ちゃんたちはみんな柴犬サイズになってもらった。
リーダーだけは大きめ……土佐犬くらいのサイズとなっている。
お散歩は人化したリルが担当だ。
大人もひとり付いて行くことにしている。
大型犬にまたがって9匹を連れた幼児の散歩はなかなか目立つので、宮古島では近所の名物のひとつになりつつあるらしい。
なお、まったく不要なのだが周囲を不安にしないために一応リードは付いている。
「なかなか大所帯になったね」
「そうだなあ。ちょっと卓司に隣の土地も買えないか聞いてみよう」
「拡張の魔法使ってみたらー♪」
「なにそれ」
「なるほどね/シシやってみろ」
「なにやればいいんだ?」
「マジックボックスと同じだよ♪ 外からみたサイズは同じだけど空間魔法で中を広げるんだよ♪」
「えー、そんなことできるのか」
「魔法はイメージだよ/やってみろ」
とりあえず中身だけ広がれーと念じてみる、
すると周りの空間が歪み、一気に庭が広がった。
「おー♪」
「できたじゃん/できたねー」
「わー! シシさんすごい!」
外に出てみたが見た目は確かに変わってない、
だが中身の広さは全然違う。
野球ができそうな庭が広がっていた。
「これは便利だな! 魔狼ちゃんたちの家も建てられそうだ!」
ついでにさらに奥にスペースを広げて、大きな池を作りボートも浮かべた。
海にも今までと変わらずすぐ出られるように直通でビーチに出られるルートは残しておく。
女神たちのリクエストで流れるプールも制作。
ちょっとした大型リゾートホテルが完成したのだった。




