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6-2 異変



アラートは唐突に鳴った。


いつもとは違う特殊音。

すぐに歪みのサインだと気づいた私はモンモニを収納から取り出してみる。


サインは京都を示しているようだ。

私の両親の家があるので転移が使える。

想定モンスターは不明。


「行ってみるしかないか」


そう言った時には隣にすっとリルが並んだ。

木花と咲那も立ち上がり、アオイが当然のように私の腕を取る。

ナビィは肩に乗ってきた。


「まずはひとりで――」

「だめだよー」

「一緒に行く/当然だ」

「まかせてねーあるじ」

「信用していいんじゃない♪」


うーん。

ひとりで転移しても木花と咲那なら私をサーチして追いかけてきたりできそうだな。

仕方ないか。


この力を解放したら守れる自信もある。


「ありがとう。じゃあみんなで行くか」


覚悟を決めて全員で転移をした。


イメージした転移先は小学校の通学路。

少し前に兄が写真を送ってきてくれたから簡単にイメージできた。

遠くに見える景色は開発で変わったが、田んぼや畑を縫うような通学路は変わらず残っていた。


すぐにタンドラを出してみんなで乗り込む。

歪みが起きるのは深夜0時のようだ。

まだ余裕はあるが出現場所がどんな場所なのか下調べしておく必要がある。


マップによるとこれは市内の山の方。

いきなりモンスターとの市街戦などにはなりそうにない。

とりあえずはよかった。


クルマを走らせているとアオイが声をかけてくる。


「私は仕事でシシさんと離れていることも多いと思う。全部に付いていけるとは思ってないよ」


「ああ」


「だから私が行けないときでもこういうミッションをするときは必ず連絡だけはしてほしい。約束して」


「わかったよ」


「シシさんに力を分けてもらってから毎日トレーニングしてきたんだ。過信するつもりはないけど自分のことは絶対に守れるよ。大丈夫だからね」

 

「私たちも付いてる/大丈夫だシシ」


「分かってるつもりだけどね。それでもみんなのことは心配なんだよ」


「神だってこと忘れてないか?/先生だからね」


「そうだったな」


「サボりグセ直さないとね♪ 神眼ももっと使わないと知識が追いついてないよー」


「たしかに。ゴリ押しだけでなんとかなるんて甘いよな」


「まあ 改めてそう言われるとなー。湘くんのゴリ押しとか考えただけでヤバいね♪」

「シシは余裕だな/ショウは余裕だね」


「え、そうなの?」


「まあ数値がな/神も超えてるし」

「英雄神といい勝負だよ♪」

「私にはわからないや」

「あるじすごーい」


なんか緊張感なくなったけど。


「とりあえずこの歪みに備えて全国どこにでも転移できるようにしておいたほうがいいな」


「「「「!」」」」


「仕方ないなあ。少し社長に仕事セーブしてもらうように頼むしかないなあ」

「仕方ないね。旅行するしかないね!/そうだな。旅行するしかないぞ」

「創造神さまからのオファーだし♪」

「わーい」


その後もワイワイ旅行の話になる。

僅かな緊張感も霧散した。


「あ! シシさん、太陽プロの社員になれば? そしたら私のツアーに堂々と同行できるし、全国に飛べるようになるよ!」  


「それはいいね!/全国で食べ放題だな!」


「「やったー♪」」


「まあ確かに。一理あるな。あとで田城社長に電話で頼んでみるか」


そう言ったときにはアオイが社長に電話していた。

モンスター退治の件を伝える前に即オッケーが出た。


株式会社シシクリエイティブは太陽プロと正式に業務提携することになった。

まあもともとシシTVでがっつり組んでるからな。

なんの違和感もないや。


数時間後にはそのことがメディアにも発信されていた。

仕事早いなあ田城社長。

グループの社長とは聞いてなかったけどな。



そして目的地に到着する。


そこは完全な山の中。

クルマで入れたのはここまで。

さらに数時間は山の中を進むことになるようだ。


まだ時間は半日以上ある。


時間を持て余した私は魔法を本格的に使ってみることにした。


まずは飛行。

木花と咲那に教わってコツを掴んだらスイスイ飛べるようになった!

これは嬉しい!!!


「アオイはまだそこまで神気が操れないので抱っこだな」


それを聞いた女神は飛べないフリをしていたがあなたたちさっきまで鬼教官でしたからね。

でもかわいいから飛ぶときは手を繋ぐことにしてあげた。


目的地に着くとそこは本当になにもない山の中だった。

誰かの山ではあるのだろうけれど間違いなく誰も踏み入れられない山奥だ。


これならまあ大丈夫かなということで、認識阻害をかけたコテージを作ることにした。


クリエイトでサクサク作れる。

楽しくなって調子に乗ってあれこれ作る。

少し離れたところに小さな池があったので、その近くにコテージを置くとなんかいい感じの秘密の別荘になった。


「ナビィ、認識阻害ってどれくらい有効かな」

「湘くんならこれくらいチョロいよ♪」


それを聞いてあれこれと楽しみすぎた。


池を湖に拡張。

水質もとんでもなく綺麗にしておいた。

プールにサウナ、広い庭にバーベキューセット。

宮古島のサイズアップをイメージしたらとんでもないリゾートが完成してしまった。


みんな新しい別宅に大喜びだ。

コソコソしたくないから後で山を買うことを決めたのだった。


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