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4-6 解禁



その後、まずは卓司の企画が撮了した。


白ホリのスタジオ編、ハウススタジオ編、どちらも狙い通り。

画期的なノーカット企画はとても良くできたものに仕上がった。 


そして、ACE。

グループロケはまだこのあとだが、ソロパーツは先行撮了した。

それぞれの撮影はコンセプト通りに、いやそれ以上の出来栄えをもって進んでいった。


アオイは撮り続けているので撮影継続中ではあるが素材はすでに5冊分はできそうなほどである。

たぶんライフワークになるな。


なんならついでに撮っている女神の写真集も作れそうだ。 


配信チャンネルの準備も順調に進んでいる。


そして先行公開できる素材もひと通りは揃ったこともあり、当初の予定をかなり繰り上げて、野村卓司、アオイ、ACEのプロジェクトを、まずは業界内解禁することになった。


本来は解禁はもう少し先の予定で合意していたのだが、本社から泣きが入ったのだ。


出版においては流通や発売日申請などの事情で相応に早く段取りをしなければいけないのだが、この規模ではもっと早く解禁しなければ事故になるとのことだった。


だったら最初からそう言えよと呆れたが、そんなこともいってられないので対応した。 

とはいえ、紙以外の段取りはすべて整っていたのでさして問題はなかったが。


俳優、アーティスト、アイドルでそれぞれ間違いなくトップのスペシャルコンテンツである。 

どれかひとつでもとんでもない大ネタであるのに、同時発表である。


ましてはそれぞれがありきたりなものではなく、コンセプトの違う大型企画だ。


これには業界が驚いた。 


半分は感嘆し、半分は妬いた。


だがどうやらこのプロジェクトの仕掛け人が私であることが広まると、妬いていた半分も感嘆側にシフトした。


ありがたいことだ。


そして業界に解禁すると同時に各取次から写真集への問合せが殺到した。


前代未聞の反響で、この騒ぎでは間違いなく情報が漏れて騒ぎになりそうだと再度本社からの泣きが入り、やむなく一般解禁も繰り上げ対応することにした。



世間も当然のように大騒ぎとなった。


書店への予約が殺到して解禁と同時に重版が決定した。

発売前重版どころか、言葉としてはおかしいが、解禁同時重版である。



そしてここでトラブルが起きた。


その相手はまたまたなんと本社だった。


悲しいことに最後までプロジェクトに妬いた数少ない人たちの中にウチの取締役が入っていたのだ。

私の退任後に出版部門の後任となった男だ。


アオイとACE、野村卓司の写真集が棚ぼたで取れたことに大喜びをしていたが、いざ解禁されたらさらにこの騒ぎである。 

ここにきて紙以外の権利を主張してきたのだ。


ちゃんと初期段階から企画書を回しておいたのに、どうやら浮かれていて精査していなかったようだ。

あるいは理解できなかったのか?

あるいは舐めてたところを業界の反応を見て欲をかいたのか。


たぶん最初と真ん中と最後の理由だろうな。

あ、全部だわ。


挙げ句には取り決めの私の会社の取り分にまで異議をとなえてきた。


後任の取締役は販売元でしかないステータスが気に食わないのかもしれないな。


言ってることはめちゃくちゃだが、ここまで外部が協力してくれているのに内輪揉めは申し訳なさすぎる。


正直、金なんてどうでもいいので利益の30%という事前の約束は放棄してもいいことをその男にメールで伝えた。

会うのもうざかった。


男は気を良くしてそれで手を打つと返信してきたのだった。  


へんな騒ぎにならなくて良かった。


だがしかし、騒ぎが起きる。


契約書の最終取り交わしの段階でそのことに太陽プロが気づいた。


あくまで私の取り分だけのことだし、トラブル回避を優先した私の判断であったのだが、あまりに理不尽な契約変更に田城社長が経緯説明を求めてきた。


仕方なく本社との折り合いだとやんわり伝えたのだが、田城社長はそのことに激怒した。



その翌日朝イチで本社に乗り込んでしまったのだった。

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