4-1 お仕事
次の日からは認識変更もかけて観光した。
認識阻害だとたまたま写真に写り込んだりしたらアウトなので念には念をいれた。
オフシーズンでも観光客はいるからな。
みんなで久しぶりにアイランドホッピングだ。
石垣島、竹富島のほか、まだ渡ってなかった久米島、西表島なんかにも行ってみた。
今回は行けなかったが、波照間島が星がとんでもなく綺麗らしいのでいつか行くことを決めたぞ。
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「こんなにのんびりしたのは本当に久しぶり。ありがとうねシシさん!」
「楽しかったな!」
「楽しすぎたぞ/楽しかったー!」
「ナビィも! 沖縄そばが奥深すぎだった♪」
「島ごとに個性があるからな」
創造神さまにも喜んでもらえた。
毎晩、その島のそばとご当地の泡盛をお届けしたのがヒットしたようだ。
みんな沖縄料理に全然飽きないよな。
私もだけど。
「アオイはそろそろ仕事だな」
「がんばるよー! チャージたっぷりだ!」
「連絡くれたら転移で迎えに行くからな」
「うん! 毎日帰るからね! みんな行ってきます」
「「「いってらっしゃーい」」」
―――――――
アオイを東京に送り届けたあとは田城社長と今後の打合せをした。
アオイの送迎ついては、専用の転送部屋を用意してもらうことにした。
また、預かるときは認識変更をかけることをルールにした。
そして止まっていた写真集についても改めてリブートさせる。
ロケ地は沖縄離島。
アオイはプライベート感を重視したコンセプトで私がカメラマンとしてあえて携帯で撮り溜めていくことにした。
距離感ゼロの見たことのない表情が撮れるはずだ。
ACEのテーマはロードムービー。
ひとり1冊、3人で1冊。
薄めの4冊をひとつのボックスセットにする、フォトアルバム風のパッケージを提案した。
アオイとACE、どちらにもメイキング動画サイトへのエントリー権をつける。
また、私のディレクションした写真集を公式として発売したあと、アザーカットも追加開放して、好きな写真でお客様がセルフプロデュース版を作れるスキームを提案した。
こちらは別料金となるが、直感的にレイアウトできる、この世でひとつだけのデジタル写真集だ。
これには田城社長もノリノリでGOサインを出してくれた。
セルフプロデュース版の仕組みだけはしっかり構築しなければいけないが、このスキームは今後も使えるから自分の会社で開発費を持ち、権利を持つことにした。
当たればデカいかもな!
紙の写真集については本社への置き土産にするつもりだ。
仕事もメドがたったのでそのまま帰ろうとしたら、卓司に捕まった。
「ねえ、シシさん。オレの写真集も頼めないかな。社長のオッケーは取ってるんだ」
「え、もちろんだよ。卓司の作品が作れるなんて願ってもない」
田城さんも呼び戻して、そのままコンセプトの打合せをすることになった。
「アイドルみたいなコンセプトは外したいな。でも卓司の素顔は伝えたい。……ひとつずっとやりたかったけど実現してない企画があるんだ」
「聞かせてください」
「ノーカットだ」
「?」
「企画の打合せから、撮影は入りから出しまでを公開したい。動画で撮影もする。インタビューもな」
「すごいな」
「オレと卓司の関係性だからできることだと思う」
「やりたい。いいよね、社長」
「もちろんだ」
「紙はあくまでそのダイジェストだ。メインの動画はシリーズにしてどうするかは大人の相談だな。番組に売ってもいいし、卓司のオフィシャルで流してもいい。無料か有料かは検討だな。最後は社長判断だ」
「テレビにできるならそれがいいんだろうけど、あれこれ干渉されるのは嫌だな。シシさんのディレクションでしかやりたくない。そもそもノーカットじゃやれないよね」
「なら完成品のパッケージ売りでいいだろう。私が配信会社に売り込むよ。ネットフリーズあたりなんか喜んで買ってくれそうだ。企画もたくさん来てるがどれもオリジナル作品ってだけだから二の足を踏んでた」
「卓司ほどにもなると出方も難しいんだな」
「……あるいはオリジナルで配信チャンネルを持ってもいいのかもな」
「それはすごい。できたらすごいことですね」
一気に3つのプロジェクトが決まった。
こりゃ忙しくなるな!
でも面白くなりそうだ。
次の舞台はメディアだ。
55歳の獅子川 湘の出番だな。




