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3-2 告白



私はアオイに秘密を打ち明けた。



アオイは黙ってそれを聞いたあと、笑ってくれた。 


「つまりさ、シシくんがシシさんなんだね」


「まあ、そうだな」


「木花咲那さんは木花ちゃんと咲那ちゃん」 


「そうだ/そうだよ」


「アオイには見えないけれど、ナビィちゃんもいるんだね。はじめまして、アオイです」


「ナビィだよ、アオイちゃん!」


ナビィはプールの水をパチャパチャと叩いて合図を送る。


「これはびっくりだなあ。まさかなあ」


「すまない」


「いや、さすがはこれは簡単に言えないよね。仕方ないと思う」



そしてアオイは深呼吸をひとつ。 

木花と咲那に向かってこう伝えた。


「木花ちゃんと咲那ちゃんはシシならどちらでもよくて、アオイはシシさんを愛してる」


――ドキッとした。


「木花ちゃん、咲那ちゃん。お願いがあります。アオイにシシさんをもらえないかな?」


「いいよ、そのつもりだったよ/いいぞ、もちろんだ」


「……うん。ありがとう。……アオイはシシさんじゃなきゃダメなんだ。生きていけない」


「わかってるよ/わかってる」


「……ありがとう」


アオイは泣きながら木花と咲那を抱きしめた。

ふたりも、アオイを抱きしめている。


私は、何も言えなかった。


その後、アオイは私の方へやってきた。


「シシくん、シシさんに会わせてもらえるかな」  


「……わかった」


私は認識変化で55歳の私になる。


「あー、シシさんだあ。シシさん。ずっとずっと会いたかったんだよ」


そう言ってアオイは泣きながら私を抱きしめる。

少しだけ躊躇して、私もアオイを抱きしめた。


私と会えばいろいろ思い出して苦しむと思った。

だからなるべくアオイを避けてきた。


呼び込みのかかったライブの招待にも、ウチの媒体の表紙取材も。

避けれるだけ避けてきた。


「ごめんな。私と会えば苦しむと思ってたんだ」


「ありがとう。でも会いたかったんだよ」


「勇気がなかったのは私だな」


「もう離れないでね」


「こんなおっさんだぞ?」


「シシさんがいいんだよお」


木花と咲那もやってきて皆で抱き合う。

ナビィもアオイの肩に乗っている。


その日から当たり前のようにアオイは私たちの家族になったのだった。


―――――――


「えー! 転移なんてできるの!?」

「ああこれからはいつでも帰ってこれるぞ」

「やったーーー!」

「ねえねえバスケは?」

「ちょっとだけズルだな。身体能力が化け物みたいになってたんだ。逆にセーブしてたくらいだよ」

「あんなにスリー決めてたのも魔法なんだね」

「魔法じゃないよ。身体にシュートフォームを定着させるのに最初の頃にちょっと使ったくらいだ。大変だったんだよ」

「そうなんだね。かっこよかったよ! 自慢の息子だ!」


そこは切り替わるんだな。

魂を愛してくれているふたりとは逆なのか。

いや、むしろ同じか?

うーん。難しい。


「なんか微妙だな。同じシシだぞ?」


「わかっててもアオイはシシさんじゃなきゃダメだなあ。なんか違う」


「変なこだわりだな」


「だからシシくんが木花ちゃんと咲那ちゃんとキスしててもなんとも思わないよ。シシさんの姿でキスされるのは寝取られだから嫌だ」


「なんだそれ!」


「あ、ってことはシシさんとアオイがキスするのは木花ちゃんと咲那ちゃん的には苦しいのかな」


「特に気にならないよ/アオイならいいぞ」


「あのなあ。人のキスを勝手に……」


アオイが抱きついてきていきなりキスをした。


「!!!!」


「やった! ずっとしたかったんだ。今はシシさんだからいいよね?」


「もちろんだよ/ 今晩抱いてもらえばいいぞ」  


「え! いいの!?」


「離れた部屋にいけばいいよ/それか一緒にしたらいいぞ」


「そ、 それはまだ無理! 最初くらいはふたりがいいよ。4人はまた今度にしよ」


「わかったぞ/待ってるね」


「だーーっ! おかしいぞ! やめろ!」


「「「なにが?」」」


なんかおかしい。


「あのな、アオイとオレは年齢差が」


「それ関係ないから。それにトリプルスコアも今年までだし。17歳設定の木花ちゃんと咲那ちゃんとはできて18歳のアオイとできない理由はなに?」


「な!」


「「そうだな/そうだね」」


「ふたりは女神だ。年齢なんて関係ないだろ」


「アオイと同じこと言ってるよ。年齢なんて関係ない」


「へ、ヘリクツだ!」


「アオイのことキライなの?」


「……いや。そうじゃないが……」


「好きになれないの?/好きじゃないのか?」


「いや。それがね。なんか不思議だけど。アオイの気持ちを聞いたからなのか。打ち明けたからなのか。なんかへんな感じだ」


「私はいいと言ってるだろ/私もだよ」


「そんなもんなのかな」


「アオイ以外と浮気したら粉々にするぞ/細切れだよ」 


「やめろ。まじで怖い」


とりあえず今日はタブルベッドを繋げてみんなで寝ることにした。


アオイはしたがったけれど、それはそのうちにって言ったらおとなしくくっついてきた。


右に女神。左に歌姫。

なんにせよバチあたりだな。


4人と妖精の生活がスタートしたのだった。

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