表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/120

2-⑫ 決勝



決勝戦がはじまる。


相手はアメリカ。

これ以上ない強敵だ。


向こうのスコアラーはラバロンとカラー。

ラバロンはオールラウンダーでカラーはシューターだ。


最初のマッチアップはカラーだ。

一度入ると止まらなくなる面倒な3pシューターだ。

オレがついてるうちは打たせない。


日本の空回りにも近い必死のディフェンスは相手のシュートを許さずオーバータイムとなる。


よし! ファーストディフェンスでこれはアガる!


続く日本のオフェンス。

私へのマッチアップはラバロンだ。

絶対的エースをぶつけてきた。


川村さんから私にパスが供給されると、アイソレーションで日本の4人が逆サイドに集まり、意図的に私のサイドをフリースペースとする。


それに気づいたラバロンは顔色を変える。


『舐めながって』


一瞬の静止――からの高速ドライブ!


私はラバロンを置き去りに、ヘルプにきたディフェンスの上から豪快なダンクを叩き込んだのだった。


アリーナが静まり返り、その後爆発的な歓声が沸き起こる。


『嘘だろ、ラバロンが一歩も動けないのか!』

『なんだあいつは』


アメリカチームは戦慄する。

シシという規格外のプレーヤーの情報は得ていた。

だが、ラバロンが通用しないとは思っても見なかったのだ。


そして私の猛攻はここからだ。


ハーフコートに入るとマークが来なかったのでなんの躊躇もなくスリーを打った。

その位置はディープスリーどころではない。


そのボールは高い軌道を描きリングを通過した。


さらにアリーナがどよめく。


『あそこからマークが必要なのか!?』


リバウンドも期待されるラバロンをそんなリングから離れたところでプレーさせては意味がない。


シシのマークはカラーに変わった。


川村さんから私がパスを受けるとそれだけで場内がざわめく。


さらに遠くからスリーを決めた。


そのあとはイージーだった。


シュートモーションを見せるとカラーが飛んでくる。

それはフェイクでほんの少し前へステップ、またもスリーを打つ。

それでもラインの深く外。

これでようやくディープスリーである。


そもそも私のスリーは驚異的な成功率で他の人のフリースローよりも高いパーセンテージだ。


離せば打たれ、近づけば抜かれる。

ヘルプが入れば近づく前に打たれるか、あるいはさらに抜き去られる。

またあるいは致命的なアシストパスが出る。


アメリカは混乱し私のマジックにかかった。


完全なオフェンスマシーンと化した私を中心に日本はスコアをどんどん積み重ねる。


もちろんアメリカもとんでもない攻撃力でスコアを積んでくるが、流れは完全に日本のものになっていた。


2Q

日本 67-63 アメリカ

獅子川 46得点(3p 8/8)6AST 11REB


ハーフタイムのロッカールームはお祭りだった。


「なんだお前はー!」

「わかってる!まだ前半だ。わかってるけど!」

「「騒がずにいられるかー!」」


「みなさんのディフェンスもすごいです」

「たしかにな。前半で100点取られるイメージ持ってたよ」


ジャクソンが声をかける。


『浮かれるのも悪くない。慢心さえしなければいいフィジカルを生むからな。だがこのままでは終わらんだろう。次の手だ』


「「「「「はい!」」」」」


次なるゲームプランはスクリーンプレイ。

どこかで私にはディフェンス特化のプレーヤーによるフェイスガードがつくことを想定していた。


ボールさえ持たせないようにベタ付きのディフェンスが張り付くことだ。


実際に2Qの終わりにはその動きが見られた。


普通ならそれをアドバンテージに広いスペースで4対4を仕掛ければいいのだが、アメリカはそれを狙っている。

世界一の相手には歩が悪い。


私につくディフェンスを味方に引っ掛けてフリーになる動きを起点にゲームを組み立てる。


その過程で私がフリーになれば良し。

私への過剰な対応で他にフリーが生まれるならその人数差で局地戦を仕掛ける作戦だ。


『ここからはクリエイティブも必要だ。シシにボールが渡ればアイソレーション。渡らないってことはそこで人数差が生まれているってことだぞ。コンパクトゲームを仕掛けろ!』


「「「「「はい!」」」」」


3Qは予想通りにフェイスガードのディフェンスが私に張り付いた。


私はわざとゴール下の密集地帯に潜り込みディフェンスを引っ掛けて外へ飛び出す。

それを防ぎに他の相手がヘルプが動く。

はい、フリーが生まれる。


クレバーな川村さんは私を囮にフリーになった渡山さんへ針を通すパスを通してシュート。

作戦通りの展開にベンチメンバーがジャンプして吠える。


私へパスが通ればそこからは独壇場だ。

そのままスリーか、抜いてダンクか。あるいはアシスト。


日本の攻撃は的確に相手の急所をついていく。


アメリカは緻密な作戦に翻弄されたまま、明らかにその実力を発揮できずに崩れていった。


試合終了。  


日本 123-119 アメリカ

獅子川 78得点(3p 12/12)15AST 19REB



日本はワールドカップで奇跡の優勝を成し遂げた。


無敗の完全優勝である。

この日、バスケ界に伝説が生まれたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ