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2-9 第2ラウンド



「社長、アオイのアレなんですか」


「いや、冗談だと思ってたけどな。メディアの前でも公言するとは思わなかった」


「それこそトリプルスコアですよ。普通の父娘関係より年が離れてます」


「まあ『恩』っていうんだから仕方ないよ」


「いやそれだって偶然です。大したことじゃないですよ」 


「それをアオイの前で言えるか?」


そう言われると何も言えない。

あの事件が彼女にとってどれだけのトラウマになっているかは想像ができない。


「どうあれ、クルーには口止めしっかりお願いしますね」


「ウチは恋愛に干渉しない主義なんだが」


「100歩譲って年の差がないとしてもオレには木花と咲那がいますからね。アオイを傷つけることになる」


「それだよな。なんとかならないものかね」 


「魔法が使えてもよくあるハーレムなんて無理ですよ。ここは日本だ」


「それ、フラグにならなきゃいいけどな」


「なりませんよ!」


―――――――


そして第2ラウンドが始まる。


日本(21位)

スペイン(5位)

スロベニア(11位)

ドイツ(3位)


上位2チームが決勝トーナメントに進出となる。

これを突破できれば日本の歴史が変わる。


戦いが進み、日本の戦略もバレている。

飛び道具である私への対策もしてくるだろう。


まずは初戦のスペイン。

スペインより上位のドイツを倒したとはいえ、対策を練られれば簡単な戦いにはならないだろう。


スペインの作戦は大胆なものだった。

第1クオーターで私はいつも通りに爆発的なスコアラーぶりを発揮した。


1Qだけで21点(3p5/6)、4AST、3REBという猛撃をしたのだ。


能力を体感した彼らは、次のクォーターから対策を打つ。

私へのマークを2枚にして、残りの4人を3人で抑えるつもりだ。


大丈夫か?

ウチのメンバーを舐めると痛い目にあうよ?


そうくるなら私は中を広く使わせることに終始する。

カバーに行かせないように適度な動きで牽制しつつ、4対3の優位を維持する。 


結果、1Qのビハインドは覆らない。


さらにはセットオフェンスにおける私の得点は抑えられたものの、ターンオーバーにおける速攻時には私を止めることはできなかった。


そしてディフェンスにおいては私に選択権がある。


持ち前の攻撃的なディフェンスで、司令塔のゲームメイクを封じ込める。

当たりの出始めたスコアラーがいたらそこにマッチアップをして即リズムを壊した。    


日本のリズムは逆に良くなり、セットオフェンスにおいてもスペインを圧倒し始めたのだった。


結果。


日本 103-72 スペイン

獅子川 32点(3p6/7)、9AST、8REB


またも歴史的な大物食いを果たすのだった。



続くスロベニア戦も圧勝。


日本 129-68 スロベニア

獅子川 45点(3p7/7)、8AST、12REB


そしてドイツとの再戦。

お互いに決勝トーナメントを決めていたこともあり、スペインとスロベニアが取った作戦はしてこなかった。

あれブーイングすごいしね。

そうじゃないとな!


日本 107-87 ドイツ

獅子川 62得点(3p10/13)11AST 10REB


日本は無傷での決勝トーナメントへの進出を果たしたのだった。


日本はオリンピックでは1956年と1964年の10位、ワールドカップでは1963年の11位が最高順位である。

それを越えたベスト8入り。

日本中がこの快挙に沸いた。

まずは大きな貢献ができたかな。


でもまだだ。

日本はこの大会で世界3位のドイツを2回倒している。


優勝だって狙えるはずだ!


いやさすがにアメリカにはちょっと勝てないな。

調子に乗ってしまいました。


―――――――


その日の夜。


久しぶりに翌日がオフとなり、私たち3人は宮古島で過ごすことができた。

というか勝手に転移しただけだけど。


「なんかオレたちだけってすごい久しぶりな気がするな!」


「そうだよー! ナビィなんて構ってもらえなくて寂しすぎたよ!」


「それは同じだ! 全然足りない!/そうだよ。ショウ不足です」


「今日は水入らずでゆっくりしような!」


大会中は食事が勝手に食べられないのでバーベキューはまだお預けだ。

プールではしゃぐ女神とナビィを眺めながら幸せを享受する。


「そろそろ休むぞ」

「えー、足りないよ♪」

「シシは疲れているからな/これくらいにしておこうよ」

「ふたりがいいなら我慢するよ♪ じゃあおやすみー!」


意外と早く諦めたな。

それに自分から袋に入るとは。

あ! なんか気を使ったのかな。

ナビィ、なんていい子なんだ。今度なんか作ってやるからな!


「ショウ、話があるんだ/シシ、聞きたいことがある」


ん? なんか真面目だ。しないのかな?


「どうした?」


「アオイと何があった?/聞いていいかな」


「………ふたりには隠しごとはしないよ。彼女には知らないフリしてくれればいい」


そして私はあの日のことを木花と咲那に話すことにしたのだった。

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